秘密
ゴリラ病院につくと、僕たちは真っ先にゴリラ母さんのいるゴリラ病室に向かった
「ウホ、ウホウホ」
僕はゴリラ母さんに対して現場には足跡がなかったことについて説明した
そうするとゴリラ母さんは何かを察したのか、顔色を変えベッドの下に隠してあったナイフを取り出した
そしてあろうことかオランウータンめがけてナイフを振りかざした
「ウ・・・ウータン!!!」
オランウータンの悲鳴がしたその直後だった
ナイフはゴリラ父さんによってはじき飛ばされた
「ウホ・・ウホウホ」
ゴリラ母さんはその場に崩れ落ちた
そしてゴリラ父さんはゴリラ兄さんに頼まれていたという物を取り出した
「ウッホホホウホ・・・」
どうやらゴリラ兄さんは壊れた装置の修復をゴリラ父さんに頼んでいたようだ
そいつはまさか・・・投石器!?
なんとゴリラ母さんは石を投げつけられたのではなく、投石器を使って狙われたんだ!
じゃああの手鏡は監視装置に見せかけるための犯人が仕掛けたダミー・・・
「ウホウホウホホホホ」
ゴリラ父さんはそう言うと、あの現場に落ちていたツルも取り出した
どうやらそのツルが投石器を放つ引き金になっているらしい
ん、でも確かそれが落ちていたのは母さんが怪我をして血のついた石が落ちていた付近・・・
つまり投石器の引き金を引いたのは・・・怪我を負ったゴリラ母さん自身だっていうのか!?
「ウホ!ウホウホウホホ!」
「ウホ、ウホホホホフオ・・・」
ツルを真っすぐ伸ばすと丁度ゴリラ母さんが立っていた場所から投石器までの距離があったらしい
「ウホウホウホウホウホウホウホウホ!!!!」
いきなりゴリラ母さんが叫んだ
家庭の為にやったって?
「ウホ・・ウホウホ」
衝撃だった。ゴリラ母さんは多額の借金をしていたらしい
そしてその借金会社から、オランウータンを殺せば借金をチャラにしてやると言われ
この殺害方法を言われたがままに実行したらしい
もしゴリラ母さんの多額の借金がバレたら家庭崩壊してしまうかもしれなかったから
どうしてもやらなきゃいけなかったって・・・
でも何故だ、何故その投石器が散歩をしているオランウータンではなくゴリラ母さんの方向を向いていたのだろう
「ウータン、ウータンウータン?」
オランウータンは設置に失敗したんじゃないかと言っている
だが器用で有名なゴリラ母さんがそんな失態するはずがい
いったいどうなっているんだろうか
それは母さんにも分からないらしい・・・
続