王太子のからの婚約破棄を切っ掛けに王家の求心力低下で国家の存亡の危機に!
この作品を選んで、お読み頂きありがとう御座います。
この物語はフェイクションです。
物語中の世界観は独自の世界観で書いておりますので、法律、慣習、習慣、常識等に異質な部分が多々ありますが、其れ含めて楽しんで読んで頂きたいと思います。
エブリナ・フォン・ユーデンブルク辺境伯爵令嬢は10歳の時に行われたお披露目会を切っ掛けにして王子ラインヒッツ・ロイ・リズベルトに見初められ、王家からの強い要望で婚約が成立した。
この事を切っ掛けにラインヒッツ王子殿下は王太子となり、厳しい教育を婚約者のエブリナ辺境伯爵令嬢と共に王城で教育を受ける事になった。
エブリナ自身はラインヒッツ王子殿下との婚約を望んだわけでもなく、父である当主のエディナス・フォン・ユーデンブルク辺境伯爵も同様であり、王家との婚約はリスクでしかなくメリットが何も無かった。
ユーデンブルク辺境伯爵領は北側にルーデンブルク帝国との国境を接しており、東側には魔境レディナス大森林とも接しており、魔物や魔獣が棲まう魔の森である為に常に帝国と魔境の大森林に棲まう魔物や魔獣にも警戒しなければならない環境であった。
西側には鉱山資源が豊富なモリティス山脈があり、鉄鉱石やダイヤなどの鉱石も採掘されて貴金属加工が盛んであり、大森林があるお陰で土壌が良質で穀倉地帯でもあり、農産物の豊作が続き割と豊かな領地である。
ユーデンブルク辺境伯爵はその豊な鉱物資源と農産物で交易を行い、ルーデンブルク帝国とも上手く外交と交易を行い、皇族とも上手く付合い現当主の姉であり現皇妃ルティアンを皇帝の妃として嫁がせる事に成功した。
ルーデンブルク帝国の皇帝メディナスはリズベルト王家とは反りが合わず、交流を持つ事に難色を示している為に、ユーデンブルク辺境伯爵も王家の政治姿勢に不満を持っており、王国側より帝国側との交流を重要視していた。
そんな事もありユーデンブルク辺境伯爵は大切な娘のエブリナとラインヒッツ王子殿下との婚約の際に様々な条件を付けて婚約を認めた。
万が一にも王家やラインヒッツ王子殿下自身が娘のエブリナに対して貶める行為をし妃から側妃に格下げしようものなら即刻婚約を破棄する。
他にエブリナに対して体罰など課したり、王子妃の婚約者として必要以上に負荷をかける様な教育や執務を押付けたりした場合も婚約を破棄する。
ラインヒッツ王子殿下にエブリナ以外の女性と浮気した場合も婚約破棄の条件を付けて、その監視役として辺境伯爵家から派遣した侍女と騎士を受入れる様に王家に申し付けた。
エブリナは10歳の時から妃教育を受ける為に王都内の辺境伯爵の屋敷に一人移り住んで、日々王城に妃教育を受ける為に馬車に乗って通っていた。
王都内の辺境伯爵の屋敷には執事と侍女長とエブリナの専属侍女3人の他にメイド10人と護衛騎士が20人とその他に厨房と雑事を行う従者が20人程でエブリナを護り支えていた。
10歳の時のエブリナは銀髪碧眼の可愛いお嬢様であり、15歳を迎えた頃に美しい令嬢と成長し、性格も明るく優しいがラインヒッツ王子殿下と付き合っているうちに辛抱強くなっていく。
一方でラインヒッツ王子殿下も見た目は金髪碧眼の絵に描いた美男子の王子ではあったが、エブリナと婚約が成立して間もなくして王太子になってからは我儘に拍車が掛かり性格が歪んでいった。
王立リズベルト学園中等部まではラインヒッツ王子太子殿下はエブリナとは適度に交流を持っていたが、ラインヒッツ王太子殿下は徐々にエブリナから心が離れて行き、エブリナに会うこと事態が負担に思うようになって行く。
ラインヒッツ王太子殿下が高等部に入学してらは1年生の前半まではエブリナとは最低限の婚約者としての義務を果たすだけとなり、それ以降は殆んど交流を持たなくなった。
高等部に入学してから男爵令嬢のエミリナ・ディバインと秘かに逢瀬をする様になり、この事は辺境伯爵側も情報が伝わり、当然エブリナも知るところとなり婚約破棄に向けて動き出す。
ラインヒッツ王太子殿下は日頃から従順に従うエブリナを見て、自分に惚れ込んでいると勘違いをして、何をしても許されると勝手に思い込んで行く。
エブリナはラインヒッツ王太子殿下の事は初めから愛情も無く、ただ婚約者としての務めを果たしているだけなので特に思うところはなかった。
ラインヒッツ王太子殿下が2年生に進級してからは男爵令嬢のエミリナとの逢瀬を隠さなくなり堂々とするようになって行く。
「ラインヒッツ様、そちらの令嬢と逢瀬をしたいのではあれば、私との婚約を解消してからにしてください。宜しいですか」
エブリナは王太子の婚約者としてラインヒッツ王太子殿下に注意をする。
「煩いぞ、エブリナ、ごたごたと言うな、お前には関係ない、ただの友人だ」
「殿下の言う友人の定義はどの程度までを指すのですか、お教えくださいませ」
「エッイ、煩い、僕が友人と言えば友人なんだ。いいから下がれ」
「分かりました。ただし他の学生から疑われないように行動を慎んでください。それでは失礼します」
エブリナはどうでも好いと思いながらも務め果たす為に注意をしただけなのでラインヒッツ王太子殿下に一応は進言したとして立ち去る。
◆◆◆王城◆◆◆
エブリナはラインヒッツ王太子殿下に進言した後に王城で行われる王妃マドリンデとのお茶会でラインヒッツ王太子殿下の事について提言をする。
「王妃様、ラインヒッツ王太子殿下なのですが、男爵令嬢エミリナ・ディバイン様にどうやら夢中の様で逢瀬を大胆にも他の学生の前で致しております。一応ラインヒッツ王太子殿下には注意致しましたが改善の兆しが無ければ・・」
「何ですて!それは本当なの婚約破棄は待ってくれる。私からも注意をするから良いわね、エブリナ」
「はい、それは別段構いませんが、多分ですがラインヒッツ王太子殿下とエミリナ様の件はお父様にも情報が届いてると思います。ですから早めに対応をした方が宜しいかと思います」
「まったくあの子は何を考えているのかしら、今日はこれでお終いにしましょう」
「はい、分かりました。それでは失礼致します」
私は席を立ちカーテシーをして王妃様の部屋から退室をする。
王妃マドリンデはエブリナを見送ると、直ぐに侍女に指示し国王ユデンハイムに使いを出し早急に相談があるから時間をつくる様に伝えた。
「陛下、先ほどエブリナからラインヒッツが男爵令嬢のエミリナと逢瀬をしているので婚約破棄の手続をしても良いかと言われましたわ」
「そうか、エブリナから話が出た以上は何かしらの対応をしなければならんな、辺境伯爵が先に行動される事態は避けねばならんな」
「陛下はラインヒッツが男爵令嬢と逢瀬をしていた事をご存知だったのですか」
「あぁ、一応は報告は受けていたが、様子見をしていたがエブリナから話が来た以上はな、放置する訳にはいかんな、ラインヒッツの意思を確認するか」
「そうですわね、手遅れにならないうちに、まさかここまで愚かに育つなんて、どこで育て方を間違えたのかしら第2王子のルータナスは優秀なのに」
「あぁ、悪いがラインヒッツを呼んでくれるか」
「はい、畏まりました」
従者の一人が直ぐにラインヒッツ王太子殿下を呼びに行く為に執務室から退出して行った。
「はぁ~、ラインヒッツにも困ったものだな、まぁ、本人の意思を確認するだけで廃太子の件は伏せておこう、婚約破棄が成立するまでは良いな」
「えぇ、そうね、残念だけどあの子には一国を治められる国王の器ではないわ」
国王ユデンハイムと王妃マドリンデはエブリナとの婚約継続が難しいと判断をして、早急に決めなければ王家が傾く危険性に留意する。
「失礼します。陛下、お呼びと聞いて参りました」
「ラインヒッツよ、学園で男爵令嬢のエミリナ・ディバイン令嬢と逢瀬を重ねていると聞いたが、どうなんだ」
「えっ、誰からそんな事を聞いたのですか」
「影から報告を受けているのだ。どうなんだ」
「影から・・はい、事実です。僕は彼女の事を愛してます」
ラインヒッツ王太子は少し考えてから陛下達に本心を伝えた。
「はぁ~、そうか、それじゃ、エブリナ譲とは婚約破棄の手続をしても良いな」
「えっ、なぜですか、そんなに早急に結論を出す必要があるのですか」
「勿論だ。婚約する際の条項にラインヒッツが他の女性と恋仲になれば即時婚約破棄する条項が盛り込まれているのだ。だからこのまま男爵令嬢と逢瀬をしたいのなら婚約の破棄をするしかないのだ」
「そうですか、それではエミリナ嬢との婚約を認めて頂けるのですか」
「それは別の話だ。身辺調査をして王家の一員に値する令嬢かどうか確認してからだ」
「分かりました。それではエブリナ嬢との婚約破棄の件は進めてください」
「そうか、分かった。もう下がって良いぞ」
「はい、それでは失礼します」
ラインヒッツは執務室から退室をしてから小さくガッツポーズをとって自分の執務室へ戻って行った。
ラインヒッツは執務室に戻ると執務机の椅子に座り書類の見ながら執務を行い、面倒な案件はいつもの様にエブリナにやらせる心算で残して簡単な案件だけ見てサインをしていく。
エブリナと婚約破棄をした後で陛下に頼み辺境伯爵に命じて貰い、エブリナを側妃として迎え入れて、側妃となったエブリナに執務を押付ければ良いと安易な考えで書類仕事をしていく。
◆◆◆王都内の辺境伯爵家の屋敷◆◆◆
その頃王都との辺境伯爵の屋敷ではエブリナが王城から戻り、部屋着用のドレスに着替えて、侍女のメティナが淹れてくれた紅茶を飲んで寛ぐ。
「お嬢様、ラインヒッツ王太子殿下との婚約破棄は上手く行きそうですか」
「メティナったら私が殿下に婚約破棄されるのが楽しみなの」
「いいえ、けしてそんな事は無いですけど、ですがあの殿下ではお嬢様には相応しくはありません。このままあの殿下と婚姻したらお嬢様が不幸になるだけです」
「そうね、もう荷造りの準備を致しましょうか、もう王都にいる理由がなくなるわ、明日か明後日には婚約破棄が決まりるでしょう」
「はい、早速荷造りを進める様に皆に伝えておきます」
「えぇ、何時でも辺境伯爵領に帰れる様に馬車の手配もお願いね」
「はい、それでは早速に行動に移ります」
メティナは直ぐに他の使用人達に伝達して一斉に荷造りを始める。
エブリナは間違いなくラインヒッツ王太子が男爵令嬢エブリナ嬢を選び私との婚約破棄し側妃にすればよいと浅はかな事を考えているみたいだけど、自分が廃太子になる事など夢にも思ってないのであろうなとほくそ笑む。
紅茶を飲みながら明日以降の展開をどうするか色々と思案し、王城から呼び出しがあるまでは荷造り専念し、屋敷を引き払い王都から速やかに出る準備を進める。
エブリナは明日から荷造りしたものを荷馬車で運び出し、不必要な物は全て売却して食料を購入する様に指示し、辺境伯爵領まではどこの街にも寄らず夜営する事を伝えた。
◆◆◆ユーデンブルク辺境伯爵◆◆◆
ユーデンブルク辺境伯爵は例のバカ王太子が婚約破棄する事を前提にリズヘルト王国に忠誠を誓うに値しないと判断した、
ルーデンベルク帝国の皇帝メティナスとは既に国替えの話合いは済んでおり、王家よりエブリナとの婚約破棄が発表された時点で王家に絶縁状を届ける手筈を整えた。
それと同時にルーデンベルク帝国はリズヘルト王国と国交断絶を宣言して、一切の交流も交易も全て禁止する事を宣言する事になる。
辺境伯爵領は魔物の氾濫に対応する為にリズヘルト王国側に強固な防御壁を今まで建設を進めてきたが先日漸く完成し、リズヘルト王国軍が攻めて来ても防げるようになった。
魔境レディナス大森林が東側の王国よりにある為に何時もなら厄介な森でも領土の防衛を考えると、その時だけは役に立つので王国軍の始末を魔物達に任せればいいなとあざ笑う。
後は娘のエブリナが無事に帰って来てから絶縁状を王家に送るだけの状態にして、静かに王家の出方を伺いながら軍備を整えて置けば良いと戦略を練る。
リズヘルト王国から辺境伯爵領が国替えをしてルーデンベルク帝国側の領土になると、リズヘルト王国は一気に物資不足に陥り王国全体の経済損失は国家予算の半分程が吹飛ぶほどの損害になる。
辺境伯爵領付近に領地を持つ貴族もまた莫大な損失を被る事になり、それを回避するには王家が当てにならない以上は辺境伯爵に続き帝国側に国替えしなければならない程の影響力がある。
◆◆◆王城◆◆◆
王城ではラインヒッツ王太子とエブリナ辺境伯爵令嬢との婚約破棄に向けて動きだしたが、ラインヒッツ王太子の不義理が原因での婚約破棄なので慰謝料をどの程度まで設定して辺境伯爵側と交渉するかで時間を要した。
辺境伯爵家から王城に収められている納税額が5億ルディとなっており、王国内では断トツの1位の納税額でその他に毎年3千万ルディの王子妃支度金を払っていた。
王城内では慰謝料の額を算定にだいぶ揉めてしまい、一括で払えるぎりぎりのラインで7億ルディで慰謝料を決定したが、算定までに4日程掛かってしまった。
その翌日にエブリンは王城に呼ばれてラインヒッツ王太子との婚約破棄の書類にエブリンは直ぐにサインする前に事前に財務官から慰謝料7億ルディとだけ金額が提示されて、辺境伯爵宛てに書簡を送ると伝えられた。
財務官からの話を聞いてから、別室へ案内されてラインヒッツ王太子と面会をして、特に話さずに婚約破棄の書類にサインする。
「これでスッキリしたな」
ラインヒッツ王太子はエブリンを見てニヤついて一言無礼な言葉を投げかけた。
「はい、それでは私は失礼致します」
エブリンはラインヒッツ王太子にカーテシーをして、別れの挨拶をして速やかに王城を後にした。
エブリンはその日は王家の国王夫妻に会うことなく、ラインヒッツ王太子とだけ会い婚約破棄の書類にサインするだけと実に呆気ない別れだと思ったけど、もう会う事は無いと確信した。
エブリンは王都の屋敷に着くとラフな服装に着替えて、そのまま馬車に乗って屋敷を出発して速やかに王都を発ち、王都の屋敷の中は綺麗に何も無くなっていた。
その日の内に国王からの呼びたしを受けたラインヒッツ王太子は執務室に入ると国王ユデンハイムの執務机の前に立った。
「陛下、呼び出しを受けましたが何か御用でしょうか」
「あぁ、ラインヒッツよ、先ずはエブリン辺境伯爵令嬢との婚約破棄おめでとう。それに付きラインヒッツを廃太子とする以上だ。下がっていいぞ」
「チョット待ってください。どうして廃太子なるのですか納得できせん」
「何を言っている。お前が王太子になれたのは辺境伯爵家が後ろ盾になったからだ。その後ろ盾が無くなったら王太子でなくなるのは当然だろ」
「そんなバカな話があるか」
「何がバカだ。辺境伯爵家はな王家に対する納税額が断トツ1位の納税をしているだぞ、お前が惚れた令嬢の男爵家に辺境伯爵家以上の資金が用意できるのか」
「うっ、それじゃ、どうすれば良いだ」
「お前はもう何もするな、お前が動けば王家が滅ぶ。さもなくば男爵家に婿入りでもするかだ。何のための政略結婚だと思っているのだ。政には資金が必要だ。その為の婚約だったのだ。それを自ら放棄したのだぞ」
「陛下、僕にもう一度チャンスをくれないか、エブリンを説得してもう一度婚約させてくれ」
国王ユデンハイム辺境
「はぁ、何んと浅はかな、それこそ相手の逆鱗に触れるぞ、もうお前には人望の欠片もないようだな、もうエブリン嬢は辺境伯爵領に出発して王都には居らんぞ、もういいから下がれ」
「・・・・・」
「あっ、お前が後回しにした書類はお前の責任で処理しろ良いな、出来なければ廃嫡だ。早く処理するようにな分かったな」
国王ユデンハイムは愚かな息子のラインヒッツ王子の所業に呆れるばかりであった。
「はい、分かりました」
ラインヒッツ王子はこの時になって初めて自分の立場が危うい状況なのだと気付く。
ラインヒッツ王子はまさか陛下から『廃嫡』と言われる事態にまでなっていた事にショックを受け、エブリンに面倒な書類を押付けていた事も知られていたのにも驚いた。
まさかエブリンが婚約破棄に向けて動いていた事にも気が付かず、エブリンが自分に惚れ込んでいると勝手に勘違いしてたのかと、今さらながら自分が愚かだった。
僕の方からエブリンに婚約破棄して遣ると息巻いていたが、逆にエブリンの方が静かに僕との婚約破棄に向けて水面下で準備をしていたのかと思ったら情けなくなった。
エブリンが僕の言う事をただ黙って引受けていてくれたのは、ただ婚約者であるからであって愛情からではなく、既に見切られていたのかと今になって気付かされた。
◆◆◆王国内の貴族達の反応とユーデンブルク辺境伯爵の動向◆◆◆
王家からラインヒッツ王太子殿下とエブリン辺境伯爵令嬢との婚約破棄が発表されてから、王国内の貴族達に動揺が広がり今後の王家は大丈夫なのかと不安の声が上がり始めた。
特に辺境伯爵領の周辺に領地を持つ貴族は婚約破棄の報を知り、直ぐさま辺境伯爵様のお目通りを願う訴状が多数がユーデンブルク辺境伯爵の元に届いていた。
「辺境伯様、お目通りを願う訴状が多数届いてますが、如何なさいますか」
「あぁ、セバスか、放っておきなさい。会う心算は無いからね、会ったところで私達に益が無い、ただ何らかの無心に来るだけだろ」
「そうですな、この国の王家といい他の貴族達も都合の好い時だけ擦り寄って来ますからな、都合が悪くなった時は知らんぷりですから呆れますな」
「あぁ、王家から婚約破棄に関する書簡が届いたら絶縁状を送ってくれ、その頃にはエブリンも帰って来ているだろからな」
「はい、あと三日ほどで到着できるとお嬢様から先触れが届いております」
「そうか、ちゃんと手筈通りに此方に向っている様だな、街に寄らずに来ているから貴族達にエブリンの動きが分からんから余計なんだろうな」
「学園には退学届けを送っておりますので、時期にお嬢様の動向が知れるでしょうな」
「まぁ、他の貴族達には勝手に踊って貰えば良いさ、もう我々には関係ない事だ」
ユーデンブルク辺境伯爵家当主エディナスは既にリズベルト王国の王家と貴族達とは決別するのは確定事項であり、もうその事に関しては揺らぐことは無かった。
この時点で辺境伯爵領内の鉱山物資と農産物の取引は価格を引き上げて取引量を減らし、その分帝国側の価格を引き下げ取引量を増加させている。
3日が経過して漸くエブリンが辺境伯爵領にら到着すると、リズベルト王国側の門を閉ざし、全ての取引を禁止させたタイミングでリズベルト王国の王家に絶縁状が到着した。
「まさか本気であ奴め国替えをする気か、クッソ!やってくれたな・・」
国王ユデンハイムは考えが甘かったかと絶縁状を読み、それから絶縁状を握り潰し投げ捨て悔しがる。
その後のリズベルト王国は魔境レディナス大森林から溢れる魔物対策に周辺の領主の貴族達は今まで辺境伯爵家に頼んでいたのが、自力で行わなければならず王家に救援の騎士団の派遣を要請しても対応して貰えず、領地を渋々手放すしかなくなる貴族が出て来た。
王国内は物資不足と物価高に喘ぎ他国に救援を出しても、帝国からも国交を断絶された事がリズベルト王国の周辺国に知り渡り、帝国に目を付けられたくない国々はリズベルト王国を見切られてしまった。
リズベルト王家は何も対策が取れずに求心力を一気に失い、民達も生活困窮していき他国へ流出して行くようになり、貴族達も他国へ亡命する者も現れる始末となり崩壊が始まった。
その後は有力貴族のリハルド公爵が兼ねてり親交があるレビティア王国の支援を受けて、リズベルト王国から独立を宣言して、それに追随する5人の領地を持つ貴族がのリハルド王国の傘下に組した。
これに寄ってリズベルト王家は王都と、その周辺の領地だけの小国に成り下がり、王家の生活も困窮し嘗ての繁栄してた頃が嘘の様であり、王城内には従者の数が半分以下と減りガランと静まっていた。
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