出会い+3
「やだっやめろっ」
無駄だと思っててもオレはジタバタと抵抗する。
鬱陶しくなったのか、男はオレの足を持って器用に空いている手でネクタイを取ってオレの足に縛り付けた
本格的にやばい。。。
「オレはお前が寒そうだったから入れただけなのに、なんで・・なんでこんなことされなきゃなんねーんだよ!!!!!」
「オレの名前しらない罰。」
「んなもん知るか!!オレ来たばっかだぞ」
男はじっとオレの顔を見つめる。
何故か、オレの顔がが熱くなる
黒い瞳が不意に揺れた
「じゃ、今から知って。オレはどんな奴なのか、どんな性格してるのか」
ちゅっとオレの手をとって甲にキスする
そのまままた、オレの顔に男の顔が近づいてきて
♪カステラ一番電話は二番〜♪
これこそMK3って時に、軽いメロディーが流れて男の動きがぴたっと止まった
発信源は男のケータイからで、めんどくさそうにオレにのかっていた体をどけて電話に出た。
まぁとにかく・・・
たすかったぁ!!!!
もしもあのまま事が進んでいたら一生トラウマになってたかも
ケータイに電話してくれた人に感謝!!!
オレは足にしばってあったネクタイを外そうと起き上がった時
電話が終わった男がニヤリと笑いながらまた近づいてきて、オレの耳元で囁いた
「同じクラスになれるといいな」
「なっ!!!!」
誰がっなるか!!と言おうと顔を上げると、また男に口を塞がれ、今度は甘い液体を飲まされた。
甘さのせいで頭がクラクラする
「どーせお前のことだから騒ぐだろうから、コレで寝てて」
「はぃ?」
あ・・・なんか目の前がかすんできた
ねむ・・・なんでだろ
「ありがとう、少し熱取れたと思う」
ちゅっとまた軽くキスされる
オレはあまりの眠たさにぼぉーっとされるがままになっていた。
「オレの名前 だから」
なに?聞こえない・・・あ・・・眠い
なんか目の前が見えなくなってくる、結局・・名前なんだよ
「あれ?寝ちゃってる。じゃ名前わかんないままか・・・。まっいいか」
寝てないつーの。
てか、本当に名前なにさ!!!
「じゃぁ、また明日。アリベデルチ」
男は最後にオレになにか言ったけど聞こえなかった
そして、オレは深い眠りについた
*
頭がガンガンする・・・。
絶対アイツのせいだアイツが眠り薬なんか勝手に使うからだ
会ったら血祭り決定。。
イライラとムカムカを抱えたままオレは学校へ向かう。
右手に地図、左手にカバンとなんとも奇妙なかっこうのオレは案の定、登校中の他校生に変な目で見られた。
「こ、ここがオレの通う学校ぅ?」
空いた口がふさがらない。
いや、だってさ目の前にお城のような校舎が立ってたら誰だって驚くでしょ?
オレは右手に持っていた地図をしまって校舎内に入ろうと校門をくぐろうと一歩を
踏み出した・・・・・はずだった。
「きゃぁぁぁぁ!!!椿くんよ!!!!」
は?
そう思った次の瞬間、ざわざわとさっきまでざわめいていた辺りが静かになり、道の真ん中が誰かが通るように空いていた。
なになに!?なんか通るのかよ?
てか、これって空けるべきか・・・?
なにがなんだか分からず立ち尽くしているオレはおどおどしていた。
「君、早くどけたほうがいい」
「え?」
ぐいっと、どこからか手が伸びてきて、オレを道の真ん中から引きずりだしてくれた。