表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
階段下は××する場所である  作者: 羽野ゆず
登場人物紹介など
2/162

イラスト(いただきもの)

小説もイラストもお上手な、角増エル様(ID:917360)から、本編のヒロイン・雷宮らいきゅうひかるのイラストをいただきました。

はいっ

挿絵(By みてみん)



いわく、

「キャラクター的に素足っぽい気もするけど個人的にはタイツでいて欲しい」

とのことでした。

まさに――!(圧倒的同意!!!)

ありがとうございます。かわいくて、なにより美脚すぎですっ!

優しい水彩タッチがほんわかしてて素敵。

いちおう本編では、制服ブレザーのつもりでしたが、セーラーも良いなぁと思いました。

角増先生、ありがとうございましたm(__)m


☆ ★ ☆



【H30.2.15追記】


またまた角増エル様に、今度はなんと――主人公の水無月みなづき日向ひなたのイラストをいただきました! 

はいはいっ

挿絵(By みてみん)




「(なんかチョコ貰ってる風な)水無月くん」

とのことです。バレンタインですね! 

本編に外見描写が少ないにもかかわらず、こんなにも作者のイメージを的確にとらえ、描いていただいたことに感動&感謝です(>_<) ほんとにすごいなぁ……



おまけに――作品イメージのイラストもいただきました!

挿絵(By みてみん)

階段下にしけこむ5秒前、だそうです。世界観が端的に表されている…!



さらにさらに、日向の私服イラストもいただきました! 秋らしく爽やかです。

UCHUブランドのバッグが素敵。(H30.11.13追加)


挿絵(By みてみん)




☆ ★ ☆



以下、記念にイラストからイメージしたSSを掲載しております。

バレンタインとチョコレートの話は書き尽くした感がありますが^_^;、日向も光も高校生で、初のバレンタインという設定です。どうぞ!



* * *




 今年も2月14日――恐怖のバレンタインデーがやってくる。

 

 幼稚園のときは、「もうっ無駄にたくさん貰ってきて! ホワイトデー(おかえし)どうするのよぉ」と母に泣きつかれ、小学生のときは、やたらと血走った目をした女子らに家まで追いかけられ、中学生になると、クラスメイトをはじめ部活の先輩など同性に理不尽なひがみを受けまくった。

 ほかにも強烈な記憶をあげれば枚挙まいきょにいとまがない。


 水無月日向にとって、この日は、厄災やくさいでしかなかったのである。



 + + +



 高校一年生のバレンタインデー。

 例年とくらべれば奇跡的なほど穏やかに、日向は、その日を終えようとしていた。

 下駄箱と机の中に差出人不明のチョコもなく、『放課後に校舎裏で待ってます』など決闘状じみたラブレターもなく、彼が物心ついてから初めて平和なバレンタインであった。



「日向。ちょっと時間あるか?」


 それはひとえに、前を歩く二歳上の彼女――雷宮光のおかげである。

 鬼と称された元剣道部部長の彼女が、「水無月日向は自分のモノだ」と校内中に吹聴ふいちょうしたので、バレンタイン当日に告白してくる勇者はとうとう現れなかった。

 

 粉雪がちらつく帰宅路で、光はポニーテールのしっぽを撫でて、

「うちに寄ってもらっていいかな」 

 とたずねてくる。

 特に用事もないので了承すると、心なしか繋いだ指の力をこめられる。


「――おまたせ」

 雷宮家の玄関先で待っていると、扉を開けた光が無造作に手渡してきた。

「バレンタインだから」

 ちんまりとした、でも、いかにも高級そうな外装の箱。

野巻のまきと一緒に買ったんだ。美味しいのかわからないけど」

「あ、ありがとうございます」


 体育会系の光は、バレンタインなどチャラいイベントは無視するとばかり思っていたのに。

 それは、日向にとって、肉親と幼馴染をのぞけば、はじめて平和に受け取ることができたバレンタインチョコであった。

 

 よぅく観察すると、光の頬が少しだけ赤らんでいる。照れを隠すように、

「結構高かったけど、ほんとうに美味しいのかな」

 ぶっきらぼうに呟き、いったん渡した箱を奪うと、なんと包装紙をビリビリ破りだした。

 あ然としている日向の前で、シックな茶のリボンを解き、繊細な造作のチョコを口にぽんと放る。


「……む。高かっただけあって、なかなかだな。日向も味見、する?」

「はい」

 返事するなり、家のなかに引き込まれた。こじんまりとした玄関に芳香剤の香りが漂っている。

 光は、チョコをもうひとつを口に含み、あろうことか口付けをしてきた。


「わっ!? ふ……っ」


 味見って、口伝いに――!? 

 あいかわらず予測不能突発的。そんな彼女に翻弄ほんろうされっぱなしの日向である。


「おいしい?」

 たずねられ、放心したままうなずくと、

「――よかった」 

 心から安堵あんどしたように、光はにこりと無邪気に微笑んだ。



 やっぱり今年もまた、“強烈な思い出”ができてしまった……。


 ひとりになった帰り道。

 本降りになってきた雪に早足になりつつ、日向は、そっと唇に触れる。

 口内に残った、ほんのりビターで芳醇ほうじゅんな味は、しばらく後をひいた。

 



(Wish your "Happy Valentine's Day 2018"!)

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ