出会い+大人の階段
拝啓、親愛なる姉上サマ。
毎月毎月オレ主人公の腐れ小説を都会に一人暮らししているオレの所にわざわざ送っていただきありがとうございます。
お礼を申し上げると共に、姉上の弟として生まれてきたことを悔やんでいます。
前置きが長くなりましたが、お元気ですか?
オレは元気です。
前の手紙に姉上は『彼氏できた?』と言っていましたが
オレは男です。『彼女』は出来ても『彼氏』を作る趣味はありません。
またまた話がずれましたね。まったく、誰のせいなんだか。
あ、決して姉上のことじゃありませんよ。決してね・・・・。
高校はとてもたのしいですよ。
最近、調理クラブで先輩にほめられたばかりです。
今度帰ってきたときは姉上の大好きな『プリン』をバケツに作っておくので楽しみにしていてください。
最後に。
オレはホモじゃねッーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!
*
もう人なんて信じない
*
幽霊だと思った。
こんな夜中にしかも大雨の日、傘も差さずにずぶぬれになっているなんて。
性別は男、制服がオレと同じ高校でたぶん先輩。
ベンチに座ったままピクリとも動かない。
オレはぎゅっと傘を握って近づた
「あの・・大丈夫ですか?」
すっと先輩に傘を傾ける。
ポタポタと先輩の頭から雨がしたたり落ちる。
制服の濡れ具合から、かなり前からいたと思う。
「死んでないですよ・・ね?」
顔を覗き込もうとしゃがみこむと薄く先輩が口を開いた
「かってに殺すな」
声が枯れていて聞き取りにくかったけれど、一応死んでなかったようだ。
オレはほっとして緊張していた体を戻す。
「お前、誰?」
「オレ?あ、すみません。藤岡涼って言います」
「・・・リョウ」
「あの、先輩の名ッ!!!!!」
ユラリと先輩の体が揺れる
傾いた体をオレは反射てきに受け止めた
「だっ大丈夫ですか!?つか熱い・・」
「すまん・・なんでもッない」
ぐいっとオレを押しのけて立ち上がろうとする。
雨はいつのまにか晴れて、辺りに光が差し込む
「なんでもなくないです!!オレの家ここから近いんでそこで少し休んで下さい」
「だが・・」
「行くんです!!!!!」
ためらう先輩を強引に自分の家に引きずるオレ
ポタンと一つ先輩の髪から雨が落ちた
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こんにちは^^
今度の作品は長続きするようにがんばるのでよろしくおねがいします。。。