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第2話 完全復活?

 ここはどこだ?いや、どこであろうと言うべきことがある。

「知らない天井だ。」

 よし、言いたかったことも言えたし状況を整理しよう、座りながら顎に手を置き考える。

 俺は確か卒業式のあとに川で溺れてる子を助けようとして………溺れたのか?分からんが、とりあえず夢ではない頬をつねったら痛いし。あとここはどこだ?どこかの部屋とかではない、壁がないし。言葉で表そうとするなら明るく黒い空間だ。

「ようこそ私の名前はネイサ、これからの道を案内する案内人。」

 びっくりして声がした方を向いてみるとそこには背中から翼が生え頭の上に天使の輪っかがある美人でお尻とお胸のでかい人がいた。パッと見た感じフランス系の顔立ちをしておりいかにも天使ですって言い出しそうなフリフリ付きの白いワンピースで身をまとっている。

「そして()()()()()使()です。」

 ほら言い出した。今気づいたがこの人裸足だな、変な奴。それにあなたの天使?

「あ、あの…すみません出来れば前を隠してくれませんか?…その目のやり場に困ります。」

 前?なんの事だ?そういえば寒いな。ふと自分体を見てみた。服が…ない!俺のエクスカリバーが丸見えだ!俺は裸足どころじゃなかった!

「ファッ!」

 変な声が出てしまった。エクスカリバーを手で隠した。

「す、すいません。……出来れば布か何かくれませんか?」

「そ、そうですね、ちょっと待って貰えますか?」

 そういうと手を伸ばし変な空間から白い布を取り出した。おいおい念能力か?

「タオルです、どうぞ。」

「えっと…、ありがとうございます。」

 今起きたことは見なかったことにしよう。とりあえずタオルを体に巻いた。

「コホン、では話を戻しましょう。」

 そうだそうだ最初の話を聞いてから聞きたいことがあったんだた。

「えっと…ネイサ…さん、最初に言っていた案内人とはどういう意味ですか?」

 この案内人というのはどういった意味なのかを俺は知りたい。もしかしたら転生するための案内とかかもしれない。

「その話の前にひとつ言っておくことがあります、気づいてるかもしれませんが……あなたは死にました。」

 やっぱり死んでいたのか俺は。

「ちなみに死因は?」

「溺死です。」

 ですよねー。

「……おれが助けようとした女の子はどうなったんだ?それにケイもどうなったか教えてくれ。」

 俺が死んだってことはもしかしたら……そういうこともあるかもしれない。

 それを聞くとネイサはふふふと笑い優しい顔で話し始めた。

「どちらも無事です」

「良かったー……まじで…」

 本当に良かった……

「す、すいません、余計なことを聞いて。話を戻してくれて大丈夫ですよ。」

「ふふ、お優しいのですね。…こほん、では話を戻させていただきます。その前に、」と言い終わると同時にネイサが指を鳴らした。その瞬間机と椅子が2脚・ティーカップにティーポットが出てきた。天使だしこれくらいできるのが普通なのか?

「話が長くなると思いますので椅子を用意しました。お茶でも飲みながらゆっくりと聞いてください。」と微笑みながら語りかけてきた。なんかThe天使だな。

 遠慮なんてせずドスン!っと椅子に腰かける。

「ではまず案内人について説明いたします。簡単に説明すると、先ほども話した通りこれからの道を提示する。これが私、案内人です。道の選択はあなたにしてもらいます。ざっくりですが案内人についての説明は以上です、なにか質問ありますか?なければ案内に移ります。」

 本当にざっくりだ、だけど大体わかった。要はよくある転生モノの神様的役割か。さっさと話しを進めたいが一番最初の言葉が少し引っかかる。

「なら質問です、聞き間違いかもしれないですけど最初に言った()()()()()使()とはどういう意味ですか?」

 あー、と困った顔をしながら言いそのまま質問に答えてくれた。

「まあ隠すことでもないのでいいますけど、守護天使ってしていますか?」

「ないですけどなんとなくは分かります、守護霊の天使バージョンってことですか?」

「まあそんなもんです、説明が面倒なので今度しらべてみてください大体似たようなものなんで。」

 調べてくださいって言ったって俺死んでんすけど…まあいいやどうせ死んでるんだ気にしたってしょうがない。俺はお茶を飲み干し質問はもうないことを伝えた。

「では案内に移ります。」

 そういうとこの空間が白くなる。目が死にそう。目を細めているとネイサが話し始める。

「あなたがこれから歩める道は一つです。」

 歩める道は一つか………ん?一つ?

「現世に帰ってもらいます。」

「ちょ、ちょっと待ってください、いろいろと混乱してるんで。」

 現世に帰る?それにあの言い方強制っぽくないか?

「…俺に選択させるんじゃないんですか?」

 疑問をぶつけてみる。

「それは複数道がある場合です。あなたは一つしかないので確定しています、つまり選択の余地などないのです。」

「マジかよ……」

 結構落ち込んだ、言い方というものがあるだろ。

「落ち込まないでください、私みたいなのがついてるだけでも宝くじが当たるより奇跡なんですから。」

「そうなんですか?」


 ジリジリジリジリ!!


 いつのまにか机の上に置かれた時計が鳴る。

「あ、そろそろ引き上げられたみたいですね。ということで何も聞かずに現世に帰ってください。」

「えちょまっ!」

 止めようとした瞬間感じたことのない頭痛とめまいに襲われた。

「あ、言うの忘れてましたけど生き返るのもただじゃありません!副作用として見えないはずの生き物が見えてしまいます。なので……」

 最後の最後に大事なことを言われた気がする、それに最後なんて言ったんだ?何も聞こえな……



「がはっ!げほっげほっ…ここは?」

「マサキ!心配したんだぞ!死んだかと思って!」

 目の前には泣きそうになって俺の肩をつかんでいるケイがいた、ということは「戻ってきたのか。」

「お前何言ってんだ?」

 思わず安どの声が漏れていたようだ。

「なんでもな」

 俺の声を遮るように俺の体に何かが抱き着く感覚があった、驚きながらも視線を向けると俺が助けた子が抱き着たいていた。

「ぐすん……たすけてくれてありがとう……」

 一回死んだけど女に胸を貸せたなら儲けもんか、近づいてくるサイレンを耳に入れながらそう心の中でつぶやいた。




「七森マサキ……」

 そうポツリとつぶやいた少女は橋の上で救急隊員に連れていかれる七森マサキをただ眺めるのだった。

受験がようやく終わりました、一応志望校は受かりました!

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