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後編

   

 悪徳露天商の一件が、私の記憶の中でも風化した頃。

 大学の友人から頼まれて――「女子の人数が足りないの!」と言われて――、柄にもなく合コンに参加したのだが……。その自己紹介の場で、目の前に座った男が、驚くべきセリフを言い(はな)った。

「うん、時々言われるよ。グループKのタカシに似ている、って」

 私は目を丸くしそうになるが、グッと我慢。平静を取り繕いながら、まじまじと彼の顔を観察する。

 瞳と髪型、顔の輪郭には、確かに少しだけ、タカシくんの雰囲気が漂っていた。でも鼻や口は、パーツも配置も、タカシくんとは似ても似つかない!

 この程度で「似ている」と自負するのも、それを武器にして女性を口説こうとするのも、タカシくんに対する冒涜だった。

 存在そのものが許されない大罪人であり、これまで始末してきた者たち以上の抹殺対象だ。


「もしかして、優子も彼のこと狙ってる?」

 私の熱い視線に気づいたらしく、友人が揶揄(からか)いの言葉をかけてきた。

 一瞬ドキッとするが、彼女はヘラヘラした笑顔を浮かべている。私のような真剣さは見られないから、別の意味の『狙ってる』に過ぎないのだろう。




(「私の推し活は本物志向」完)

   

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