第22話 薬草採取は波乱の予感?
(つд⊂)ゴシゴシ(;゜Д゜) …!?
100カウント!?
ありがとうございます。
翌朝。
雨が上がると同時に、私たちは森へ向けて歩き出した。
今日の依頼は「薬草採取」。
(……もっと、のんびりした仕事だと思ってたんだけど)
森の中は湿った土の匂いが濃く、草木の葉には雨粒がまだ残っていた。
足元はぬかるんでいて、歩くだけで靴が重い。
「おい、ねーちゃん。そっちの茂みも漁っとけ」
「はいはい……って、これカビてるじゃん! 袋に入れたら他の薬草も台無しになるよ!」
思わず声を上げると、仲間のひとりが「へぇ」と面白そうに笑った。
「詳しいな。ほんとにただの素人か?」
(うん。……ただの素人。経験値二周目なだけです)
もちろん心の声だ。
私は乾いた笑顔でごまかした。
「いやぁ、なんとなく……です」
こういう時、妙に知識が口から出そうになるのが怖い。
しゃがみ込んで薬草を仕分けていると、不意に足元で「ずるっ」と嫌な感触が走った。
「ひゃっ!?」
転びそうになって慌てて踏ん張り、足元を見る。
――どろりとした粘液に覆われた小さなスライムがいた。
しかも、薬草ごと袋に吸い込もうとしている。
「ちょ、待って! それ今日の成果でしょ!?」
私は反射的に袋を引っ張った。
スライムも負けじとぷるぷる震えながら引っ張る。
引っ張り合い。
ぬるぬる。
滑る。
泥が跳ねる。
(やだ! 気持ち悪い! でも取られるのはもっと嫌!)
冒険者たちは口をあんぐり開けて見ていたが、次の瞬間、腹を抱えて笑い出した。
「お前……薬草よりスライムと格闘してんのかよ!」
「ははっ、泥まみれの方が農村娘っぽいじゃねーか!」
「うっさい! 笑ってないで助けてよ!?」
誰も助けない。
ひどい。
結局、私は手近にあった薬草の根っこをスライムに押し付けた。
するとスライムは満足したのか、ぷるぷる震えながら森の奥へ去っていった。
「……なに、それでいいの?」
仲間が呆れた声を出す。
(いや、私も分からないよ!?)
助かったのは、むしろ私の方だった。
泥を払って立ち上がると、冒険者のひとりがじっと私を見て言った。
「……ねーちゃん、なんでそんな咄嗟の対処に慣れてんだ?」
「偶然! 偶然だよ! たまたま!」
私は必死に笑ってごまかす。
内心、冷や汗はダラダラだった。
でも、冒険者たちの間にまた妙な空気が流れ始める。
「怪しいな……」
「昨日の焚き火の話、やっぱ当たってんじゃねえか?」
「スパイか聖女か……いや、もしかしてその両方だったりしてな」
「両方って何!? そんな二刀流ある!?」
必死に否定する私をよそに、冒険者たちはまた勝手に盛り上がっていく。
(……ああもう)
(普通の依頼を、普通にこなしたいだけなんだけどなぁ……)
私は遠い目をしながら、濡れた森の奥を見つめた。
嫌な予感しかしない。
この連休皆様いかがお過ごしですか?
私はヒキコモッテマス…
まだまだ寒い日もあるのでお身体ご自愛くださいね。
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※後書きなんどか記載してるんですが、なぜか反映されず…今回は無事登録できるかしら。




