第15話 作戦始動
「さっきのパーティーで、レシリア姫と結婚することになりました。」
「え、それは何でですか。」
「いや、僕に聞かれても。」
「どういうことですか!」
「どういうつもりですか!」
「・・・」
この後どうなったかはわかるだろう。フェルトバラン三姉妹にさんざん問い詰められ、やっと納得してもらえたという感じだ。
プリムをこの場に呼んでなくてよかったなあ。
「さっきの話はいいとして、星羅さん、プリムさんのことはどうしますか?」
「そのことなんだが、国王陛下から直々に話があるそうだから今呼んでくるよ。」
そう思ったら、待ってましたとばかりに国王陛下が部屋に入ってきた。もしかしたらさっきの話もすべて聞かれてた...
いや、さすがにそれはないか。そう信じよう。
「さて、何から話そうか。私は十数年間ため続けてきた憎しみがやっと解放できそうでとても心が躍っている。そうだな、今一度、彼女の名前を聞かせてもらおうか。」
「はい。彼女の名前は、プリム・ネレン・バレトリアです。」
「何かこの名前にあるのですか?」
「やはりそうか。彼女の家名にあたる、『バレトリア』は私の兄の妻の前の家名なんだ。確か、この国にも数少ない侯爵家の一人娘だった気がする。身分を隠すために、私の弟の家名、とは言っても私と同じだが、ネルトリアを使わずに名前を偽装したのだろう。」
これで本当に確証はついたな。二つも関係性が見えてくればこれは間違いないだろう。
「それで、国王陛下、これから何をしたいのかお話しください。」
「ああ、そうだったな。」
忘れてそうなので、少し促してみた。
「つまりな、セイラ君には話したが、そのプリム君の両親を殺したとされるのは、私のいとこにあたるものなのだ。私の弟が殺されたとあっては、私もとても悲しい出来事である。そこでだ、彼はたぶん順番に私の周りの人を殺していこうと考えているのだから、プリム君、つまり彼が殺した二人の子供が生き残っていたとしたら、真っ先に暗殺しに来るだろう。そこを捕まえたいのだ。彼女の存在はまだ他には知られていないから、大丈夫だと思う。」
「お言葉ですが、それだとプリムさんに危険があるのではありませんか?」
「あーそこのことは、セイラ君君がいるから大丈夫だろう。そうだろ?」
「そうですね。星羅さんなら大丈夫ですね。」
「私もそう思う。」
「賛成!」
ちょっと待ってよ。そんなに僕を信用されてもなあ。いいことなのだけれど、今回ばかりは結構つらいことだな。そんな目で見られると断るにも断れないし。
そしてこの後国王のいとことやらに会いに行く準備をした。
そう、プリムにこの状況の説明だ。
・・・
プリムがいる部屋に入った。
「あ、星羅さん。パーティーはどうでしたか。」
「別に、普通に終わったよ。」
ここではあえて僕がレシリア姫と結婚することなどについては伏せておいた。あとで話せばいいだろう。
これがあとから二度目の質問攻めになるとは星羅は今考えていなかった。
「それよりプリム、国王陛下に君は王族の一人だって言われたけど、そのことは...」
「そのことはもう大丈夫よ。私が王族の一因になるってことは受け入れられたし、これからも今の生活ができるのなら何も問題はないわ。」
「そうか、それはよかった。僕もプリムがどこかに行ってしまうのは悲しいからな。」
「そうなの。私がいなくなったら悲しいの...」
「それはもちろん。」
もちろんこれは悲しいよな?何か僕変なこと言った?
「それで、国王陛下があることをしたいそうなんだ。」
「それは何ですか?」
「プリムの本当の両親は生まれてまもなく誰者かに殺されてしまったってことは知っていいるよね。本当ならこんなこと言いたくないけど。」
「そうです。私も一度はちゃんと話がしてみたかったわ。」
「そのことで、国王陛下はその犯人が陛下のいとこにあたる人によるものだと確証があるらしいんだ。それで、プリムが見つかったってことを伝えたらきっとプリムのことを暗殺しに来るだろうから、そこを捕まえたいんだって。あ、もちろんそこは僕がどうにかして守ってあげるから。」
「そうですか。別にそれはいいですよ。星羅さんが守ってくれるならなおさら。」
あれ、ここはもっと驚くところじゃないのかなあ?僕は信用されすぎているのでは?
「それじゃあ、僕はまだ国王陛下に話があるからそっちに行くね。シエストレリスとネシスもたぶんすぐ来ると思うよ。」
「わかったわ星羅。それじゃあ、よろしくね。」
「ああ。もちろん。」
こんなこと言ってもあまり自信ないんだよなあ。大丈夫かな?まあ、気持ちを切り替えるか。
「陛下、プリムも大丈夫とのことでした。」
「それはよかった。今ちょうど書状を書いていたところだ。十数年ほど前に誰者かによって暗殺された私の弟の子供が見つかった。親族皆で歓迎パーティーをしたいからぜひ来てほしいとな。もちろんこの城に泊まりで。」
「そうですか...」
絶対この人プリムがいいって言わなくても書状を送っていたな。僕だって絶対に守れるとは限らないのに。
この後、陛下は使いの者に書状を私に行ってもらった。ちなみに、ほかの親族には作戦のことは一応伝えているらしい。僕のことは何も言っていないらしいけど。まあ、それはありがたいことだな。この国の王族全員の間の有名人になるのも大変だからな。
・・・・・・
夕方になり、書状で送ったように、パーティーに来る人がみんな集まってきた。みんなといっても数十人程度のことだけどな。でもこの人たち全員が王族なんだよな。なんかすごい光景だ。
「セイラ君。作戦は大丈夫だよな?」
「はい、大丈夫だと思います。」
「それはよかった。まずはパーティーを楽しむとするか。」
「そうですね。みんなことも呼んでおきます。」
「いや、その必要はない。今彼女たちはたぶんパーティー用のドレスに着替えている。」
「そうですか...」
ここは苦笑するところだな。手回しが早いな。この陛下は。振り回されてばっかりだ。
よし、僕もまずはパーティーを楽しもうか。なんかここのメイドさんにこの服を着てって手招きされているしな。




