表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
これが私の生きる道?!  作者: 今井 純志
20/83

第二章 ようこそ! ユメノ荘へ (12)

 只今の時刻は六時三十分。

 夏といえどすっかり日が落ちている。

 蝉がうるさく鳴いているだけだ。

 それでも暑さを感じていないような人がいるとしたら、おそらく、この人の事を言うのだろう。

 慣れた手つきでじゃが芋の皮を剥ぎ、棒状に切り、またしてもフライパンを取り出して熱している。

 だが、その顔は退屈そうであった。

 はぁ〜と、息を吐いたところで気が紛れることはないが、

「そろそろ来てもいいですよね」

 何かしないといられない心境にさらされているようだ。

「あ、くるみさん。まだ、夕御飯作っていたんですか?」

 タイミング良くしのぶがくるみの前に姿を現した。

くるみがのんびりと「勉強してたの」とか聞けば、「ええ」とすんなりと返事を返す、ごく当たり前の会話である。

 しのぶはどうやら暇そうだと、くるみは正面に感じ取れた。

 だから、こんな指示が言えた。

「しのぶちゃん。ちょうど良かったわ。このお鍋にお湯を沸かしてくれない!?」

「は、はい」

 この程度の会話で五分経過。

「沸いたら、ほんの少しだけお塩を入れて火を小さくしてね」

「はい、くるみさん」

 更にこの会話で五分が過ぎた。

 別にしのぶが遅いわけでもない。

 しのぶの行動も遅くはなく反対に迅速に動いている。

 一方的に遅いのは、くるみの言動である。

 そのくるみに合わせてしのぶは動いていただけであった。

 ついでにくるみは聞いた。

 しばらく考え込んでから。

「あのぉ、くるみさん!?」

「そう、そう。奈々子ちゃんから電話あったかしら?」

「ないですよ。それより、お鍋、沸いてるんですけど」

 しのぶがそう言えば、また考え込む。

 その間に、

「いい匂いですね。しのぶちゃん、お手伝いかい!?」

 いかにものんびりとした声が舞い込んだ。

「え、は、はい。内村さん」

 驚いていた。

 後には奈々子ともう一人の女の人、つまり瑠伊が立っていたからだ。

 奈々子に親しく話している様子を伺えば百パーセント、深く考えなくても親しい仲である事は理解できる。

 しのぶも十分、理解できた。

 しかし、この組合せは理解が出来なかったらしい。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ