3:高校生♀×社会人♂(後編)
「実は、今度のドラマで高校教師の役をするの。それは、いいんだけど・・・・相手役の子どもも女子高生らしくて・・・」
と話をにごらせながら言う。
「ようするに、現役女子高生の話を聞きたいらしいよ。」
と横から話す兄
「あーぁ、かまいませんよ。私で役に立つなら喜んで。」
ニッコリ微笑み言った。
小百合さんは、ありがとう。と言い携帯番号とメールアドレスをくれた。
そして、一言
「この仕事だから、電話にはなかなか出れないから 用事がある時はメールにしてね。」
と・・・兄のなぞが一つ解けた。
小百合さんの為なんだ、電話じゃなくなったの。
そう思いながら兄を見ると、私が考えていたことがわかっていたようで
「いたらないことはいうな。」
と釘を刺された。
う~ん、こりゃー小百合さんは知らないんだな、兄がメール嫌いなことを。
「雅くん、ごめんね。次の仕事があるから」
そう言い小百合さんは荷物を片付け始めた。
「いや、杉田さん駐車場で待ってるんだろ。気にするな。」
杉田さん???駐車場・・・・
「あっ」
忘れてた。
「どうしたんだ、霞」
今日はいったいココに来て何度叫んだのだろうか・・・
「あの、さっき来ていた男の人って・・・」
小百合さんに向かって言った。
「杉田よね?私の マネージャー。どうかした??」
荷物を持ち、後は行くだけという状態。
「さっき、助けてもらったんです。ありがとうございましたって伝えてください。」
私は小百合さんに言った。
が、話がよくわからない様子
私の隣にいた兄は私が言ったことがわかったらしく
「小百合さん、俺たちも駐車場まで行くよ。」
そういい席を立った。
「やっぱり、雅くんの妹さんか。」
駐車場に行くと、駅前で会ったときと同じように、車を背にタバコを吸っていた。
「杉田さん、すみません。妹を助けていただいてありがとうございました。」
兄は、杉田さんに頭を下げた。
「気にしなくていいよ。偶然、通りかかっただけだから。田口時間だ、いくぞ。」
タバコを消し、言い放った。
「じゃーな、妹ちゃん。今度からは一度家に帰るようにしろよ。」
頭を撫でてくれた。
その時の笑顔が私は頭から離れない。
「兄さん、杉田さんって、今フリー??」
車を見送り家帰って兄に聞いた。
「そうだけど。まさか、惚れたのか??」
私の発言にびっくりしている兄
「まだ、いいの。でも、いつか必ず振り向かせて見せる。」
いつか必ず・・・
18歳の今日そう心に誓った。
1話完結の話なのに、明らかに続く流れで終了です。
あえて、サブタイトルつけるなら「恋、しちゃった編」です。
続きはあるのですが、次回更新するかは悩み中。