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第六章 全国ネット! 初めての漫才!! (16)
宴会を始めて三時間。
未成年の美歌としのぶは酔わないがビールや日本酒やとアルコールを飲んでいる静香とくるみと角田と桜井、そして後から加わった内村は完全に酔い潰れていた。
相沢も飲んでいたが、どうやら明日に控えて程々にしていたようだ。
「篠原先輩、明日の漫才、絶対にウケてみせますよ」
少し虚ろな目で言うた。
「本当かな」
「本当ですよ。結局、台本なんか出来なかったけどぶっつけ本番でやれますから」
相沢は揺れている頭で意識も朦朧としているだろうが、しっかりと言葉に出して喋っていた。
「そっか」
やっぱり出来てなかったか。
相沢に聞こえない程度に呟いた。
「え?」
相沢は瑠伊を見たが、
「ううん、なんでもない。明日、ウケてくれればいいね」
「そうですね」
相沢も頷き、そのまま瑠伊の膝元に倒れて寝てしまった。
静かな寝息を立てる相沢を見て瑠伊は笑った。
それを見ていたしのぶは、
「明日は見に行きますよ」
と言いつつ、美歌と二人で真っ赤にしていた。
理由は簡単である。
瑠伊と相沢の格好である。
『まるで恋人みたい』
思春期の二人には刺激的だった。




