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6話

 卯月は耐えきれなくなり、目を潤ませながら浴室から飛び出した。

 廊下に出て、開けっぱなしのその部屋から距離をとり、大きく数度深呼吸し外の空気を肺に取り込む。

 この屋敷の臭いも決して良いものではないが、あの浴室の臭いに比べれば幾分マシだった。

 

「もう、最悪……何だったのあの液体……」


 自身の服をクンクンと嗅いで、臭いが移っていないか確かめるが、まだ鼻の奥にあの臭いがこびり付いている気がして自分では判断できそうになかった。


 ダメだ、でも誰かに……オタに確認してもらうとかあり得ないし……


「……

 早く終わらせて、宇喜多さんに会う前に着替えよう……」


 フゥッとため息を吐いて先ほど拾った免許証に視線を落とす。


(さてと貴重な情報源……)


 大方、ここに肝試しに来た人の落とし物だろうが、現状、得られている情報が少ない上、苦労して取得したものだ。無視はできない。

 卯月は、書かれている免許証番号を確認し、そっと耳元の端末を起動させた。

 端末の独特な起動音が鳴り、卯月は自身の仕事に集中する。


 右手に持ったスマートフォンと端末とを無線LANで接続。

 その瞬間から、なんの変哲も無いスマートフォンが高性能PCに変貌する。とはいえ、そこに表示される情報量は玄人向けだが。


 情報収集なら卯月の独壇場であった。


 視界に表示されたスマートフォンのホーム画面から、卯月自身が作業の効率化のために開発した専用ツールを起動し、ネットワークから欲しい情報をサルベージする。そこから、免許証番号から特定した個人の情報を抜き取り、所有者のSNSアカウントを特定。


(名前は……ん、コピペ。

 えっと大学生ね、■■大学。

 SNSは各所にアカウントがあるみたいけど……最近主流で、情報量が多そうなのはこの辺りか……)


 さてと、どんな情報が出てくるのか……

卯月は口元を緩ませながら、複数の箇所に同時にアクセスし、スイスイと情報を取得、閲覧していく。

 しかし、残念ながら卯月の見つけたSNSアカウントは、どれも一ヶ月ほど前に行った投稿を最後にログインすらされていなかった。


(はずれ、か……?

いや、当たりだ……!)


 決して更新頻度が低いわけではなく、むしろ一日に複数回も投稿されていたものが、パタリと途絶えていることに気付く。

 卯月は緩めていた口角を引き締め、最新の、最後の投稿内容を読み返す。


『明日は友達と一緒に■■山にいってきます!!!

 場所はナイショだけど、この前通りかかったときにとっても怖そうな廃墟見つけたからソコの写真沢山とれたら良いなぁ〜』


 卯月はログを粗方読み返し、情報を整理していく。


 どうやら、この女性はいわゆる廃墟マニアであり、いろいろな場所の廃墟に無断侵入していたようだ。それを裏付ける画像も沢山出てきたので間違い無いだろう。

 また、ここ一ヶ月大学に出席していないという情報も明らかになり、情報を追っていくと行方不明者届けが出ていることも分かった。


 そして、彼女が姿を晦ます前、SNS上で行くと投稿した■■山とはこの屋敷付近である。


「やっぱりここに来てる……

 しかも丁度その頃に行方不明……それに友達って、後何人がここに来てるのよ」


 卯月は忙しく動かしていた指先をピタリと止めて目を伏せる。

 いくつかパターンは考えられる。


 まず、この女性かその友達が能力者である可能性。

 これはあり得ない話では無い。

 ここに来て、なにかの切っ掛けで……、例えば例の化け物に接触したショック等で能力暴走の状態になったりして、人前に姿を表すことができないのかもしれない……

 しかし、これはあくまで希望的観測だ。


 次に、この屋敷に人を監禁か殺害した能力者がいる場合。

 この場合、先ほどのパターンとは比べ物にならないくらい危険度が増す。

 もし本当にそうだとすれば、能力者同士の殺し合いに発展する可能性も……


 そこまで考え、卯月はあの未来視を思い出し吐き気を催した。

 口をハンカチで抑えグッと堪える。


「大丈夫。冷静になれ、私」


 卯月はもう一度深呼吸をし、左側にあるもう一つの部屋の前に移動した。

 その部屋は先ほどの浴室とは違い、頑丈そうなドアがピッタリと閉まっている。

 情報ではこの部屋は書斎となっていたはずだ。

 卯月は意を決したように迷わず、扉のドアノブに手をかけた。


「あ、れ……?」


 しかし、ドアノブは動かず少し傾いたところで止まり、ドアも微動だにしない。

 卯月がドアノブに視線を落とすとノブには小さな鍵穴があった。

 まさかと思いつつ、試しにドアノブをガチャガチャと回してみたり、力強くドアを押したり引いたり、もしかしてと呟きながら横や上にスライドしないか試してみたりもしたが、どれをどうしてもこのドアは開きそうにない。


「え、うそ、鍵がかかってる…?

 こんないつから使われてないか分からない廃墟に、こんなにしっかり……?」


 隣の開け放たれた浴室の戸に目をやる。

 あれが、廃墟として自然な姿だろう。

 まして木造だ。先程の一般人のような粗野な人たちの出入りもあるのだから、壊されていてもおかしくないはずだ。

 ……そう、壊せば入れるはず。

 卯月は肩を落としながら顎に指を付け考える。

 

「書斎……、良い情報源になりそうだもんなぁ……

 ……無理やり開けるにも私だけじゃ、無理か」


(オタを頼るのは嫌だけど、このドアを開けるのくらいはやってもらってもいいかも。適材適所って大事。

 それに、あっちが化け物に遭遇して戦闘になったら危ないし、あいつにまともな対応ができるとは思えない。

 はぁ……仕方ない、そろそろオタと合流する、か。)


 卯月は虹羽と合流することを決め、右側の廊下へと足を向けた。


ガタッ……


「!?」


 なにかの音がした。

 卯月は驚きビクッと身体を強張らせ、書斎から感じたその音に弾かれたように警棒を袖から引き抜き、振り返る。

 戦闘体勢のままじっとそのドアを睨み付けるが、不気味な静寂だけが続き、自分の心臓の鼓動がやけにうるさく感じた。

 しばらく動きがないことを確認し神経を尖らせつつ、ドアまで近づきそっと右耳を押し当てる、ひんやりするドアの感触が頰に伝う、だが書斎内部からは何も聞こえてこない。


 もし、もしこの奥に何か生物がいるのなら、息遣いの一つ聞こえて来るだろう。

 それに……と、卯月は瞼を閉じた。


(未来視で私を襲った化け物……とてもじゃないが理性のようなものは感じなかった。

 あんなものが身動きひとつせず息を潜めて部屋に鍵を掛けて待っている……?

 キャストが演じるお化け屋敷でもあるまいし、あり得ない。

 ドアを弄った衝撃で室内の物が落ちたんだろう)


 言い聞かせるように思考を走らせ、ドキドキとうるさい鼓動を抑えつけるように胸に手を当てて深呼吸をする。


(……あの未来視のせいか、敏感になりすぎてる……。

 大丈夫、私はあの化け物を視た、もう不意を突かれることはない。今度こそ、大丈夫。

 宇喜多さんとの修行を思い出せ……、失敗は許されない……)


 卯月はドアから耳を離し、今度こそ右側の廊下へと向かった。


◆◆◆


 卯月が右側一番手前の部屋に差し掛かったとき、丁度虹羽が奥の部屋から出て来た。

 虹羽は卯月に気づくと右手を大きく振る。


「卯月殿ぉ、拙者心配したんですぞぉ?

 あんな二手に別れて行動するとか死亡フラグおっ建てるんですからなー

 これがフィクションの世界なら今頃卯月どのは〜……あ、ちょ、たんま。怖い顔は無しの方向で頼むでそうろう!!」


 卯月は虹羽の呑気な口調に怒りそうになったが、もう何度目かのこともあって、口からは言葉ではなく諦めの溜息が漏れた。


「ねぇ、本当になんでそんなに緊張感がないの?

 戦闘向きの能力だから大丈夫だとでも?」

「ははは……拙者、実はホラーゲームとか苦手でして。

 こうやって馬鹿やってないと結構ビビってしまいそうなのですぞー

 それに、ですな……戦闘向きと言われましても拙者見ての通りの只のデブであるからして」


 そういう虹羽の口調はやはり何処か戯けており、どうにも危機感というか真面目さを感じられない。その態度が余計に卯月を苛立たせる。


(こいつ……そんな戦闘向きの能力を持っていて何を言ってるの?

 敵と対峙しても十分に渡り合えるだろうに、本当になんでこんなのが実働にいるの。

 それに仕事をなんだと思って……)


 卯月は一瞬目を見開き頭を左右に振る。


(今はオタの仕事に対するスタンスなんてどうでもいい。

 結果が、結果さえ出ればいいんだから。

 それにしても……もし、いま虹羽が言ったことが本心だとして、やはりなんで実働に席を置いているのだろうか?)


 卯月の脳裏に疑問が浮かぶ。

 行きの車ではお金の為に働いてるって言っていたけども……

 卯月は虹羽の方をじっと見た。

 虹羽はそんな卯月の視線に気づき、自身のその豊満なバストを両手で覆い隠す。

 そしてほんのり頰を赤く染めた。


「きゃあーー、卯月殿のエッチィ!!!

 拙者の身体が魅力的だからってそんなに見つめられるとぉ……あ、ガチで冷たい視線は拙者耐えれないのでギブギブ」


 卯月は、もう何も言わないしコイツのことなど心配しないと心に誓い、手前側の部屋のドアを指差した。


「ここ。調べたんでしょ?

 情報共有。簡潔に的確にね」

「ら、らじゃーー!!」


 虹羽はテクテクと卯月に近づくとお尻のポケットから何かを……ペチャンコになった手帳を取り出し、ページを捲り始める。

その間に、卯月は近づかれた分だけそれとなく距離を空け、最低限のパーソナルスペースを確保してから、その様子を観察する。

 虹羽の手帳はアニメキャラ……物理で敵を倒す系の変身ヒロイン……が描かれた女児向けのもののようであった。しかし、子供が持つと可愛らしいだろうその手帳は、虹羽の体重に押しつぶされ哀愁を漂わせている。

 卯月の交友関係は狭く、自分は一般的な価値観とはズレていることは自覚しているが、ただこういった物を普段使いに愛用する男性が少数派であることは知っていた。


「……TPOって言葉知ってる?」

「んん?なにかオカシイですかな?

あと、トッポがどうかしましたかな?」

「あぁ、知ってて無視してるのは分かった。

 もう良いから続けて。」


 虹羽が残念そうに肩をすくめ、まだ何か言いたそうな顔をしたため、卯月は彼が持つ手帳を奪い取った。

 そしてパラパラとめくり内容を確認する。

 虹羽はあっけに取られつつも、卯月の背後から手帳をライトで照らす。


 手帳には、意外にも几帳面かつ綺麗な文字で事細かに部屋の様子が記載され、簡単な間取り図が描かれていた。

 卯月はつい手帳を捲る手を止め虹羽を二度見する

 

「え、なに、なんでこういうとこだけ豆なの」

「辛辣ですなぁー

 手帳にメモなんてのは社会人の基本ですぞぉ。

 まぁ、拙者はまだ社会人じゃないんだけどね!!」


 ドヤ顔するその表情がどうにも気に食わず、卯月はムスっとした表情を浮かべ手帳へと視線を戻す。

 虹羽が何やら『ツンドラですかな?』とか言った気がしたが気にしない。


 手前の部屋……つまり、先ほど卯月が指差した部屋はどうやら寝室として使われていたようだ。

 部屋には大きなツインのベッドがあり、その横には錆びた”点滴のアレ”があったらしい。部屋内には他に、壁と一体型となったクローゼットやタンス等あったが、虹羽が一見して何もなかったと書かれている。

 卯月は気になったところを指で示し虹羽に問いかける。


「ねぇ、この”点滴のアレ”って何、"アレ"って……」


 卯月の問いに虹羽は唸りながらも答える。


「う”う、分かりやすくと申されましてもなぁー

 それ以外の表現がですな……あ、ほら、点滴のアレをぶら下げるやつでゴザルよ!!」

「アレやソレで分かったら苦労しないの!バカなの?

 あー、えっと……ぶら下げるやつ……点滴スタンド、で、あってる?」


 卯月は虹羽にバレないように端末を操作し正式名称を答える。

 虹羽は『ほへー、そんな名前だったのですかな? まんまですなぁー、それにしても卯月殿は博識ですな』と感嘆の声をあげた。

 卯月はそんな虹羽の様子を見て少し得意げに胸を張った。


「ということは、それを使っていた病人がこの屋敷に住んでいたってことよね、もしかしたら夜野幸造がそうだったのかもしれないし……

 オタ、誰が病人だったか分かりそうな物なかったの?」


 虹羽は少し考える素ぶりを見せ、数秒後、ブンブンと首を振った。


「いやぁ全く。そう言ったブツは転がってませんでしたなぁー」

「……まぁ、そうよね、あったら書いてるか……」

「面目ねぇですな」


 虹羽の答えに卯月は少し考える。

 点滴棒……そんなものを肝試しに来た一般人が持ち込むことは考えにくい、つまり、やはりこの屋敷の住人が病人だったと考えるのが妥当だろう。

 つまり、夜野が病人なのか?……情報が足りない現段階で考え込むのは無為か。

 

 卯月は手帳のページをめくり奥の部屋の記述を見る。

 そしてその時ストっと床に何かが落ち、卯月は条件反射的にそれを拾い上げた。


「これ、なに?」


 卯月が拾ったものを見ながら呟く。

 卯月が拾ったものは折りたたまれた画用紙だった。

 元々のサイズはA4程だろうか、表面は劣化からか黄ばんでおり、手触りもザラザラとしている。

 虹羽はポリポリと頰を掻いた。


「あー、それはですなぁ。奥の子供部屋にあったものなのですぞ。

 どうやら子供描いた絵のようでしてなぁ

 壁にいくつか張ってあってですな、その中で一枚剥がれていたので拝借して来た次第ですな」

「子供部屋ね……」


 卯月が破かないようにゆっくりと開くと、少なめの色数のクレヨンで大小のある四人の人を描いた、こどもらしい絵だった。

 描かれた面は既にかなり劣化してしまっていたが、原型を察することはできた。


 一人目は、髪が黒色、顔を肌色のクレヨンを使って書かれていて、全体的にみて小柄だ。子供なのだろうか?

 二人目は、同じく髪が黒色で、顔を肌色のクレヨンで描かれている。一番大きく描かれており、特徴はこの人物だけ左目を大きな黒丸で描かれている。

 三人目は、髪に黄色のクレヨンが使われており、他の人物より幾らか肌色のクレヨンが薄い。二人目の人物と寄り添うようにして描かれている。

 四人目は、三人目と同じく髪色が黄色で、顔の輪郭のみ肌色のクレヨンで描かれた人物で。黒髪の子供程では無いが小柄に描かれていた。


 そして、その四人全員が笑顔で描かれており、これを描いた子どもの居た環境の良さを感じさせた。


「家族……ですかな? あれ、でも夜野先生は独身貴族だったはず!!

 そんな、そんなバカな、まさかリア充だったなんてっ!!」


 虹羽がなにか喚いているが、卯月は気にせず一人で唸っていた。


(この中に夜野幸造が描かれている可能性は高い。

 こんなことなら、宇喜多さんを問いただしてでも情報を聞き出すべきだった。

 ……あぁ、でも、宇喜多さんあの後すぐ消えちゃったんだっけ……)


 卯月はため息を吐き、画用紙を再び折りたたみ手帳に挟んだ。

 卯月が手帳の記述に目を走らせると、おかしなことに手帳にはこれ以後の記述が無いことに気づいた、これ以外に何もなかったのか?

 卯月は不思議そうに尋ねる。


「……で、子供部屋には他に何かなかったの?」


 虹羽は何事か気まずそうな表情を浮かべた。


「あぁ、あとベットと勉強机がありましたな。

 あーー、まだ調べていないですがなぁー」

「と、言うと?」


 卯月も書斎を調べられていないとはいえ、例の免許書の確保やそれについて調べるのにそれなりに時間を要した。合流までは多少余裕があったはずだ。

 虹羽から提示されたこれだけの情報量で、調べる時間がなかったなどとは言わせない。


「いやぁ、そのぉ……ゴキがですな、出ましてな?」


 卯月は一瞬顔を歪め詰問するように問い直す。

 何を言っているのだコイツは……


「……だ、だから?」

「えっと、だから、そのですな? ゴキが居なくなるまで外で待機を……」

「それっていつ?」

「ゴキの気分次第ですかな?」

「やる気あるの?」

「や、や、やる気と言われましてもゴキですぞ!? 黒い悪魔ですぞっ!?」

「そもそも!これって命が掛かってる仕事の筈なんだけど?

 あぁ、それとも猛毒を持った大ゴキブリだったりしたの?

 それなら仕方ないわ、えぇ、えぇ。能力者の仕業かもしれない、これで解決するかもね?やったぁ」


 痺れを切らした卯月は、捲し立てるように、かつ大袈裟に、そして棒読みで、一気読みで言い放ち、仕上げとばかりに虹羽に冷たい視線を送る。


「……い、今からでも見に言った方がぁ」

「当たり前でしょ?」

「卯月殿ぉ、付いて来て欲しいんですがぁ……」

「はぁ? 二手に別れた意味は?

 て、いうか自分がやって居ない仕事ぐらい自分で……」

「そこをなんとか、そこをなんとか!!

 丁度、丁度合流したんだし、いっそ二人でっ!!」

「絶対ヤダ!! 絶対ヤダ!!」


 卯月は内心のゴキに対する不快感を悟らせないように、虹羽を言い包めるべく言葉を重ねた。


「て、いうか私も汚れ仕事くらいして来んだからっ!!

 オタもゴキぐらいどうにかしなさいよっ」

「汚れ仕事って……なぁにやったんですかなぁ!?

 それ、ゴキより酷いものなんですかなっ!!」

「と、捉え方によってはゴキより酷い!!」


 卯月はあの臭いを思い出さないようにフルフルと浴室の方を指差す。

 その様子を見て虹羽は顔を強張らせた。


「よ、浴室になにかあったのですかな?」

「なにあれ……よくわからないけど、ドロドロ(?)とした液体」


 虹羽は乾いた笑いを浮かべながら。


「あ、あはははは、アレですなネルネルネルネですな?

 きっとアレでゴザルよ、ユーチューバーとかが悪ふざけしたあとなんでゴザルよ」

「残念ながらYouTubeの放送に流すのも憚られるレベルよ、あれ食べてくる? 流したけどまだ淵に残って……」

「ふふふ、残念ながら拙者ネルネルはマスカット味しか受け付けぬゆえ……いざ、尋常にゴキと勝負!!」


 虹羽が子供部屋に入ろうとした瞬間、階段から足音が聞こえた。

 振り向くと丁度下の一般人が階段を登って来た所で、先頭を歩いて居たワタルと卯月の目があった。


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