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日韓戦争

スピンオフ 日韓戦争

作者: 川里隼生

月曜日ほど朝が辛い日はない。階段を降りると、母が台所で目玉焼きを作っているのがみえた。

ここは広島。俺が15年間、生まれ育った街。今日から高校生だ。新しい校章の付いた学生服がハンガーにかかっている。しかし、いきなり5時間睡眠はやはりきつかった。

リビングには今日の朝刊が置かれている。一面には「総理 きょうソウルへ」と書かれていた。シャレか?

最近の日本は、少し変な気がする。いつでもどこでも「韓国が悪い」「南朝鮮は無視しろ」「愚の骨頂チョン」などという声が聞こえる。終いには韓国との対立の原因になった侵略(かどうかは知らないが)を「正しい戦争だった」と言う議員も出てきた。

俺は小学生の頃(確か2024年くらい)、太平洋戦争前の日本は「侵略行為」を行っていたと教わった。その先生は君が代斉唱を妨害していなかったし、日の丸を焼いたりもしていなかった。いわゆる日教組ではない。日教組の教師全員がそんな事をするとも考えられないが、どうやら世間ではそうなっているようだ。

ところが、前原まえばらという政治家の本が出版された中学生の頃、俺が教わった教育が間違っていると言われた。

本のタイトルは「真実」。侵略行為とされた日本の軍事行動は、実はアジアを解放する為に欧米列強に日本が反旗を翻した、いわば日本は世界の救世主ヒーローだ。戦後(アジア諸国が独立したため決して『敗戦後』ではない)日本を統治したGHQは日本人の自信と愛国心を無くそうとした。現在、それをいいことに憎き韓国は日本に難癖を付け、不当に日本を蔑ませようとしている。日本人よ、今こそ立ち上がれ‼︎ 小韓国に日本の実力を思い知らせるのだ‼︎

内容はだいたいこうだったと思う。その政治家は今や与党の幹事長。総理大臣も夢じゃないらしい。こんな人が日本を動かしたら、むしろ日本は滅びるんじゃないだろうか。

ここは広島。俺は戦争に正義など無いと思っている。例え東南アジアの人々が日本の軍事進行のお陰で助かったと言っても俺はそう思わない。

とか考えていたらもう6時50分だ。そろそろ出発しないと。

「行ってきます。」

私は、例え結果的にプラスだったとしても戦争に正しいとか間違っているとかの区別は無いように思います。現在の日韓関係は韓国がすでに謝罪している日本を未だに敵視しているのが対立の原因ではないでしょうか。映像に残っている訳ではないので、どちらが真実なのかはわかりません。でも、自国に有利な仮説を無条件に「真実」とみなすのはあまりにも危険です。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 川里さんの小説には、いつもうならされてばかりです。私たち1人1人が相手の過ちを認めて許してあげる、寛容な精神が必要なんですね。
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