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Another World  作者: 北斗
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霊享山



「あったあった!ここだ。やっぱり本当だったんだな」


山奥をさまよって一時間はたっただろうか、初めは生き生きしていたが次第に元気がなくなってきていた時だった。


伸也が突然声をあげた。


やけにデカイ木が根元から折れて、横たわっている。


その下に隠れるようにして洞穴の入口はあった。


正直伸也が見つけたことが嬉しくない。


(はぁ…何で見つけたんだよ…)


おれは入りたくなかったから出来る限り反抗してみた。


「なあ、入るのは止めようぜ。見つけただけで満足だろ?」


こんな反抗をしたことに後悔した。


よく考えれば、いやよく考えなくてもこんなことに同意するような連中じゃなかった。


おれを除く五人はさっさといかにも怪しげな洞穴に入っていってしまった。


「はぁ〜…」


(ついていかないと後で何言われるかわからないしなぁ)


おれはため息をつきながら渋々ついていくことに。




暗い…



そして気味が悪い…




そんなことしか考えられなかった。


当たり前だよな、興味もねぇところに無理矢理来て、何に騒げっていうんだよ。なぁ?



そんなくだらないことを考えながら歩いていると伸也たちが止まっていた。



「夏屶遅いぞ!」


(はいはい、すいませんね)


だから嫌々来てる人にそんな要求するなよな…


周りが暗いせいかどんどん気が滅入ってきた。


「お前らがおれを無視してさっさと行っただけだろ」


おれは当然のことながらやる気ない声で答える。


「あ〜もしかして夏屶くん恐いの〜?」


「ちげぇよ」


まったく霞までおれを馬鹿にしやがる。


女三人が全く怖がっていないのには驚いた。


とにかくおれが恐がるわけないだろ。


おれは苛立ちながら五人を抜いて先に奥に進んで行った。


後ろからクスクスと笑い声が聞こえるが気にしないようにした。


「な〜にイラついてるの?」


「うわっ!」


気がつくとすぐ隣に美沙がいた。


(声かけられるまで気が付かないなんて)


一人で苦笑いした。


「なに驚いてるのよ。まったく失礼な」


顔を膨らませて怒った表情をつくる…ように見えた。


なにせ暗いから顔の表情を見るのもやっとのことだ。


「ごめん、そんなつもりじゃあ…」


「冗談だよ♪ホントに暗いよね〜」


(冗談なら言うなよ!てかもう話変わってるし…まったく女ってやつは)


美沙は三人の中で一番可愛いと思っている…

けど、絶対におれで遊んでいる。それさえなければなぁ…


「あぁ、そうだな」


たしかに暗い…気分までどんどん暗くなってしまう。

美沙と話ながら歩いていると突然伸也と一稀の呼ぶ声が聞こえた。


渋々呼ばれた方に行ってみると、そこはかなり大きく開けていて、上から少しだけ光が差し込んでいた。


その光具合が何とも言えないほど不気味な雰囲気を出していた。


そして、何気なく足元を見てみると…


(うわっ!)


なんと錆びた鉄と…骨が…



美沙たち女三人は悲鳴をあげた。

しかし、いきなり隣で美沙に叫ばれてかなり耳が痛い…


そのお陰で抱きつかれた嬉しさよりも耳の痛みの不快な気しかおきなかった。


どうせなら素直に喜べる状況がよかったぜ。


そんなことを思っていると、突然体が重くなった。


初めは美沙のせいかと思ったが、どうやらそうではないらしい…


美沙は既に気を失っていた。


そしておれも周りが白くなっていき、意識が遠のいていった…



(意識が無くなる前って白くなるのか?普通マンガとかでは黒くなっていくもんだろ…)


意識が無くなる寸前、一瞬だけ目の前に銀色に輝く人の姿が、天使の姿が見えた…


(なんだあれ…まぁどうでもいいか…)


そしておれらの意識は無くした…

夏屶

「山登りはキツイぜ…」

伸也

「情けないぜ!?全く…それに比べて俺ときたら――省略」

夏屶

「そうそう、前回は夏とか伸とかでわかりにくくなかった?」

伸也

「確かに!」

夏屶

「うわっ!切り替え早!」

伸也

「だから今回はちゃんと名前がわかるようにしたのさ!」

清美

「したのさ♪」

夏屶

「お前ら…」

美沙

「もう諦めなって」

夏屶

「はぁ…」

「みんな大変大変!」

夏&伸&清&美

「どうした!?」

「一稀君が起きてる!」

夏&伸&清&美

「当たり前だろ!」

一稀

「オレってそんなキャラなのか?」

「うん!」

一稀

「そっか…てかよく考えたらおれ全く登場してないじゃん!?」

美沙

「全員が話してることってないよね〜」

夏屶

「作者が面倒くさがるからなぁ…」

伸也

「てかあの洞穴はなんなんだよ!」

夏屶

「みんな突然倒れたな…」

美沙

「私夏屶くんに抱きついちゃった♪」

夏屶

「……」

伸也

「夏屶が顔紅くしてる〜」

清美

「うわ〜!夏屶君って照れ屋さんだね」

夏屶

「うるせぇ!とにかく次回は…」

美沙

「みんな死んじゃった…悲しいよ〜」

夏屶

「勝手に話を終らせるな!」

美沙

「王子さまのキスで…」

夏屶

「ない!てか主役は美沙じゃないだろ!」

美沙

「え〜、つまんな〜い。じゃあみんな、次回の美沙の活躍を見てね〜♪」

夏屶

「はぁ…」

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