プロローグ
日本が戦争を放棄?でも世界は戦争してんじゃねーか。
世界は思ったよりも平和だって?
そりゃ金を遊び使いながら家にいる貴様らにとったら退屈で良い平和なんでしょーね。
それじゃあお前は平和でないのかって?
「……今の見た?」
「見てない。」
「嘘つけ!見ただろ?!」
「気のせいだって!世の中は気のせいで出来ているんだぞ!」
「馬鹿言え!猫が、猫が今……!」
「猫が宙返りしてカラスに猫パンチ食らわせてから平然と家の塀を背面跳びで超えて庭に着地するわけないだろっ?!」
「ばっちりじゃねーか。」
平和なわけねーだろ。世の中にどれだけ不思議があると思ってんだよ。
そして私がどれだけ巻き込まれ体質だと思ってんだよ。
幽霊?なにそれアソコの電柱にしがみついて女の子ストーカーしてるおっさんのこと?
見えてないのに馬鹿だろ。ぜってーIQ低いぜあのハゲ。
妖怪って実はそのへんによくいるけどナチュラルすぎて皆意外と気づかない。
まぁまさか学校帰りによく見る雀が魔女の使い魔だとか、学校の先生に変身してるのが狼男とか考えるのは完全に手遅れな中二病の奴だけだろうが。
地獄とか天国とか妖界とかは知らんが、冥界はあるらしいよ。
なんで知ってるかって?なんせこの前行ってきたからね。たまたま開きっぱなしになってた穴に落ちて。た・ま・た・ま!空いていた穴に落ちて!
「舞、今度はあれ見て。」
「嫌だ。見たくない。」
「だって、いま舞の部屋のガラスに……あーあ。」
「私の部屋!」
兎に角、今日も世界は平和ではない。
(私の……部屋のガラスにスライム的なものがべっとり……!)
(ご馳走様です。)
(ご愁傷様だろーが!)