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一家  作者: 大和香織子
第三章 数年後
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第三章数年後


 私は、地方で暮らし始めて就職先が決まるまでの間、随分と時間が余るので退屈しのぎに学生時代得意だったミシンを購入し洋服作りを始めた。


 最初は使い方を忘れていたのだけど、そのうち身体の方が頭よりも先に思い出すようにしてスイスイ動く。


 久しぶりのミシンを踏む感覚、それからすっかり私は嵌ってしまい、作る数に比例して作品は無駄に増え続けてしまった。


 そこで、試しにネットオークションに出してしまうことにしたのだ。


 これが、想像以上に、売れに売れまくった。


 その活動に目を止めて下さった高級ブランド「グランドサクセス」のオーナーがデザイナー部門として弊社で働いて欲しいというので、そこで暫く働くことにした。


 段々仕事が面白くなってきた私は、もっと上手になりたいと言う思いから、皆に惜しまれながらそこを辞め六年間ロンドンでみっちり洋服の勉強をした。


 それから日本に帰り、すぐに「Farbe der Blume」という洋服ブランドを立ち上げ、それが瞬く間に売れ、大成功したのだった。


 今では両親以上に収入が入るほどにまでなった。


 ふと、家族の事が頭に過ぎるのだった。


 この数年間、家族には居場所も連絡先も告げることはしなかったし、こちらから連絡するようなことはしなかった。


 元気に過ごしているだろうか。兄は今頃子供がいて幸せにやっているのだろう…男の子なのか、女の子なのか…。


 考える程に会いたくなってしまう。


 会いに行こうか…しかし邪魔なだけではないのか…そう自問自答が繰り返されるのだが、あれは過去の事で今ではない。


 やはり会いに行こう。自分の成長した姿も今なら堂々と報告することができる。


 そう決意してから直ぐに荷物を鞄に詰め込み新幹線に乗り込んだ。



         *


 実家のある駅に到着…。


 久しぶりのこの駅の名前。


 私は嬉しくて、何度も何度もその看板を見た。


 駅のホームを出て、懐かしい街並みを歩く。


 随分と道が広くなっていたりして、時の流れをそこに感じたのだった。


 実家の近くの公園の前を通る。懐かしい…小さい頃からここの公園でよく遊んでいたよね…目に入ってくるもの全てが懐かくて…。


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