民主主義と選挙
今日も私達2人はいつものスイートルームにいた。
「最近、私にもこの国のやばい面が見えてきましたよ。このままではこの国の国民の労働意欲は無くなる一方ではないでしょうか?」
「何かあったのか?」
「この前この国の労働者たちと話をする機会があったのですが、彼らはもう限界ですね。」
「詳しく話してもらってもいいかな?」
「彼らはもう働きたくないというんですよ。」
「うん。」
「早く年を取って年金をもらいたいって言うんですよ。まだみんな40~50歳ですよ。早く年を取りたいなんて異常じゃないですか?」
「仕方ないんじゃないか。彼らには自由になるお金なんてほとんどないんだから。やつらはこの国の奴隷だからな。20歳で世の中に出てからは働き続けるしかないんだよ。やっと自由になれるのは65歳を過ぎてからだ。早く年金が貰いたいっていうのは本音だろう。」
「はい。彼らは本当にそんな風に思っているようです。」
「問題は色々ある。低賃金、高い税金、持ち家政策によって背負わされる住宅ローン。まあ、人間らしい人生を送るなんてこの国では無理なんだよ。今、この国の勝ち組は年金受給者といっていいだろうな。景気の良い時代に働いて、景気が悪くなったら年を取って年金生活だ。」
「しかし、早く年を取って年金をもらいたいなんて、この国には未来がありませんよ。」
「彼らは今の世の中を不公平だと感じているんだろうな。しかし、彼らにも責任はあるぞ。この国の人間は民主主義というものをを全く理解していない。やはり与えられた民主主義ではダメだったんだよ。」
中略
「それは?」
「まだ話すのはやめておく。本当に最後の最後の策だからな。」
「何か怖いですね。」
「この選挙改革で国民が目を覚ましてくれればいいんだがな。」
「・・・・。」
つづく