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転職先は「しょく」の異世界  作者: 華虎シュン
第1章 ここは「しょくの異世界」?
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第6話 三つ子

 今がどんな状況かというと、またしても僕の上に女の子が横たわってる状態だ。


「星羅さん。私のを触っておいて、すぐにほかの人のを触るなんて。私のでは足りなかったんですか!」


 いや、そこが問題じゃないだろ。今はこの人、いやこの人たちが誰ってことと、なんで僕とぶつかることになったのかだ。


「星羅さん、あの人たち盗賊です。この辺で有名な銅足ブロンズレッグです。まずはあいつらを片付けましょう。」


 プリムがさしている方向には三人組の大男が迫ってきていた。


 さすがに魔法を使って殺してしまうのは問題があるからな。足を遅くすればいいかな。

 こう考えると、セレン先生が言ってたように呪文が浮かんできた。僕の感は正しかったようだな。


「土の属性の基、汝らの地をもって底へ沈ませよ。マッドドロップ。」


 これを唱えたら、彼らの足元だけが沼のように沈んでいき、沼に沈んでしまった足をどうにかして持ち上げようともがくようになった。これならちゃんと逃げてから魔法を解除すれば死ぬことはないだろう。

 あ、周りの人も良くやったって顔してる。本当に盗賊だったんだな。


「君たち、今のうちに逃げるぞ。」

「はい」

「ん」

「・・・」


 僕はプリムと一緒にこの子たちを連れて隠れられる場所まで逃げていった。

 さて、この子たちが誰なのか聞いてみることにするか。


「さっきはありがとうございます」

「ありがとうございます」

「ありがと」

「いいや、大したことはしてないよ。それよりも君たちは誰?なんであの人たちに追いかけられてたの?」

「私たちは家族を失っていて、お金に困っていたんです。」

「それであの盗賊のアジトに忍び込んで盗んだものを奪おうとしました。」

「奪った後、彼らに見つかってさっきまで追いかけられてた。」


 いくらお金に困っていて盗賊だからといって、物を盗むのはよくないよなあ。でもその気持ちもわからないわけでもないなあ。

 でも彼女たちを助けたいな。


「今回のことはこれが初めてかしら?」


 今度はプリムが彼女たちに聞いた。


「今回はこれが初めてです。」

「どうしようもなかったんです。」

「私たちを騎士団のところに連れて行かないで。」


 こういわれてもなあ。どうしようかな。


「あなたたち、この後同じようなことはしないと約束できる?」

「お金を稼げるのなら必ずやめる。」

「それは約束する。」


 お金があればいいのか。彼女たちも反省してるようだし。

 そうだ、いい考えがある。


「なあ、プリム。この子たちも一緒のグループにするってのは...」

「だったら私たちとギルドで一緒のグループになりましょうよ。それならお金も入るし、せっかくの縁だわ、一緒に冒険してみたいわ。いいわよね、星羅?」


 あ、僕の言おうとしてたことを言われた。まあいいや。


「プリムがそれでいいのなら、僕もそれでいいよ。」

「それならこれで決定よ。まずは自己紹介と行きましょうか。私はプリム・ネレン・バレトリアよ。プリムと呼んでいいわ。それでこっちが...」

「セイラ。さっき名前を聞いてた。」


 あれ、僕の順番が抜かされましたけど。


「私はシエス・フェルトバラン。この中で一番年上よ。」

「レリス・フェルトバラン。この中だと一応次女」

「ネシス・フェルトバラン。三女だけど結局は三つ子だからあまり関係ない。」

「やっぱり三つ子だったんだ。通りで顔が似てると思った。」

「性格は全然違います。」

「そう」

「全然」


 あらら、これは喧嘩になっちゃう。話題を変えないと。


「そういえばみんなって何歳なの。僕は16歳だけど。」

「ちなみに私は14よ」

「それなら私たちはプリムさんと一緒ね。」


 一緒ってことは14歳か。これは年下が揃ってしまったな。

 別に気にすることはないんだけど、周りの目線が痛い気がする。


「それでは私たちにとってはやっとだけど、そろそろギルドへ向かおうかしら。」

「そうだな」

「本当に私たちを仲間にしてくれるのですか。」

「もちろんよ」

「これからも仲良くしていこうね」


 仲良くというのは決してあの事とは関係がない。

 一応ここで断言しておく。


「それではこれからよろしくお願いします。」

『お願いします』


 三人とも仲良く行けるようだな。これで僕たちのグループは5人か。あれ、男って僕一人だけ。

 嫁を6人作るとかあるから別にいいのか?いやいや、この子たちが僕のお嫁さんになるなんて決まったことじゃない。こんなことは考えない方がいい。

 あとから男も入れればいいさ。

 よし、ギルドに向かおう!


 ・・・・・・


 って思ったが、さすがにこの子たちの格好は怪しすぎるな。僕が魔法で姿を変えてあげるか。


「ちょっと三人ともまって。服装を変えてあげる。もちろん魔法で。」


 もちろんといったのは察してくれよ。


「そうね、これだと目立つわね」

「お願いします。星羅さん。」

「よろしく、セイラ。」


 人の姿を変えることを思い浮かべてみる。


「無の基、他より発せられる視覚を改変せよ。」


 そういえばこの呪文ってなになにせよってあとに何も言わなくてもいいんだな。


「よし、これで完成だ。」

「わあ、ありがとうございます」

「結構かわいいかも」

「セイラ、なかなかやるな。」


 みな感想を言ってくれてうれしい。

 自分としても結構自信作である。

 こうするとみんなプリムと同じくらいかわいいな。

 いやいやそんなことは今考えない。


 じゃあ、これで本当にギルドに向かおう!

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