つかの間の休憩
「はぁ…凛さんの部隊か…」
おれは試験の戦闘で疲れたから直ぐに部屋に戻ってゆっくりしている。
何故か人間って疲れた時に独り言が多くなる気がする。
「はぁ…」
また深くため息を吐く。
別に凛さんが嫌とかいうわけではないが、直属の部隊っていうのがどうも気が引ける。
いや、確かに凛さんは面倒なんだけどね…
「ため息ばっかりついて、そんなに僕が嫌なの?」
「いや、凛さんが嫌という訳じゃないんですよ。ただ……」
って、ええっ!?
待て待て!
「何故凛さんが此処にいるんですか!?」
「ん〜気分♪」
気分ってあなた…
此処はおれの部屋で…確かに一人で戻ってきた。
ドアもちゃんと閉めたし……
「またピッキングですか?」
「いやだなぁ、僕はそんな犯罪的なことしないよ♪ちゃんとロックを解除して入ったよ♪」
余計におかしいだろ!それをピッキングって言わずに何を言う!
この人にプライバシーってものはないのか…
「で、何か用ですか?」
「ん?何もないよ?夏屶君が用あるんでしょ?」
はっ!?おれは何も言ってないぞ!
「おれは何も言ってませんけど?」
「うん、何も言われてないよ♪」
……本当に関わりたくない…
面倒過ぎる
「じゃあ何しに来たんですか…」
「夏屶君に戦い方を教えるため♪」
じゃあ初めからそう言えよ!
ああ…自分が自分でわからなくなってくる…
「まずはね……」
それからは本当に真面目な話だった。
連続で斬りつける繋げ方、受け流しの方法……
そこらへんはさすがは四大聖天使だと感心しながら聞いていた。
「実は凛さん凄いんですね」
「うぅ〜なんか失礼だぞ」
「ふみまへぇん」
だから頬を摘まないで…
あ、今回は簡単に離してくれた。
珍しい……
摘まれた頬を擦りながら凛さんを見ると、何か真剣な表情をしている。
少し俯きながら気まずそうに言葉を出し始めた。
「…夏屶君はさ、やっぱり覚えて無いの?……」
凛さんの態度から真剣な話だとは察して聞く体制を作っていたが、予想外の言葉に…というより何のことか分からないことを言われて言葉を返すことが出来なかった。
「夏屶君はさ………」
凛さんが丁度何か言おうとした時に勢いよくドアをノックする音が響いた。
『た、谷口様!第一、第二部隊が敵によって分断され、第二部隊が孤立状態との報告が!至急救援に向かってください!』
「…っ!くそ、夏屶君行くよ!」
報告を受けた凛さんは珍しく焦って、落ち着かない様子だった。
「凛さん直属部隊なら簡単には負けないんじゃないんですか?」
「違うの。僕の部隊は主に治療を担当してる部隊で、戦闘は他と比べて劣るんだ」
なるほど…
凛さんは救護チームってわけだ。
「わかりました。行きましょう!」
おれはついさっきなったばかりでも凛さんの部隊の一人だ。
仲間を助けに行かない理由などない。
「ありがとう。あと、敬語は止めよ?僕たち同い年だしさ♪」
えっ!…同い年!?
人は見た目じゃないな……
そうしておれと凛さんは急いで部屋を出て、味方が救援を待つ戦場へと駆け出した。
そう…“おれの”部屋を出て……
さっき報告しに来た人が凛さんがおれの部屋に居るのは当たり前のようだったことはあえて気にしないことにしよう……
夏「凛さんって何歳?」
凛「か弱い乙女に年齢を聞くか?聞いちゃうのか?」
夏「(か弱いのか?)あ…いや、答えたくないならいいけど」
凛「17だよ♪」
夏「……(即答かよ!しかもそうは見えない)」
凛「あっ!何その目は。こんな素敵な乙女をそんな目で見るとは趣味が悪いよ〜。そりゃあこんなに素敵な乙女は珍しいかもしれないけどさぁ♪」
夏「ははは…(まず何をつっこめばいいのか…)」
凛「か・な・た・君♪摘むよ?」
夏「いや、いいです…てか目が怖いです…」
凛「え〜、つまんない」
夏「……(楽しむな!)てか凛さんは誰かに言って外に出かけてる?」
凛「ううん、一々そんなことしないよ♪」
夏(なら何故あの報告はおれの部屋でされたんだ…)




