仮面ソードの力
「うーん……」
僕は今、生まれて初めて壁というものに直面している。
魔法は基本属性魔法のレベルをカンストさせ、今は転移や電撃などの特殊魔法の強化を残すのみとなり順調だ。
問題は、剣術なんだ。
今や、剣神の力というスキルも得てステータスも上がった。
だが、父さんに未だ1度も勝てていない。
「何とかして、勝ちたいなー……」
そこで、僕は閃いた!
父さんと同じ戦い方をしてるから、いつまで経っても勝てないんだ。
同じ戦い方で勝てないなら、違う戦い方でやるしかない!
「といっても、前世ではもちろん今でも剣術なんて見たことないもんなー……」
前世で考えると、特撮ヒーロー物でしか見たことない。
んっ?……それだ!!
-それから1週間後-
今、僕はいつもの庭で父さんと向かい合っている。
「ルークから勝負を持ちかけてくるとは、珍しいね。何か策でも出来たのかい?」
「父さん、余裕な顔をしているのも今のうちだよ。僕はもう、1週間前とは違うんだ」
そう、この1週間で僕は今までとは、全く違う戦い方を生み出した。
「へー、それは楽しみだ。ん?なんだい、その木刀は。随分細いし2本?」
そう、僕は前世の朝8時からやっていた仮面ソードの最終形態の戦い方、二刀流を再現させたのだ。
この世界の剣に刀はなく、西洋の重たくて、切ると言うより叩く感じの剣しかない。
そのため二刀流は難しく普通はしない。
だから、僕は刀の形の木刀を2本、小太刀と、まあまあ長い物2つを作り上げたのだ。
「今日も剣が鳴り響く、悪を倒せと俺を呼ぶ!行くぜ、父さん!」
「おい、ルークどうした!」
ふっ、今の僕は仮面ソード!
僕は仮面ソードになりきることで自信を手に入れた。
「はあーー!!!」
今回の戦い方は剣が細い分、打ち合いには向いてないので速さを重視で防御を捨て、最初から全力でいく!
ブウォン、ブウォン、ブウォン、ブウォン、カン!
くそっ、さすが父さんだ。
5連撃を全てかわし、さらに反撃を狙ってる。
「速いだけじゃ、僕にはまだ勝てないよっ!」
ズガン!
予想以上に通用しないな。
仕方ない、今僕ができる最高の連撃を見せてやる!
仮面ソードの必殺技!
「ブレイブストーム!」
ドドドドドドドドドドド、ズガーン!!
この速度の連撃は、剣神の力がある僕でも12連撃が限界だ。
流石に父さんも効いてるみたいだけど、やっぱり足りなかったか。
「ははっ、ここまでやられたのは師匠以来だよ!ルークも限界みたいだし終わらせてあげるよ!」
父さんは、すごい勢いで突っ込んできた。
「かかったね、仮面ソードの必殺技は1つじゃない!」
そう、仮面ソードの最後の必殺技は最終回前に殺られた親友の技であるカウンターなんだ。
今こそ、あの場面を再現する時!
「これでおしまいだ!新燕返し!!」
僕は父さんの1歩だけ前にズレて、小太刀で父さん剣の振りを殺しつつ上へと巻き上げる。
そして、長い太刀で胴に1本入れる。
「ぐはっ!」
やった……
ほんとに勝っちゃったよ!!
「よっしゃー!!!」
「まさか、まだ3歳になってない息子に負けるとはね。誇らしくもあるけど、やっぱりめちゃくちゃ悔しいね」
やはり、仮面ソードは偉大だ。
いつか、ベルトもコスチュームも作ろう!
いやー、疲れたけど、父さんにも勝てたしこれで目標達成だー!
「ん?ルーク、勝ち逃げする気かい?残念だけど、僕はまだ終わらす気はないよ」
「いやいやいや、もうヘトヘトで動けないよー!」
「問答無用!!」
この後、ボコボコにされました。
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ステータス確認
[名前]ルーカス・ラインハルト
[年齢]2
[性別]男
[職業]勇者、魔道士、剣豪
[レベル]1
[体力]1600
[魔力]1980
[身体能力]1820
[知力]2640
[運]999999
[スキル]
固有:状態異常無効、武術の才、魔術の才、全属性魔法適正、勇者の力、賢者の秘術、ダブルキャスト、スキル統合、武神の極意、二刀流、剣神の力
常時発動:完全察知、超感覚
任意発動:情報操作、剣術8、基本属性魔法10、雷魔法7、空間魔法4、光魔法2、闇魔法3
[特殊]
創造神の加護、幸福をもたらす者、魔王討伐者達の加護