表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/19

4:秘書♀×教師♂(前編)

ひとまず、時系列を考えて霞×拓後日・・・

私の好きな人・・・・


同じマンションのお隣さん。


 「西村 智さんをお願いいたします。」

ロビーで叫んでいる一人の男性がいた。

「私は、西村さんの娘さんの担任の児玉と言います。」

ここは、外資系のインテリア雑貨を取り扱っている会社

私は、辛川 桜華 26歳

この会社の社長である西川 智の秘書だ。

ロビーでのごたごた なんだか、社長の名前が出ている様子

「どうなされましたか?」

明らかに困っている受付嬢たち・・・

この子達の苦情は、あとで言わなきゃね。

「私、西川の秘書をやっております。ただいま、社長は会議に入っておりますが??」

受付から引継ぎ言った。

「会議・・・そうですか。」

あきらかに、落胆している目の前の男性

びっくりした。

まさかこんなところで会うなんて・・・

って、私のこと気が付いてない?

と・・・今は仕事中だ。

「お時間、ございますか?」

気持ちをすぐに切り替え、時計を見て言った。

「いえ、すぐにもどらなければなりません。」

彼もつられて時計を見て言った。

「カンナさんの進学の件ですよね?私が お伺いしてもかまわないでしょうか?」

とりあえず、私は先生をロビーの端に連れて行った。

社長の娘 カンナはいま、15歳中学3年生の受験生だ。

私は、彼女とも面識があり本人から進学を悩んでいることを聞いていた。

「あの・・・」

私の言葉に明らかに驚いている先生

「あっ、すみません。カンナさんから悩んでいることを伺っていましたので。えっと、そのことに関しましては社長まだご存じないんです。もう少し、お時間いただけないでしょうか?」

実は、昨夜もカンナ本人から相談を受けていた。

「本人にも、同じことを言われました。ただ、3者面談が来週ありまして、そちらにはご参加いただけないものかと・・・」

私は 頭の中で社長のスケジュールを確認した。

きっと時間は空けられないだろうと認識した。

「わかりました。社長のほうには、私からお伝えいたします。明日までに、学校のほうへ連絡するようにしますので。」

私の答えに、頭を下げ帰って行った先生。

翌日、社長は再度スケジュールを確認調整し学校へ行くことを先生に連絡した。


 「あら、おはようございます。先生」

ゴミをだしていると朝のジョギング帰りのさわやかな彼とばったり会った。

「おはようございます。俺、辛川さんに職業の話しましたっけ?」

エレベーターに乗るなり、そう言った。

あーぁ、そっか。

私は、眼鏡を外し髪を纏めた。

「覚えていませんか?」

思いっきり、目を大きくしびっくりしている。

この反応、病みつきになるかも・・・

「あっ、昨日は突然すみませんでした。怒られませんでしたか!?」

さっきまでのさわやかさはなくなり焦る彼を見てつい吹き出しそうになった。

「大丈夫ですよ。社長、娘さんのこと真剣に考えてますから。ちょっと仕事人間なのがたまに傷ですが。休みの日は、娘さんが嫌がろうとも付きっきりなんですよ。」

たまに会社にやってくるカンナ。

娘も父親のことしかいわない。

口ではどんなに嫌がっても、表情はとてもうれしそうなのだ。

「隣同士になって3年にもなるのに、お互いの職業すら知らないなんて笑っちゃいますね。」

苦笑い的な彼

私は短大を出てから、会社の近所であるココで一人暮らしを始めた。

偶然、隣に住むことになった彼と同じ日に・・・

「そうですね。でも職業を知らないからって、仲良くなるのに不自由じゃないことが実証されましたね。」

ゴミをだしエレベーターに乗り込んだ私たち

「確かに。そうだ、お仕事っていつも何時頃に終わりますか?」

なぜいきなりそんなことを聞かれたのかわからず私は固まってしまった。

「あっ、いきなりすみません。昨日、ご迷惑おかけしたのでよかったら食事にでもと思って」

顔を真っ赤にしている彼

「19時ごろです。これ、携帯番号です。都合のいい日がありましたら連絡ください。」

私は即答し、彼に携帯番号とメールアドレスを書いた紙を渡した。

彼、児玉 流さんが私の想い人だ。

誘わられて断ることなんてするわけがない。


 「辛川、機嫌がいいのはかまわないが今日の夜の約束を忘れないでくれよ。」

会社に出るなり いつ電話が来るかそわそわと機嫌よくしていると社長から渇が飛んだ。

「はい。」

しまった!!としょんぼりする私に 笑う社長

「笑わないでください。」

この会社に入り4年が経っている。

社長とも4年の付き合い仕事はもちろんプライベートでも友人として仲良くさせていただいている。

今日は、海外からやってくる企業の社長との食事会

娘はいるものの、奥様とは、10年前に離婚していて恋人もいない社長のパーティーでのパートナー役をしている私。

いつもは、社長がひいきにしている美容院にたのむのだが、今回は違った。

理由は、妹の彼氏が美容師で、ヘアーメイクをただでやってくれるといった嬉しい特典があるから。

「会場で落ち合いましょうね。」

そういい、私は準備のために会社を出た。


 「はじめまして元町 豪といいます。」

家に帰れば、妹の花梨と一緒に彼氏が来ていた。

時間がないから早速ヘアーメイクを始める。

「ね、ドレスは?」

先に、メイクを進めている元町さんの手伝いをしている花梨に聞いた。

「怒らない?」

ギックとした様子の花梨・・・

なんだか嫌な予感

「実は、業者の手配ミスまだ届いてなくて・・・」

申し訳なさそうに、花梨の変わりに答える元町さん

「でも、雅の彼女が、ドレス貸してくれるって言ってて今、雅がとりに行ってる。もうすぐ来るから大丈夫!!」

雅の彼女??

花梨もだけど、雅にもいつの間にか恋人が出来てる??

なんだか ショックだわ・・・・

しばらくすると、本当に雅はやってきてドレスを私に渡した。

「雅、下にタクシー呼んでるから桜華ちゃんつれていって。私たち ココ片付けるから」

テキパキと指示を出す花梨。私は、時間がないので雅に続いて玄関を出た。「桜華さん、エレベーター来たから早く。」

廊下から雅の叫んでいるのがわかったが、あせっているときに限って靴が履けない。

「雅、ちょっとまってよ。」

やっと、靴を履いた私は玄関から飛び出した。

が、目の前には今日連絡が来るかドキドキしていた相手がたっていた。

きっと、今 仕事から帰ってきたのだろう

「あっ、児玉さん こんばんは。」

彼に挨拶だけをしてエレベーターに急いだ。

彼が、私の姿を見て固まっていることを知らずに・・


 「時間 ギリギリの辛川なんて珍しいな。」

食事会場となるホテルに着くなり社長は私にそういった。

「すみません。ちょっとハプニングがありまして。」

私は、ドレスや髪型を整え言った。

「かまわないよ。しかし、今日の辛川は一段と綺麗に見えるな。」

まじまじと私を見据える社長

今日のドレスは、サーモンピンクのマーメイドドレス

髪型は、アップにしつつも襟足だけ少し残し こてで巻いてもらった。

「・・・セクハラ発言はお控えください。」

はぁーとため息をつき社長に言った。

「なんだ、正直に感想を言っただけじゃないか。」

クスクス笑う社長を軽く睨み会場へと足を運んだ。


 「桜華ちゃんっ。」

学校に着くと、カンナは児玉さんと教室の前で話していた。

「私、時間間違えたかしら?」

予定時刻は16時半

今は、16時になったばっかり・・・

「ううん、大丈夫だよ。前の人たちが早く終わりすぎたの」

無邪気な笑顔で話し掛けてくるカンナ

「智さんね、ちょっと遅くなるみたい。ギリギリに着くとは思うけど・・・」

せっかく、時間を開けたのだが昼過ぎからの会議がまだ終わらないとのことで私がとりあえずでやってきた。

「私はパパより、桜華ママの方がいいからかまわないけど?」

ニヤッとするカンナ

この子はどうやら、私と社長をくっつけたいようだ。

「そんなこといわないの。私は智さんがくるまでの代理よ!」

そういい、私は児玉さんを見た。

「申し訳ありませんがお待ちいただけますか?」

真直ぐ彼を見て言った。

彼はかまいませんよと笑ってくれた。

なんだか、苦しげに笑っていた気がした。

「あっ、桜華ちゃん。待ってて」

カンナは誰かを見つけたらしくたぁーっと走っていった。


 二人っきりに私たち、しばらく無言だった。

何か話さなきゃ。

「この前・・・」

いろいろ話すことを考えていると先に口を開いたのは彼だった。

歯切れの悪い彼の言葉

なんだろう?

私は少し首を傾げた。

「先週末・・あの・・・ドレスを」

先週末?ドレス?

「あっ、あれですか?社長の付き添いで食事会に行ったんです。」

そうだ、あの時 時間がなくてバタバタしてて忘れてた。

うわぁーなんか今更ながら恥ずかしいかも・・・

「食事会・・他の男と行って恋人は怒らないんですか?」

はい?

恋人・・・誰のこと?

すっとぼけた顔をしていたであろう私

「翌朝、恋人が朝帰りしていませんでした?」

翌朝?

あの日は、妹が泊まっていて・・・

「その人、妹の彼氏じゃないかしら?朝から迎えに来ていたから。」

そのことしか思い当たらない。

「私に恋人はいませんが?」

私の言葉に少々ほうけている彼

「それに私は・・「辛川、遅くなってすま・・ん?」

私、今何を言おうとした?

社長がこなかったら・・・

「えっと、カンナの担任の先生ですか?」

空気の流れを読んでください 社長・・・

「はじめまして、カンナさんの担任の児玉です。」

いつのまにかしっかり先生モードになっている児玉さん

なんかムカつく・・・

勢いだけど、たった今女性から愛の告白されようとしていたのに・・

なに?

その切り替えの早さは!

「私、カンナを探してきます。」

多分、この時の私は秘書としてではなく一人の女として感情を込めずに言ったんだろうと思う。

じゃないと児玉さんがあんなにびっくりした顔をする訳なかった。



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ