現場
とりあえず僕とゴリラ兄さんは現場の庭を見てみることにした
犯行が行われた現場は、ゴリラ家の庭だ
ゴリラ家にご近所さんはなく、一番近いチンパンジー家でも2キロ先にある。
「ウホウホ、ウホホホウホウホ」
「ウホッホ。」
ゴリラ兄さんもそこは僕と同じ考えらしい
だからといってそれが事件に関係あるとは思えないけど・・・
ゴリラ家の周りはジャングルなので高い木々に囲まれている
なので見通しも悪く、犯人なら木をつたって難なく敷地に侵入することができるだろう
「ウホ・・・ウホウホ?」
ゴリラ兄さんが指差した先には、何やら壊れた装置のようなものがあった
近づいて確認してみると、木のツル、竹の棒、手鏡が落ちていた
「ウホウホホウホ・・・」
どうやらこの装置でゴリラ母さんの動きを監視していたようだ
手鏡を使ってゴリラ母さんの見えないところから・・・
ゴリラ母さんが被害にあった洗濯物を干している場所に行ってみると、やはり血のついた石が落ちていた
そしてその横に、何故か長いツルのような物が落ちていた
それが何に使われたのか、まだ分からなかった。あるいはただ落ちていただけかもしれない。
「ウホウホ?」
どうやら犯人は投石してゴリラ母さんを狙ったらしい
それなら足跡を残さなくても可能だ
現場の捜査はこれくらいかな・・・
やっぱり犯人はやつしか思い浮かばない
木をつたって投石をし、ゴリラ父さんに目撃されたやつだ
今からやらなきゃいけないことはただ一つ
「ウホフオウホホホ・・・」
「ウホ。」
オランウータンの野郎を探し出して吐かせることだ
兄さんと僕は、動物たちの証言を元にジャングルを駆け回った
続