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猛獣の墓

作者: 犍陀多

サーカスが来る。


玉乗りの熊、火の輪潜りの虎、団長と登場する象。


猛獣使いの言いなりになる。


そんなのは可哀想。


だから、私は皆が寝ているテントに忍び込み檻の鍵を開け放ち、逃がしてやる事にした。


きっと、これでいいのだ。これで自由に生きていけるから。



3匹と夜の街へ逃げて行く。

脆弱な月明かりに照らされ、濃い影を残して。

目指すは、皆が住める森へ。


森へ行けば仲間も見つかるはずだ。


テントを抜け出して、コンクリートの森を静かに歩いて行く。


堅い床の上は熊と虎の爪をボロボロに砕けさせた。

ビルとビルの間を歩くうちに象は、体に傷が出来ていた。


血まみれの手足と身体。


ふいに虎が、生まれた森へ帰りたいと泣き出した。

他の2匹も帰りたいと望んだ。


ここにはそんな場所など無い。


困った私は、考えた。


そして思いついた。

皆が幸せに暮らせる森を。



穴を掘った。

3つの大きな穴。

象の穴は他のよりもずっと大きく深く、深く掘ってやった。

とても、時間掛かってしまったけれど。


この穴なら皆の生まれた森へ繋がっている。

幸せだった時を思い出しながら3匹は、私に少しずつ土を掛けられていく。

優しく、眠りを邪魔しないようにそっと、土を掛けてやった。



そして、すっかり姿が見えなくなった。



遠い森へと旅立った3匹。


サーカスは何処かへ行ってしまっていた。


そして、いつからか私の眼から涙が零れ出していた。



初投稿作品になります。

拙い文章ではありますが、これから沢山の作品を書けるように頑張ります。

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