第8話 やっと、ギルドに登録
星羅は目が覚めたようだ。今日はこの世界に来て二日目。
今は朝の4時。まだみんな起きてないだろうな。ちょっと早く起きすぎたかも。昨日はいくら疲れてたからって9時30分は早すぎたかな。
せっかくだし、外で魔法の練習でもしようかな。
・・・・・・・
何を練習しようかな。というか、僕ってなんの属性を持ってるんだろう。セレン博士が言うには、古代と現代で持ってる属性は変わってくるって言ってたから。僕の場合、20属性のうち何個持ってるかってことになるのかな?
それよりも、僕の常時発動魔法、仮に「詠唱補助」とでもしておこうかな。この魔法は、古代魔法にしか影響しないらしいから、古代魔法は属性をたくさん持ってるといいな。
それに、現代魔法の僕の常時発動魔法ってのもあるのかな。あるのなら何だろう?
とりあえず今は現代魔法の呪文排滓わからないから、「詠唱補助」どんな古代魔法があるか見てみようかな。
いろんな魔法を想像してみよう。
「火の属性の基、目前に向かって火を放て。フロントファイヤー。」
火炎放射器みたいなのを思い浮かべてみたけど、手から火が出てるな。結構火の長さは長いから、広範囲に攻撃できるかもしれない。もしかしたら、魔力のtからとかの調節で大きさや長さを変えられるのかもしれないな。僕にはまだその感覚はよくわからにけど。あ、でもこれだと放射してないところがおろそかになるな。
よし、次にいこう。
「風の属性の基、空気を集め加速せよ。ウィンドカッター。」
わあ、危ない。自分にあたるところだったよ。自分では想像してなかったけど。まさか連射で来るとは思わなかった。外にあったテーブルも一個壊しちゃったよ。怒られちゃう。でもこれはさっきのよりも使えそうな気がする。うまく操れれば、自分の後ろにも同時に発動できるかもしれない。
そうだ、次はあのテーブルを直してみようかな。怒られたくないし。そんな魔法があるのかな?
「無の基、機の無いものに対し時間を戻せ。タイムバックコントロール。」
うわーほんとに直ってしまったよ。よかった。
「あ、星羅さん、おはようございます。」
「ああ、プリム、おはよう。みんなはまだ?」
「もう少しで来ると思いますよ。」
よかったー。僕がテーブルを壊してるところ見られなくて。
「何してたんですか?」
「えーいやー、魔法の練習かな。」
「魔法の練習ですか。そういえば星羅さんは何属性持ってるんですか。今日ギルドに行けばわかりますけど。」
「それを今数えようとしてたんだけどね。古代魔法しかわからないけど、それぞれの属性にどんな魔法があるかよくわからないんだよ。特に闇とか。」
「闇ですか。確か、私が知ってる魔法、つまり現代魔法になりますけど、そこだったら一番闇っぽいものとして、あたりを暗くするものがあったと思いますよ。呪文は忘れてしまいましたけど。」
「それなら大丈夫。ちょっと試してみる。」
「闇の属性の基、近空間の光を吸収せよ。ライトアブゾーブ。」
おお、まるで夜のようになった。
「あの...星羅さん、怖いです。早く解除してください。」
あーそうだった。プリムが暗いの怖いこと忘れてた。
早く解除しないと。
「あ、星羅さんおはようございます。」
「星羅おはよう」
「おはよう。あれ、今って夜?」
フェルトバランの三姉妹が起きてきたみたいだ。で、さっそく僕の魔法の中に入ってしまったようだな。
「アーこれは僕のあたりを暗くする魔法だよ。」
「それだったらプリムを怖がらせられるわね。」
「ちょっと、レリス、何てこというのよ。早く、星羅、解除して。」
「あーそうだな。」
闇魔法は解除されて、あたりは普通の朝みたいになった。時間を確認してみると、今は5時55分みたいだ。
よし、そろそろギルドに行こう。
・・・
「ギルドについたから、さっそく冒険者登録しようか。」
「すみません、この5人でギルドに登録したいんですけど。」
「こちらの5人ですね。承りました。では順番に登録したいと思います。まずはそちらの方から。お名前をお願いします。」
「シエス・フェルバランです。」
「では、そちらの魔法属性測定器具に手をかざしてください。」
あの筒のようなもの何かと思ってたけど、魔法の属性を調べるためのものだったのか。これで9つの宝石のようなものがついてるのも納得がいく。
「えーっとあなたは、水と光を持ってますね。」
「光ね、少し珍しいらしいけど、私も持ってたんだ。」
受付の人が、何やらカードの上に手をかざして、魔法陣のようなものを浮かべていた。
「では、最後にこのカードに触れてください。」
「わかりました。」
「これでこのカードはあなたのものです。偽造もできないように、あなたの情報も登録させてもらいました。また、もしなくした場合、あなたから10ニール以上離れた場合、ギルドに転送されるようになってますので安心してください。」
こんな感じで四人の登録が終わった。みんな喜んでるな。
「これが私のギルドカード。」
「なんかもう冒険者になったみたい。」
「きれいだなー」
「なくさないようにしないと。」
次は僕の番か。
「では最後にそちらの方、お名前を。」
「ヒイラギセイラです。」
「ヒイラギ セイラ さんですか。なかなか面白い名前ですね。」
「いや、ヒイラギ の方が僕の苗字にあたります。」
「そうですか、私は知りませんが、どこか遠くから来たみたいですね。」
「まあ、そんな感じのところですね。」
笑ってごまかしておいた。
そして属性を確かめてみると、なんと、光・闇・雷・命・毒の5族性も持ってて、しかも全部珍しい奴だ。こんなこともあるのか。
「え、これは。目を疑いますね。私もこんな人を見たことないです。」
ギルドの人も驚いているようだった。
「では、最後に触っていただければ登録完了です。」
これでやっと全員の登録が終わった。
そういえば、古代魔法のこと話さないと。
「そういえば、この町のセレン先生から、ここで古代魔法の属性を調べられると聞いたのですけど...」
「古代魔法ですか、それにセレン先生。ちょっと待っててください。すぐに戻ってきます。」
え、ちょっと何。カウンターの人みんな慌ててるんだけど。