第14話 新たな王族
「それはどういうことですか?」
「正直私も驚きすぎて、なんて説明すればいいかわからない。君、名はなんというのか?」
「プリム・ネレン・バレトリアです。」
「えーっと。プリム君、君の首にかけているものを見せてくれないか。」
「はい、どうぞ。」
「間違いない。これは弟がつけていたものだ。私の弟の名はゼイル・ニトレア・ネルトリアで、これの裏側にも『Z.N.N.』と彫ってある。これはどうして持っているのかな?」
「それは私の血のつながらない両親が、肌身離さず持っておきなさいと言っていたものです。私はそれを小さいころからつけていたので、とても思入れ深いものです。」
これは大変なことになったな。ってことは、プリムは実は王族で、本来なら王位継承権がある人。つまりお姫様でもあるってこと!
いや、これは僕にとってはよかったのか?すぐに依頼が解決したし。僕が解決というより、勝手にだけどな。いや、でもこれはこの後がややこしくなるな。
「つまりだ、君は私の弟の娘ということだ。君が顔を見たことのない本当の両親とは、私の弟であるということだ。残念ながら、時間的にも君が生まれてすぐに暗殺されてしまったのだが...」
「え、私が王族の一人だなんて。考えられません。」
「でも、これが事実だ。今はまだ整理がついていないのかもしれない。この話の続きはパーティーのあとにお願いする。」
「プリム、大丈夫か?」
「そんなわけ。私が王族だなんて。これからどうすればいいのかわかりません。」
「王様もまたあとで話がしたいって言ってたし、今はとりあえずパーティーに出る?それともさっき用意してくれた部屋で待ってる?」
「私は部屋で待っていることにします。」
「私たちもプリムと一緒にいます。」
「一人だけ置いていくのもさみしいと思います。」
「私たちの方でも考えておきますので、星羅さんはパーティーの方に出てください。」
「ああ、わかった。プリムのことをよろしく。」
一応三人からの配慮なのだろうけど、なんか追い出された気分だな。
まあ、とにかく今は大丈夫だろう。僕は気持ちを切り替えて、王様に誘われてしまったパーティーに出ないと。
「では、これからレシリア姫の誕生日パーティーを始めたいと思います。」
拍手が鳴り響いた。
今思ったけど、こんな大勢で祝われることって恥ずかしくないのかな?さすがに僕でもこんなことはできないと思うな。
「皆様、本日は私の娘のためにお集まりくださいましてありがとうございます。ゆっくりと楽しんでいってください。」
国王陛下のあいさつも終わり、パーティーが本格的に始まった。
僕も何か食べようかな。
・・・・・・
「では、ここでレシリア姫からお礼の言葉があります。」
「皆様、本日は私の為にこのようなパーティーを開いていただき、本当にありがとうございます。私もこれで15歳になります。この一年間もまた良いものにしていきたいと思います。そして、次に、先日私も乗っていた馬車が襲われたときに助けてくださった冒険者の方を紹介します。星羅さん、どうぞこちらへいらしてください。」
え、そんなことあるの。僕そんなこと聞いてないんだけど。
誘導されるままに僕はステージの上に来てしまった。
こんなことなら、もっとしっかりした服装をして来ればよかったな。
「こちらが私たちを救ってくれた冒険者の星羅さんです。彼には感謝してもしきれません。どうぞ拍手を。」
ほんとそんなのやめてください。恥ずかしさで倒れてしまいます。
僕はどうすればいいんだ。
「そして、最後に皆様に報告があります。私も15歳になりました。そこで、この方を私の結婚相手にします!」
「え、それはどういうことですか、姫様。」
ちょっと、シーってされても僕が困りますよ。
会場のみんなも初めは戸惑った様子をしていたけど今は僕に向かって第二の拍手が始まってしまったし。
というか15歳で結婚の発表。僕には全く理解ができない。
ふと横を見てみたが、国王陛下と王妃は全く驚いた様子もない。どちらかといえば、これからよろしくって顔をしてるな。昨日の夜にみんなで話したのか。僕はもうどうしようもないのか。
「本日は時間もないため、紹介だけで終わりにしておきます。」
姫様につられてぼくもお辞儀をしてステージの袖へ戻っていった。いや、僕は入っていったのか。
「突然のことだが、セイラ君、これからよろしく。」
「私たちの娘をよろしくお願いしますね。昨日話し合ったのですけど、この気持ちは絶対に変えられないとレシリアが言い張るのよ。」
「ちょっとお母さま。それは言わないとお願いをしたはずでは。」
「あら、そうだったかしら?」
これ絶対に確信犯だ。顔が笑ってる。それよりも僕が結婚ってどういうことだ。
いや待てよ、確か「嫁を6人作る」とかあったっけ。これは絶対なのか。
「それで、私も星羅さんと一緒の冒険者のパーティーに入りたいのですけど。いいですかお父様、お母様。」
「いいのではないかな。なあ、レイシル。」
「私もいいと思いますよ。」
「ちょっと待ってください。王族の方がそんな危険なことをしていいのですか?」
「それは星羅さんが守ってくれるのでしょう。そのうえでレシリアも言っているのですから。」
ああ、またもう一つ僕が考えなければならないことが出てきた。というか、まさかだけど今すぐ結婚なんてないよな。僕はまだ16歳だよ。いくらこの世界で15歳ぐらいで王族は結婚相手を決めるにしても、僕はまだ心の準備がない。それに、あの4人にはどう話せばいいのか。
この国のお姫様と結婚することになりました。そして一緒に冒険をします。
そんなこと言えないよ。それよりもまずは、プリムの方か。彼女がこれからどうするかと国王のいとこを捕まえるんだっけ。やることがたくさんだ。




