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数日後仕事を調整しながら、俺は桜と結婚式場に向かった。
「結婚式で呼ぶ方のお名前と住所もこちらに記入してくださいね」
「はい」
このところ、桜との結婚式を挙げるために俺は妹に何度も電話をしたのだが、妹には全く繋がらない状況でいたのだった。
「親父、あいつの番号に、かけてもお掛けになった電話番号は…とか言って繋がらないんだよ。あいつの家にも言ってみたけど、空き家なんだよ…親父何か知らないか?」
「そうか…お前にも連絡がないか…」
「お前にもってなんだよ?」
「ずっと繋がらないんだよ」
「ずっと…って…どういうことだよ?」
「あの子はちょっと昔から分かりづらいところあっただろ?」
「まぁ確かに…だから?居場所ぐらい知ってるんだろ?」
「それが…わからないんだよ」
「何でだよ、親父なんか言ったんだろ?」
「まぁ、妹の事は気にしないでも大丈夫だ。あの子は昔からしっかりしているし強いんだから」
「でも俺結婚するんだよ?妹にも式には出てもらいたいしさ…」
「桜さんが嫌って言ったらどうするんだ?それに薫さんだっていい顔しないかもしれないじゃないか。大丈夫だ。そちらの方は私がうまくやっておくからお前は桜さんに可愛いウェディングドレスを着て喜んでもらえるようにしなさい」
…たしかに、桜は妹と折り合いが悪かったけど…俺としては妹にも来てもらいたいのだが。親父がそこまで言うからには何かしら事情があるのだろう。
それに桜は今すぐ純白のウェディングドレスを着たがっているんだ。
勝手に行方知らずになった妹を待って例え会えたとしても、あいつのことだからきっと反対するだろうし…
そうなったらまた面倒なことになるよな。
俺は桜がウェディングドレスを試着した写真を見る。
なんて可愛い桜。
俺の嫁はこんなに可愛いいのだと世界中に自慢したくなったのだった。
「もしもし、春寿司さん?一番高いのをお願い出来ます?
特上のでお願いしたいんですけど」
「わー桜すごく幸せ。ご主人様、桜すごく幸せだよ」
その桜の言葉をきいて俺は桜の頭をポンポンと二度軽く叩く。
「えへっ」と言いながら桜は俺に抱きついてきた。
まぁ、仲良しなのね本当に、
という母の言葉に俺の顔は恥ずかしさで真っ赤になっていくのが自分で分かる。
全く目のやり場に、困るんだけど…弟が呟くようにいい、俺は申し訳ないとも言えずただ黙って顔から火が出そうなくらいなのをじっと耐えたのだった。




