第五章 現役女子高生、マスコミ登場!? ⑹
絶句という言葉が、面白い程にピタリと当てはまっていた。
「嘘」
「マジ!?」
二人が口を開いた、正直な感想である。
そりゃあ、そうだろう。
そのページの写真に写っている二人は、この二人も良く知っている二人なのである。
二人は食い入るかのように見ていた。
「あらあら、まあまあ」
カウンター越しから、こんなのんびりとした声が聞こえる。
身だしなみは絵に描いたようなコックの服装だが、のほほ〜んとした緩んだ顔付までは誰も真似が出来ない。
「中学生がそんな週刊誌読むものじゃないのよ」
二人に熱いホットコーヒーを差し出した。
ついでにチョコレートケーキも置く。
何故かケーキは三つ。
「何に真剣になっているのかしら」
そのコックも二人の後から覗いてみた。
「あらあら。これは一大事ね〜」
座っている二人と違って、大袈裟に驚かなかった。
「ついに叶ったのね、相沢君」
先程、美歌が座っていたポジションに座るとケーキを食べる。
こうした行動に二人はまだ気付かない。
「篠原さんが来てから自分を芸能事務所に売り込んでまでコンビを組みたかったんですものね。そこの社長さんとも上手く馬があったみたいね」
何故か知っている情報を喋ってしまった。
そこで二人とコックを遮っていた週間雑誌が取り除かれた。
「「なんで知ってるんですか?」」
仲良く同時に二人はコックに言った。
コックはクスクスと笑っていた。
そして間が空いた。
沈黙という閉ざされた間だ。
「何か喋ってくださいよ、佐伯さん」
「御免なさいね。相沢君、角田さんから事務所のこと色々と聞いていたから、もしかしたらと思ったのよ」
美歌に言われてようやく口が開いた。
そう、こののんびりとしたコックは佐伯くるみであった。
くるみはこのケーキ屋でケーキを作っていたのだ。
当然、アルバイトだ。
カウンターでは、「ゴホン!」と本物のコックが咳するがくるみには無駄である。
「でも、よく瑠伊センパイが納得しましたよね」
しのぶも無視してまだ信じられない顔付きで話す。
「それは違うわ、しのぶちゃん」
「え!?何故です、くるみさん」
ワンテンポ、間が開く。
「おそらく、そこの社長さんが勝手にしたことよね」
さらりと言い切る。
文字通りそれは見事に当たっていたりする。
「はは〜ん、どーりで。事務所で一悶着が起こってたわね、絶対」
美歌も納得した顔付きで頷いた。
「一悶着!?」
首を傾げる、しのぶ。
彼女が理解できるまで後五年はかかる大人のレベルの会話である。




