第2話 二人で街へ
あたりはカラフルな草原が広がっている。
基本的な色だけでも、赤、緑、青、黄、紫、橙、黒、白...もっとあるな。
そういえば、仮にさっきまでいた世界を元の世界と称して、元の世界と比べて、体が少し軽い気がする。
とっさに自分の体を見てみると驚くことが待っていた。
裸だ。ってことは今僕は何も持ってないってこと?
体中を探しても何も見つからない。社長のいたずらにしてはさすがに凝りすぎな気がしてきた。
このっまではまずい。人が来たら...
こんなことを考えると、本当に現実に起こることがよくある。
人が遠くから歩いてきてる。
僕は思った。ここが本当に異世界であるのならば、魔法があるのではないかと。
服を着ているように見せる魔法があればいいのになー
こんなことを考えると、頭の中を何か呪文が流れた気がした。
声に出してみる。
「光の属性の基、この姿を改変せよ。」
自分でも意識していったわけではない。半分は口が勝手に動いたようなものだ。
この瞬間、自分の周りに光がまとったと思ったら、一瞬にして自分が想像した格好になった。つまり、六人の嫁を作らないといけないと考えていたため、6と書かれている。
後ろを確認してみると、人の影だ、確かに人が見えると考えていた。
これで星羅にはこの世界が元の世界と違うということを認めざるを得なくなった。
とりあえず町がどこにあるかあの人たちに聞いてみるか。
「あの~、この辺で一番近い町ってどこですか?」
「kairkaisew naurnjsh」
「nrunjsh dfjdsfahjuvb bfuqvxtmma」
だめだ、言葉が通じない。
こういう時に翻訳魔法でもあればいいのにな。
また頭の中に呪文が流れてきた。
今度はさっきよりも長い。
「無の基、この言語をクヨシに接続せよ。追加、四分類。」
まさかこれで話せるようになったのかな?
さっきと同じように星羅の周りには光のようなものがまとっていた。
「この辺で一番近い町ってどこですか?」
「よかった~。君が困っているように見えたけど言葉が通じなくてどうしようかと思ったよ。」
「ここからなら、あっちの方向にプレメリアの街がありますよ。」
こう言って、片方の人がある方向を指さした。
あれ、何も見えない。本当に町があるのだろうか。
「どのくらいの時間かかりますか?」
「うーん、だいたい3時間くらいかな。」
「結構時間かかりますね。とりあえずありがとうございました。」
「気をつけろよ」
「そういえば君、こんなところにいるってことは冒険者かい?この先町の手前には魔獣がいるから気を付けた方がいいですよ。」
「え、あ、はい。」
こんな曖昧な返事をしていたら、さっきの二人はもう遠く得行ってしまった。
冒険者って何のことだ、ここはゲーム内のようにギルドがあって冒険者もいるような世界なのか?
・・・・・・・・・・・・・
町のほうに歩いてたら、さっそく魔獣とやらに囲まれてしまった。
さて、ここはどうすればいいのだろう。
「や-」
何か甲高い声が聞こえた。ふとそっちを見たらいったいの巨大な魔獣が真っ二つに切られていた。
え、ちょっと待って、誰かがこっちに落ちてくる。
「いててて、あんたどこ向いてるのよ。冒険者なんだったら、このぐらいよけなさいよ。」
「あ、ゴメンナサイ」
僕は気づいていた。今のこの状況が結構マズイことに。
誰かわからないさっきの女の子が倒れている僕の上に乗りかかってる。
ちょっと、胸が当たってる。これ女の子の...なんて考えてる場合じゃない。
この状況をどうすればいいか考えないと。
彼女もこの状況に気づいたのか、突然立ち上がった。
「あんた誰、というかどこ触ってるのよ。」
「いや、そっちから倒れてきて...まず触ってないし...一応ゴメン」
「まあいいわ」
こんなやり取りをしている間に魔の手が彼女に迫っていることに二人は気づかなかった。
「キャー何よこれ」
誰かわからない子の女の子が残っていたもう一体の長い手のようなもので中高く持ち上げられていた。赤の他人なのだから放っておいてもいいのだが、どうしてもかの状を置いていけない。自分の本能的に彼女のことを助けたい。
そうだ、火の魔法だ、こいつらさっきから水のようなものを噴き出して攻撃してたな。この世界がゲームのように魔法属性があるのなら、きっと有効なはずだ。
こう考えているとまたしても呪文が頭の中を流れてきた。これはいったい何なのだろうか。まあ、今はこんなことはいい。早くあの子を助けなくては。
「火の属性の基、敵をせん滅せよ。ファイアーバリケード」
この呪文を唱えた途端、目の前にいた魔獣の周りに炎の膜のようなものが表れた。
「縮小、そして水よ消え去れ。」
勝手に口が動いたようだった。自分でも実感がないくらいあっという間に敵を倒してしまった。
「さっきは助けてくれてありが...」
彼女が小さい声で何かを言ってきた。僕にはよく聞こえなかったが、なぜか顔を赤くしてた。
「こんなのことより、あんた冒険者なんだったらどこに冒険者ギルドがあるかわかるでしょ。」
「いや僕冒険者じゃないからわからないです」
「使えないわね」
「えーと、僕はこっちの方向にある町に向かっていたから...そこに多分あると思う。」
「そんなこと知ってるならもっと早く言いなさいよ。ほら、速くいくわよ。」
「え、まあいいけど」
結局なんだかんだでこの子と一緒に街に行くことになった。
「おお、さっそくお嫁さん一人目か。はっはっは」
「だれだ」
僕はとっさに返事を返した。
「どうしたの、私には何も聞こえなかったけど」
そりゃそうだ、この声は僕の頭の中に直接語り掛けるように聞こえてくるのだから。
結局二日連続で投稿しました。
もう一話今日のうちに投稿しようかな。