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第17話 角ウサギとの初戦闘!?

 目の前に立ちはだかる魔物――角ウサギ。


 普通のウサギの二倍くらいの大きさで、額には鋭い角が一本生えている。

 目は赤く光り、鼻息も荒い。


(いや待って。これ絶対かわいい枠じゃない)


「え、えっと……私、ウサギ鍋の相手をするつもりじゃなかったんだけど!?」


 そんな私の言葉なんて当然通じるはずもなく。


 角ウサギは、ぴょん、と地面を蹴った。


 次の瞬間。


 すさまじい勢いで突進してくる。


「うわわわっ!?」


 私は咄嗟に横へ飛んだ。


 ――ズガンッ!


 振り返ると、さっきまで自分が立っていた場所の地面に角が突き刺さっている。

 土が跳ね、石が砕けた。


(やばっ……当たったら絶対アウト……!)


 心臓が跳ねる。

 足が震えそうになるのを、必死で堪えた。


 私は短剣を握り直し、深呼吸する。


(落ち着け、私。こういう突進系は……剣道の突きと同じ)


 角ウサギが角を引き抜き、こちらを睨む。

 そして再び、突進してきた。


「来たっ!」


 私は横にステップしながら、短剣を振り抜いた。


「やあぁっ!」


 ――ガキン!


 角と刃がぶつかり、腕に衝撃が走る。


「っ……!」


 竹刀とは違う。

 鉄の重みと硬さが、手首にズンと響く。


(うわ、無理! これ、腕もげる!)


 でも、怯んだら終わりだ。


「……でも、いける!」


 私は歯を食いしばって踏ん張った。


 三度目の突進。


 角が迫った瞬間、私は思い切って収納袋に手を伸ばした。


(頼む……出てくれ!)


「はいっ、どーんっ!」


 ――ぽいっ。


 飛び出したのは、昨日抜いた雑草を詰め込んだ袋だった。


 それが見事に角ウサギの顔面に直撃する。


「ぶもっ!?」


 角ウサギがひるみ、動きが止まった。


(今だ!)


 私はその隙に短剣を突き出した。


 角ウサギは短く呻き声を上げ、その場に崩れ落ちた。


 ……動かない。


「はぁ……はぁ……」


 息が苦しい。

 全身が熱くて、心臓の音が耳の奥でうるさい。


「……勝った? 私、勝ったんだよね?」


 恐る恐る近づき、倒れた角ウサギをつついてみる。


 反応なし。


「……よし!」


 私は小さくガッツポーズをした。


 依頼の荷物も無事。怪我もない。

 ――生きてる。


(雑草、役に立つじゃん……!)


 まさか異世界初戦闘の勝因が雑草袋とは思わなかったけど。


 私は角ウサギを回収し、改めて隣村へ向かって歩き出した。


 冒険者としての一歩は、思ったより泥臭い。


 でも――悪くない。

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