表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
アウトコレクター  作者: 一ノ瀬樹一
第四章 弁天堂美咲と円環世界
34/39

弁天堂美咲と円環世界《トラースワールド》06

 「それでは――」

 「まあ、待て弁天堂。順番を追って説明しよう」


 迷斎さんは、私の言葉を遮りました。

 何でもお見通しの迷斎さんには、私の言葉を聞かなくても解っていたのでしょう。


 それにしても、迷斎さんでも解決出来ないことがあることに、私は驚きました。これまで、人間性はどうであれ、どんな怪奇現象でも解決してきた迷斎さんでしたので、今回のことも迷斎さんに相談すれば、見事解決――となると思っていたからです。


 正直、迷斎さんに解決出来ないと言われた時点で、私は動揺を隠しきれずにいました。


 「正確には、私が関与することが出来ない――と言った方がいいかな」

 「関与出来ない?」

 「ああ、そうだ。弁天堂は昨日、私と会っていないのだろう? 昨日と同じ――、これから弁天堂は昨日と同じ日を繰り返すことになる。私が関与出来ない理由は、そこにある」


 迷斎さん曰く、私以外の人間は昨日と同じ日を繰り返すループ現象のため、私だけが同じ日を繰り返しているそうです。そのため、昨日迷斎さんに会っていないので、迷斎さんはこのループ現象の原因となっていないので、関与出来ないのだと言います。


 「それなら、私はどうすればいいのですか?」

 「自分自身で解決するしかない。昨日の弁天堂の行動の中に、今回の怪奇現象の原因がある」


 つまりは、私一人でこの怪奇現象を解決するしかないようです。これほどまでに、心もとないことはありません。これまでも、私は迷斎さんに頼っていただけで、私一人で解決したことはありません。しかし、今回は私一人で解決しなければなりません。


 そんな私の心情を察したのか、迷斎さんはヒントをくれました。


 「弁天堂。今回のことは、トリックスターの仕業だ」

 「トリックスター?」

 「トリックスターは、イタズラ好きでな。こんな、くだらないループ現象を起こして、遊んでいるのだよ。しかし、トリックスターが厄介なのは、時間や時空を歪めるような強大な力を持っていることだ」


 そう言って、迷斎さんは手のつけていないドーナッツを持ちました。


 「いいか? このドーナッツのように、弁天堂は同じ時間をループしている。しかし、そのループの原因か、あるいはトリックスターを見つければ、この怪奇現象は解決出来る」

 「トリックスターを見つける? どういうことでしょうか?」

 「さっきも言ったように、トリックスターはイタズラ好きだ。弁天堂のループ現象の登場人物に、紛れ込んで楽しんでいるに違いない。強大な力を持っているのに、幼稚な性格をしているからな」


 だから、トリックスターを見つければゲームオーバー。それで解決すると迷斎さんは言います。


 このループ現象を解決するには二つ。

 一つは、このループ現象となる原因を突き止めること。

 あるいは、昨日の登場人物の中に紛れている、トリックスターを見つけること。

 つまりは、私が昨日出会った人で、何らかの関わりを持った人物。


 委員長。

 まゆりさんと西園寺さん。

 カフェにいた、女子高生グループとOL風の女性。

 後は、お母さん。


 その中に、トリックスターがいるのでしょうか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ