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白いツバサ

古びた人形店と店番の少女マリー

作者: リィズ・ブランディシュカ



 古びた人形や新しい人形。

 子供の人形や老人の人形。

 勇者の人形や魔法使いの人形。


 そこは様々な人形を売っている、人形のお店です。

 中にいるのは、腰の重いのんびりやの店長さんと、綺麗な金髪の努力家少女マリー。


 けれどマリーには友達がいないため、一日中さびしく店番をしていました。


 お店はの見た目がさびれていて、しかも分かりにくいところにあるために、めったに人が来ないのです。


 けれど、ずっとではありません。

 たまにお客さんが来てくれると、マリーははりきって接客をします。


 にこにこ、はきはき。

 笑顔を振りまきながら、覚えたての言葉で一生懸命にお人形の説明をしていきます。


 そんなマリーの努力のおかげか、やってくるお客さんもにこにこ。


 最後には気分良くお金をだして、お人形を買っていってくれます。


 でも、その後店の中はしーん。


 マリーはいつも、お客さんが帰った後の静かなお店の中が苦手でした。


 人がやってきては帰り、またやってきては帰る。


 そんな日々を繰り返したマリーは、ある日気が付きました。


 お客さんが帰るのが嫌なら、ずっと帰さなければいいのだと。


 新しいお客さんがやってきた時、マリーはにこりと笑って出迎えます。


 人形達も、にこりと笑って出迎えます。


 そして、にこにこ、はきはき。


 お客さんはマリーの丁寧な接客に感激して、マリーともっと仲良くなりたいと言いました。


 だから、最後にお店の扉を閉じて、目をかくして、動けなくさせればもう大丈夫。


 ほらお店の中にある人形とお揃いです。


 ちょっと変わった人形だけれど、こうして並べておけばもうどこにも行きませんね。


 お客さんは、けっしてこのお店の中からは出られません。



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