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転職先は「しょく」の異世界  作者: 華虎シュン
第2章 冒険の開始...のはずだが
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第12話 目撃

「これは、ひどいです。」


 その通りだ。目の前には騎士団の服装をした兵士たちが血まみれになって倒れている。どうやらこの国のもののようだ。町で見た騎士団の服装と同じだ。

 あたりを見渡してみると、馬車が一台止まっていた。この国は移動荷馬車を使うのか・・・ではなくて、早く見に行かないと。

 いったい何が起こってるんだ。


「わたしたちはこの方たちをどうにかしておきます。何せみんな光属性を持っているのですから。星羅さんはあっちの馬車の方へ行ってください。」


「陛下!大丈夫でございますか!」

「陛下!すぐに町の病院に連れていきます。どうかそれまでは。」

「お父様、しっかりして。」


 馬車の中では数名の騎士や執事と思われる人が、県を突き刺されたような跡を持った人に話しかけている。執事って初めて見たな。え、というか陛下!


「大丈夫ですか?」

「貴様何者だ。まさか、今度は直接陛下を殺しに!」

「違います。僕は誰かの悲鳴を聞いてここに来たただの冒険者です。」

「本当だな。して、何ようだ?」


 よかった。信じてもらえた。これで僕の人生終わり、とかいやだよ。


「いや、用といわれても...」

「怪しいな。」

「騎士団の皆様、待ってください。ねえ、星羅さん。あなたなら古代魔法が使えるのでしょう。だったら生命力までも回復させる回復魔法があったはずです。」

「確かに使えるだろうけど。」

「この方が国王陛下を救ってくれます。」

「本当か。それならぜひ頼みたい。よろしく頼む。」

「わたしからも。どうかお父上をお救いください。」


 お父様ってことは、この人がこの国のお姫様ってことかな。


「わかりました。できる限りのことはしてみます。」


 僕はいまにも息が途絶えそうな人の元へ駆け寄って、魔法を想像した。


「命の属性の基、生命を復元せよ。キュアヒール。」


 これはすごいな。見る見るうちに傷口がふさがっていく。なんか光のようなものも集まってきてるし。これがいわゆる生命力ってものなのかなあ?実感がわかない。


「さっきまでの痛みが嘘のように静まっていく。」

「陛下、本当にご無事で。」

「ああ、もう大丈夫のようだ。」

「お父様、本当に良かった。」


 どうやら一命はとりとめたようだな。僕も前に医学の本を読んでたけど、さっきのは結構危ない状態だったな。魔法ってすごいな。何でもできるようだ。


「君かな、私を救ってくれたのは?」

「はい、そうです。」


 何やら後ろでそわそわしてるな。どうしたんだろう。


「星羅さん、国王陛下に向かってその態度は何ですか。せめて敬語くらいは。」


 プリムにシエスにレリスにネシス。みんなに叱られてしまった。しょうがないよ。僕の国には国王なんていなかったから、いまいちこの感覚わからないし。いや、天皇陛下は一応いたけどな。でも、どちらにしてもこんな間近であった事まないし。


「いや、そんなことは気にせんでいい。私の命の恩人だからな。逆にかしこまられてしまうと私が困ってしまう。」

「そうですか...」


 国王ってこんなに軽い人なのかな?イメージと全然違うんだけど。


「それでだ、どうやらさっきの敵も再び攻めてきたようだ。召喚魔法で呼び出した人型の騎士をした悪魔だ。再びといってはなんだが、君の実力を見て判断する。どうかあいつらをせん滅してくれ。」

「わかりました。頑張ってみます。」


 どうやらほかのみんなも戦ってるようだった。それでも結構押されてるな。

 さっき陛下はすべて召喚魔法で呼び出したものって言ってたよな。だったら、それを呼び出してるやつをまずは倒せばいいのかな?いや、まずはここにいるやつを消した方がいいか。

 そのためには、このあたりの召喚された悪魔を消せばいいのかな。


「闇の属性の基、召還を取り消させよ。サーヴァントリバース。」


 どんどん敵が消えていく。どうやら今回もうまくいったようだ。


「まだ君の名前を聞いてなかったね。」

「僕は星羅です。」

「セイラ君か。本当に感謝しきれない。」

「いえ、どうも。あとはこいつらを呼び出していた親玉を捕まえるだけです。」

「いや、あとわこちらの騎士に任せる。君たちは十分以上のことをしてくれた。どうだ、この後私の居城に来ては見ないか。お礼をする。」


 うーん、これは断れないな。


「星羅さん。行ってきてください。私たちは先に帰ってギルドで報酬を受け取っておきますから。」

「それならまあいいか。それでは、お城の方へ行かせてもらいます。」

「歓迎するよ。」


 ほんとフレンドリーな国王だな、この人は。


「今回は父上の命、そして私たちのことまで守っていただき、本当にありがとうございます。」


 さっきのお姫様か。感謝されるってのは別にいいんだけど、人が人だからなあ。


 って急に何するのこの姫様は。抱き着いてきたんだけど。


「ありがとうございます。星羅さん。」

「ちょっと、姫様。」

「何をしているのですか。」


 なんかプリムたちが起こった口調で言ってるな。オイオイ、それはないだろ。僕にさっき敬語を使った方がいいなんてこと言っておいて。

 というか、この姫様は無防備すぎじゃないのかな。ちょっと、また胸が当たってるんだけど。なに、触ってとか言ってるってこと。そんなことあるか!


「姫様、そろそろ。」

「そうだぞ、レシリア。皆さんも困ってる。」

「あ、私としたことが。場を取り乱してしまってすいません。」


 あーこの姫様はそういう性格なのかな。というかこれを見てなんで陛下はニコニコしてるんだ。


「陛下。目標の者は見つかりませんでした。」


 さっき見回りに行った騎士たちが帰ってきた。


「そうか、逃げられたか。まあいい、次期に分かるだろうし。」


 え、心当たりあるんだ。


「では、出発するとするか。」


 僕は陛下に連れられて馬車に乗り込んだ。


「星羅さんまたあとで。」


 みんなが見送ってくれた。


 ・・・


 馬車に乗って少し経った。何も話さない子の雰囲気はなんか落ち着かないな。


「あの、陛下。不束者ですが、お名前をお聞きしてもいいですか。僕は最近この国に来たものなので。」

「そうだったのか、やはり耳にしない凄腕の冒険者というわけか。私の名はサイル・メルネア・ネルトリアだ。で、さっき聞こえたかもしれんが、こちらが私の一人娘、レシリア・ネスト・ネルトリアだ。」

「ありがとうございます。それで、サイル陛下、さっきは何があったのですか。」

「そうだな、まずはそのことを話そう。私たちはこの国の隣、同盟国であるオルベリトリアからの帰り道に、突然さっきの召喚悪魔たちに囲まれた。そして一人、いや一体がこの馬車に入ってきて、私の胸を刺してきたというわけだ。」

「で、その犯人は誰だかわかってるんですか。さっき時期に分かるといってましたけど。」

「ああ、そのことだが、詳しく話したい。お、どうやら着いたようだ。この話は城の中に入ってからゆっくり話すとしよう。」

「わかりました」


 これから初めてお城に入るのか。なんか緊張するな。

 いや、この国王陛下ならあんまりか。

今回は結構長めになりました。

いつもの約1.5倍です。

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