第五章 現役女子高生、マスコミ登場!? ⑷
「ふ〜ん。やっぱり黒幕はパパか」
「瑠伊。そんな汚い汚物を見るような目でパパを見ないでくれ」
「見てしまうわよっ!!」
ドバアァァァン!!!
瑠伊の一喝が部屋に留まらずビル全体を震撼させた。
気象庁の地震観測装置にも、しっかりと観測された程の立派な揺れであった。
その震源の中心である瑠伊は、
「ナナちゃん、行くよ!」
「は、はいっ!!」
顔を真っ青にしている男三人を完全に無視して、これまた顔を真っ青にしていた奈々子も見ずに部屋から出ていった。
とっさに返事をしてしまった奈々子も慌てふためく格好で瑠伊の後に続いた。
ピロピロピロ、ピロピロ〜。
おそらく百年経っても愉快にさせてくれるリズムのドリフターズの髭ダンスのメロディーが流れた。
「はい、角田です」
角田の携帯電話の着信音である。
略して着メロ。
こんな場では明らかに場違いな、着メロだけに相沢と一太郎も瑠伊の呪縛が解かれたかのように吹き出してしまうが角田には自由が無かった。
かかってきたのは、明瞭な人でなくても分かる。
美歌なのだ。
角田は電話片手に部屋を自然な形で出れたが美歌のクレームに一時間は聞いていたらしい。
部屋に残された相沢と一太郎は改めてある物を見た。
今は無残な木の残骸になっているが、ほんの数分前までは歴とした高級な机であった。
お値打ち価格も時価数百万は下らない代物で怪力なレスラーでさえも完全に破壊するには難しい机であった。
「瑠伊... ...」
一太郎の目に涙が浮かばれた。
「今の気持ち僕にも分かります」
相沢は「ご愁傷さま」と呟いた。
そして、そのまま部屋を出た。
一分後。
「この机... ...、物凄く高かったんだぞぉーぅ!!」
一太郎は泣き崩れた。
一昔で言えばバナナの涙。
実にお馬鹿さんであった。




