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3:高校生♀×社会人♂(前編)

お昼に来ていた一通のメール

《放課後バイト先にこい》

という有無も言わせない『、』も『。』もないメール

誰からのメールか、確かめなくてもわかる。

この傲慢さはひとりしかいない。

それは兄である雅だ。

でもそれはメールだけで、本人はこんなメールを送るようには思えないほどとても優しく私の自慢の兄だ。

なぜああいったメールになるのかというと、メールが大の苦手だからだ。

用件があれば、相手が学校だろうと相手のことを考えず電話をしてくる兄

でも最近は、メールが増えてきた。なんでだろう?

幼なじみの花梨ちゃんに聞いても笑うだけで教えてくれない。

もちろん兄に聞いてもはぐらかされ教えてくれない。

しかもバイト先にこいなんてめずらしい内容。

学校が終わると制服のまま急いで、駅に向かった。

普段は自転車だが、帰りは兄のバイクに乗せてもらおうと思い、学校に置いてきた。

その時、一度家に帰り着替えるなんてことは頭にはなかった。

兄のバイト先に近くの駅で降り、向かっていると目の前に他校の男子生徒が5.6人たまってこっちをちらちら見ながら話していた。

私は無視をし、横を通り過ぎようとすると思いっきり腕を引っ張られた。

「痛っ!ちょっと離してよ。」

他校生の一人が腕を力一杯引っ張たようだ。

思いっきり、その人を睨み付けたがニヤニヤ笑うだけ。他の人たちも一緒だ。

「俺たちと遊びに行かない?」

他の人がもう一方の腕をとり無理矢理つれていこうとした。

「行かない。離してよ!」

私は大きな声で叫んだ。

しかし周りの人たちは見てないふりをする。

兄さんのバカっ!!

しばらく口聞いてやらないんだから!

涙目になりながらも一生懸命抵抗をする。

「男の力に勝てると思っているの?」

言葉の通り、男の力には勝てない。

着いていくふりをして逃げよう。

そう思った時だった。

「誰の許可とって俺の女連れ去るわけ?」

はっ?

気合を入れていた私はきっととんでもなくとぼけた顔をしていたに違いない。

「・・・おい、やばいって」

一人がそう言うと他校生たちは走って逃げていった。

そりゃーそうでしょう。

助けてもらってなんだけど、私だって逃げ出したい。

目の前に私を自分の女扱いした人は、私でもわかる有名な外車に背中を預け、スーツに身を纏った人だった。

オプションとしてサングラスプラス口もとの煙草

あきらかにやばい人っぽい・・・

でも、かっこいい。

サングラスしているから目は見えないからなんともいえないが・・・

「おい、何 ぼけぇーっとしてるんだ。こいっ!!」

そう言い、その人に助手席に連れ込まれた。

私は びっくりし、急いで逃げようとドアに手をかけた。

「また、あいつらに絡まれたいなら、出ってていいよ。」

その男は運転席に回り乗り込んでき、そう言った。

が、目線は私を通り越して外を見ている。

つい私もつられてそっちに目をやった・・・

あいつら・・・?

男の目線には、さっきの他校生がこっちの様子を遠めに見ていた。

「女子高生なんかに、手出したりしねーよ。」

安心させるようになのか、男はそう言いサングラスを外した。

サングラスの下から現れたのは、さっきの様子とは正反対の優しい瞳だった。

「おい、聞いているのか?」

はっ、私は男の声に覚醒した。

不覚にも、その男に 私は、見惚れてしまっていた。

「・・・ごめんなさい。もう一度いいですか?」

車にエンジンがかかる音がした。

「家に帰る途中だったの?あいつらいるし、送ってく。」

あごで、外にいる他校生を指し言った。

「いえ、約束があって・・・一つ向こうの門にあるコーヒーショップまで・・・あの、曲がったところで降ろしてもらってかまいませんから。」

私は、助けてくれた人に これ以上迷惑をかけれないと思い言った。

「・・・いや、俺もそこに用事があるからかまわない。」

ふーんと心の中で思い特に気も止めずにいた。

「えっと、ありがとうございます。助けてくれたことと送っていただくこと。」

場所が近い為、私は早口で言った。

「ここの裏に、専用駐車場がありますから。」

駐車場まで付いていくといったが断られ、私は店の前で降ろしてもらった。

そして、彼の車を見送った。

って、すぐに来るんだろうけど・・・

「いらっしゃいませ。」

店に入り兄の姿を探したが、見つからなかった。

あれ、今日バイトじゃないの?

「おい、霞どこ見てんだよ。」

キョロキョロしていると後ろから声が聞こえた。

「兄さん。」

振り返ると私服の兄が座っていた。

「今日、休みなの?兄さんのせいで大変だったんだからね。」

そう言い、私は手を差し出した。

「・・・なんかあったのか?」

そう言いながらも、私に自分の財布を渡す。

「駅前で他校生に無理矢理連れて行かれそうになった。」

思い出したら、だんだん腹が立ってきた・・・

「はっ!?大丈夫だったのか?」

兄は、私からの意外な言葉のせいか慌てて立ち上がった。

「助けてくれた人がいたから、大丈夫。・・・あれっ?兄さん一人じゃないの?」

ゆっくりと視線を落とすとコーヒーが二つあることに気が付いた。

「あーぁ、今いないけどな。」

私の様子が普通だったので安心したかのように、私の頭を撫でてくれた。

「あっ・・・」

声が自然に出ていた。

「どうかしたのか?」

兄の言葉は聞こえていなかった。

店の入り口にさっきの人が立っていた。

名前くらい、聞いとこうかな。

そう思い彼に近づこうとした。

が、後ろから綺麗な女性が一緒に入ってきて私は固まった。

用事って、彼女との待ち合わせ?

なんでがっかりしているのだろうか?

そりゃーかっこいいのは認めるけどさ

私と彼は会ったばかりだし。

二人は、話をしながら、こっちに近づいてきた。

きっと隣が空いているから そこにくるのだろう。

と、思ったが違った様子

「ごめんね。」

と女性のほうが私に話しかけてきた。

・・・いや、違う。

目線が、私の後ろだ。

「あっ・・・」

やっとこっちを見た彼が私に気が付いた。

私は、彼と目が合ったがぱっと逸らした。

「雅くん、妹さん?」

目の前に立っている女性が、私を見ながら言った。

「そう。霞飲み物買ってきたら?」

兄は、そう言い 私を助けてくれた人に話しかけていた。

兄さんも知り合いなの?あれっ?

さっきの女性ってどこかで会ったことある?

私は、兄が言った通りに飲み物を買いに行った。

キャラメル・ラテが出来上がり、席に戻ると兄と女性だけになっていた。

「あれっ?」

つい声が出てしまった。

「どうした?ほら、ここに座れ」

私に横の席を勧めた。

「こんにちは。」

座ると目の前に座っている女性が挨拶をした。

私は呆然とその女性は見た。

反応もせずに・・・

頭の中には、さっきの人のことを考えていたからだ。

この人とどういう関係なんだろう・・

「おい、霞!!」

何も言わない私のチョップする

「痛っ・・・何するのよ。」

私は、兄を思いっきり睨んだ。

「お前が人の話を聞いてないからだ。」

兄はフンッと鼻を鳴らした。

目の前の女性はクスクス笑っている。

何かおかしかったっけ?

「なに笑ってんだよ、お前は・・・」

ばつ悪そうに悪態を吐く兄

「だって、雅くん私にもそんなことしたじゃない。あの時のことを思い出したの。」

いまだ、クスクス笑っている

「あの時はデコピンだ!!」

兄さん、仮にも女性にデコピンって・・・

しかも明らかに女性のほうが年上なのにタメ口って・・・

「霞ちゃん雅くんって家でもこうなの?」

しかも女性のほうは、全然気にしてない様子。

逆に興味津々の様子

「なんだよ、こうって」

目の前でニコニコしている女性を見た後、チラッと隣を見るとあきらかに拗ねている様子の兄

「プッ・・・」

そんな様子につい吹き出してしまった。

「霞??」

いつもより、低い声の兄

やばいこの声は怒っている時だ・・・

「あの、お名前教えていただけますか?」

話を変えようと、女性の名前を聞いた。

「あっ、そうだったわね。私は 田口小百合よ。下の名前で呼んでね。」

ニッコリと微笑む

う~ん、笑顔もとってもステキ・・・

んっ??

「兄さん・・・もしかして」

名前を聞いて私は 一人の女性を思い出した。

「そうだよ。お前が言ってる ふざけたタレントだよ。」

吐き捨てるように言う兄

ふざけたって・・・

田口小百合はとても明るい性格のタレントじゃん。

あれっ??

でも、目の前の女性は、テレビとの様子とかなり違う。

言われないとわからないほど、大人しい。

「テレビはね。作っているの。本当の私は目の前にいる私よ。実は、今日ココに来てってたのんだの私なの」

ニッコリ微笑む

「・・・あの、その前に二人はどんな知り合いですか?」

話を聞く前に不思議だったことを聞いた。

「どんな知り合い??」

小百合さんは 兄に向かって首を傾げた。

「小百合、てめぇ~」

真っ赤に顔を染めている兄

珍しいものを見て私は固まっていた。

「もしかして、付き合って・・・」

でも口は動いたようだ。

「そうだよ。ちょっと前からな。」

ブスッとしながら言う兄

「嬉しい。雅くんから初めて聞いた。」

となぜか感動している小百合さん

「あの・・・ところで、なんで私がココに呼ばれたんですか?」

ほっておくと二人の世界に入りそうな雰囲気だったので目的を聞いた。

私の言葉にはっとなって、小百合さんが話し始めた。



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