出会い+4
「あ、ありがとう」
オレはぺこりと頭を下げる。
助けてくれた、いかにも優等生ですって感じぼメガネくんはメガネをくいっとあげるとため息交じりに言った
「君なんでどけないわけー?一年登校してれば分かるでしょ」
「え?なんでオレの学年知ってるの・・」
「ネクタイの色が緑色だから。・・・君そんなことも知なかったの?」
いかにも呆れたって顔で見てくるメガネくん。
オレはむっとして言い返した
「んなこと知るわけねーだろ。オレ、今日初めてこの学校に来たんだから」
「へ?」
きょとんとメガネくんはオレを見つめる。
数十秒後、オレの正体が分かったらしく、ぽんと手をついた。
「あー・・悪い。」
「別に。ねぇそれよりなんなのこの道」
「あぁ。君、今日からこの学園に通うなら知っといたほうがいいよ。口で説明するのはめんどくさいから、見ててよ」
顔に似合わずめんどくさいとか言うなよメガネくん。
普通、そこはきちんと分かりやすく教えてくれる所でしょ?!
てか、この学校がどうなってんの?まさか、実は超金持ちが通う学校で、四天王的な人たちがいて特別あつかいされてるとか・・・・
まさかこんなアニメちっくな話があるはずないよなー。
「この学園には四天王と呼ばれるやつらがいて」
えぇ!!!まさかの四天王登場!?・・本当にあるんだ。
てことは、かなりの美形とか?いやいや、まさかそんなに都合のいい話なんて
「「「「椿さまァァァァァァァァ!!!!!!!!!」」」」
あるんですね。
いや、オレ別に四天王の一人の顔見てないよ
でもさ、このキャピキャピ声聞いてれば大体わかるでしょ。
さぁどんと来い!!オレもうなにも驚かないぞ!!!!!
「コイツがその一人」
メガネくんは嘲笑しながらすっと指さした
オレは必死に見ようとぴょんぴょんと157cmの小さい背で見ようとする。
でも、ココは男子校。普通の高校生が通っているわけで、オレよりでかい奴がわんさかいて前が見えない。
そんなオレの姿を見かねたのか、メガネくんは前にいた数人の男子に話かけ、なにかを交渉しはじめた。
数分後、交渉は成立したらしく、あっさりと前をどけてくれた。
「ねぇ、なんで男子なのに男子にキャーキャー言ってんの?」
「みんなあこがれてるからだよ」
「あこがれ?」
「そ。君もじきに分かるよ」
不意にキャーと言う声が大きくなってきた。
煩くて耳を塞ぐと、メガネくんは苦笑いして、道の方へ視線を移した
つられてオレも視線を前に移すと、人だかりの中に今一番見たくない相手が立っていた。
昨日と違い、ふんわりと茶色の髪がなびき丁度いいところで分けられていた。
ニコニコと周りの人に手を振り、昨日のオレ様口調とは違い、いかにも有名人ですって感じの話かたをしている。
とたんに、昨日の羞恥心がムクムクと膨れ上がってきた
「・・・あの。アイツの名前なんて言うの?」
「アイツって・・・知り合い?」
「まぁ一応」
初対面で襲われて、童貞の危機でした。なんて言えるわけがない
「ふぅん。ま、いいや。君いかにも椿のタイプだからね」
「ツバキ?」
「そうそう。アイツの名前は月並椿って言うんだ。」
「じゃぁアンタの名前は?」
ぽかんとするメガネくん
「まだ言ってなかったけ?」
「うん」
「元紺俊輔だよ。よろしく」
ニコリと笑いかける俊輔はいかにも優等生ですって感じ。
オレも少しあんな感じに笑ってみたいとあこがれる・・・。
「君の名前は?」
「えっと、藤岡涼!!同じクラスになれるといいな」
「え・・?」
「俊輔って頭いいだろ?そーゆうやつ友達にいるといいなーって」
「涼?あんまりこの学園でそんなこと言わないをうがいいよ」
「え?なんで?」
「いや・・・あの・・なんでもない」
変な俊輔・・・なんかあんのかな?
ぐるぐると色々なことを考えていると、不意に頭にこつんと何かが当たった
「いってェェェェ!!!!」
痛みに頭を抑えると、クスクスと笑う声が聞こえる。
キッと睨んで顔を上げると、昨日の男・・否。椿が立っていた