表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
転職先は「しょく」の異世界  作者: 華虎シュン
第1章 ここは「しょくの異世界」?
7/17

第7話 ギルドに登録、と思いきや

「キャー。暗いの怖い。」


 プリムが急に叫んできた。


「星羅、助けて。」


 いやー、そーやって抱き着かれてもなあ...

 そういえばさっき暗いの怖いとか言ってたっけ?


「今何時かわかる?」

「あいにく私は時計魔法を持っていないです。」

「私も」

「三人とも持ってない。」

「そっか。じゃあ僕が調べてみるか。」


 時計魔法とか言ってたな。そんなのもあるのか。時計魔法を想像してみるか。


「無の基、時間を指し示せ。タイムグロー。」


 目の前に大きく時計の立体映像のようなものが表れた。

 これは便利だな。全員で見ることができる。


「えーっと、今は8時14分か。確かにもう遅いし、今日を宿に泊まろうか。」

「うん、そうしてくれるとありがたいわ。」


 そんなに暗いのが怖いか。なんか昔あったのだろう。


「三人もそれでいいよね。」

『りょうか―い』


 珍しくここは三人が揃ったな。いや、三つ子ならそれが普通か。


 ・・・・・・


 で、宿についたはいいものの。大事なことを忘れてた。

 ・・・お金を持ってないんだった。

 どうしようかな。


 あ、もう一つ思い出した。あの盗賊たちの魔法を解除してない。

 というか、あいつらを騎士団に差し出したら賞金とかもらえるかもしれない。ちょっと試してみるか。


「無の基、遠方より者をとらえよ。ジェールキャプチャー。」


 これで僕が想像した通りなら、彼らはバリケードのようなものの中に閉じ込められてるだろう。

 そこにこの魔法で、


「無の基、空間の歪曲によって素を移動せよ。ディメンションコネクト。」


 おー。できたようだな。さっきの盗賊を閉じ込めながらここまで持ってこれた。


「なんですかこれは?」

「さっきの盗賊だよ。」

「え、星羅さん何のつもりですか!」

「驚かなくて大丈夫。今みんなお金ないでしょ。だからこいつらを騎士団のところに持って行って賞金をもらって来ようと思っただけだよ。」

「なんだー」

「よかったです。」


 心配しないでよ。僕がそんな悪いことするわけないでしょ。

 そんなこと言ってもあったばかりじゃ無理もないか。


「それじゃあ、四人は少しだけこの宿の中で待ってて。すぐに戻ってくるから。」

「気をつけてくださいね。」

「行ってらっしゃいです。」


 それにしても、これをどうやって持っていくか。

 ちょっと試しに持ってみるか。


 意外と簡単にその大きなもの、盗賊がとらえられているものは浮かんだようだった。


 なんだ、これも結構使えるな。ほとんど重さを感じない。

 あーでもこんな大きいものはやっぱり邪魔だな。


 こんなことを考えながらすぐ近くの騎士団詰め所まで向かった。


「こちらの、えーと確かブロンズレッグでしたっけ。そいつらの三人を捕まえました。この人たちに賞金ってかかってますか?」

「ちょっと待ってください。」


 出入り口の前にいた二人の騎士のうち、一人が中に入っていった。


「これはありがとうございます。賞金がかかっております。最近はこのブロンズレッグというやつらによって私たちも結構困ってました。」

「そうですか。それはよかった。」

「それではこちらが賞金の白金貨6枚です。」


 結構小さな袋に入ってきた。白金貨6枚。いったいどのくらいの価値なのかな。

 とりあえず賞金はもらったのだし、宿の方へ向かおう。




「みんな、戻ったよ。」

「おかえりなさい」

「賞金はもらえましたか。」

「ああ、白金貨6枚だって。」

「白金貨ですって。それも6枚。」

「ここなら白金貨一枚だけでも五人で100日は泊まれますよ。」

「それなら、6枚もらったし、一枚はとりあえず少しの間の宿代として、残りは一枚づつ自由に使っていいってことにするよ。僕がこんなに持ってても意味があまりないし。」

「そうね、私はそれに賛成だわ。私も武器を買い替えたいし、みんなもまだ持ってないでしょ。」

「そうね、星羅が私たちにくれるっていうのなら。」

「ありがたくもらいます。」

「ありがとう」


 この後、宿を取りにカウンターのところに行った。蘇飛手みんな各自の部屋に移動した。


 ・・・


 僕も自分の部屋に入った。今日は疲れたな。


 ベッドに倒れこんでしまった。


 そういえば、宿の人も結構驚いてたよな。お金を払ったときに。白金貨ってそんなに価値があるのか。

 計算してみようかな。元の世界に合わせて、一泊2000円としても...100万円。ってことはさっきの盗賊一人につき200万円も懸かってたってわけか。すごいな。

 あれ、待てよ。僕は今はじめてこの世界のお金を受け取ったはずなのにこの服はどうやって買ったんだ?

 あれが服の中に会った魔法によってつくられたものだったらどうしよう。少しの間だったら僕の古代魔法は今の妨害魔法に打ち消されないから状態は保っていただろうし。

 もしそうだったらあの店には悪いな。ごめんなさい。

 明日その店があったギルドに行くだろうし、何か買い物をしようかな。お詫びを兼ねて。


 そういえば、ちょっとここでこの世界について整理しておこうかな。

 まず、僕が確信を持てたものだけで、「しょく」に当てはまるのは「色」と「食べ物」。こんな感じかな。まだあると思うけど。

 そして、通貨は白金貨のほかにもまだあるようだ。さっき受付のときに金貨と銀貨と銅貨を見たな。この三つはそれぞれ10万、1万、1000円ってところかな。

 他にもなんか発見はあるかな。

 ああ、そうだ、一つの仕事として僕たちがなろうとしてる冒険者ってのもあるのか。やっぱりこれも魔法のようにゲームの世界と同じようなものなのかな。明日のお楽しみかな。

 さて、今日は明日に備えてもう寝るとするか。明日は早いだろうしな。

 この異世界に来て初の夜か。今日の夜見た夢は初夢っていうのかな。


 こんなことを考えながら。星羅は寝てしまったようだ。ほかのみんなももう寝てしまってる。明日の朝はみんな早く起きれるのかな?

なかなか冒険者ギルドにたどり着きませんね。

じれったいと思いますが、次回には本当に到着します。

いよいよ冒険の始まりです。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ