表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/3

中編

   

 公園のトイレで中年男性の刺殺死体が発見された……。

 そんな記事が新聞の片隅に掲載されたのは、一週間くらい後の出来事だった。

 名前や年齢なども記されているが、それは私には関係ないことだ。新聞記事によると、暴力団の下部組織と繋がっていた人物であり、それに絡んだ揉め事という線で、警察は捜査しているらしい。

 なるほど、露天商なんてテキヤみたいなものであり、テキヤといえばヤクザのしのぎなのだろう。

 いや、世の中には善良な出店(でみせ)もあるはずだから、そう言い切ったら他の露天商に失礼かもしれない。でも少なくとも、あの男は悪い露天商だった。なにしろ、タカシくんの偽グッズを売っていたのだから!

「偽物を作って売るなんて……。言語道断だわ!」

 改めて怒りが湧いてきて、私は思わず叫んでしまう。

 あの男は、最期の瞬間まで「俺が何か悪い事をしたか?」という顔をしていた。本当に許せない男だった。

 でも、全ては終わった出来事だ。私はあの店の客ですらないのだから、事件と私を結びつけるような証拠は、一切出てこないはず。

 過ぎたことは忘れて、これからも私は、私なりの推し活を続けていこう。偽物は許さない、絶対に駆逐してやる、というスタンスの、本物志向の推し活を。

   

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ