青春ガンメタリック
灰色の塗料の中に金属の微粒子が混じっている
そんな愚鈍な青春だったよ
タミヤ模型のエナメル塗料のガンメタリックそのもの
授業を聴いていられなくて学ラン脱いで喫茶店
くわえたハイライトの燃える火種
出所不明の透明の百円ライターが希望の灯火だった
なまくら刀で世界に刃向かった
その数だけ顔面にできたにきびの痕
えぐりとって膿で鏡を汚してた昼夜の洗顔後
学芸会で自作自演のレザボアドッグス
俺はポスターカラーの血糊でホワイト演じてた
監督脚本準主役でも女なし
ステッドラーの十二硬度ある鉛筆が俺の今の相棒
筆跡はやはりガンメタリックカラー
黒鉛の鉛の生々しい色だよ
ガンスタンドに飾ってあるコルトもガンメタリック
鋼鐵染色風仕上げの逸品だ
俺のガンメタリックはまだ終わらない