第1話 俺死んだ?
みんなは自分についてどれほど知っているだろう。めっちゃ知ってると言う人もいるだろうし、全く知らないと言う人もいるだろう。
俺の場合自分のことをよく知っている、面白くなく、性格も終わってて、顔も良くない、そのせいで陰キャ生活だ。たがそんな生活も今日で終わる、なんてたって今日は
卒 業 式なんだから!
考え深いものもあるが陰キャの俺にとってはこれ以上ないハッピーうれぴーな日だぜ。
そんな事を考えながら登校していたら、
「おっはーマサキ」
後ろから陽気な声でそんな言葉が聞こえた。後ろを見たら俺の数少ない友達の愛田 圭介がいた。
「おっはーケイ」
「お前気持ち悪なんでそんな笑顔なんだ?そんなに俺のことが好きなのか?」
引き気味に言われた。どうやら嬉しすぎて感情が溢れ出していたようだ。
「んなわけないだろ、そんなBL展開誰が望むんだよ。ただ今日卒業出来ると思うとつい嬉しくなって、」
「顔が歪んでんのか………あ、顔の歪みは元からか。」
「おい!さりげなく俺に悪口を言うな!」
怒りつつツッコミを入れた。まぁもう慣れたがな。
「でもまぁ、わからん訳でもないな。俺も卒業式は楽しみだからな。」
訳を聞いてほしそうな感じで呟いてきた。こういう時のケイの対処法はこうだ。
「………………」
無 視 だ!!!
「あのーすみませんマサキさん、なにか察して黙りましたよね?お願いですから訳を聞いてください。」
そう言うと頭を下げ頼み込んできた。しょうがないな。
「はぁー……なんで楽しみなんだい?」
面倒くさそうに質問してみた。そうするともごもご文句を言っていたがそのまま質問への回答をはじめた。
「俺たちのクラスは3年1組、さらに俺は出席番号1番。言いたいことは分かるな。」
そういえば卒業証書授与の時1番最初だったような……。よし、話をそらそう、うざいし。
「そういえば、妖怪伝説サービス終了するらしいじゃん。」
「おい話をそらそうとs……いまなんて……妖怪伝説がサ終するって……言ったのか?」
「ああ、なんでも人によってキャラの排出率が違ったとかなんとかで炎上して」
その瞬間ケイが膝から崩れ落ちた。目の前が真っ暗になったようだ。仕方ない背負っていくか。これはきつい、周りの目が。
20分後
いやキツかったな。特に周りの目が、ほんとに。途中から寝やがってこれは貸し5だな。
そんな事を考えながら椅子にケイを座らせた後に、自分の席に俺は座り顔を伏せた。
5分後
━━━━━━うるさい。せっかく寝ていたのにケイの周りに人が増えてきた。ケイの席は二個右の席、そこに人が集まると相当うるさい。そしてケイはまだ寝てる。とりあえず無視だ。
「なぁあいつの名前なんだっけ?」
俺のことか?いやいや陰キャあるあるの周りの声が全部俺の悪口にきこえるやつだな。
「いやぁー知らんな。愛田なら仲良さそうにしてたし、知ってるんじゃね。てかなんで今更そんなことを?」
「いやクラス全員の名前覚えようとしてる俺かっこよくね。」
顔は伏せていて見いないが多分ドヤがで言ってる。意味わかんないしかっこよくねぇよ。
そんな会話を聞いてたら学級委員がやってきて、もうそろそろ体育館前に集まっておいて的なことを言ってた。それを聞き俺はスッと立って教室を出て体育館へ向かった、後ろから「あいつ起きてるじゃん」という声を聞きながら。
そこからは特にめんどくさいことも無く卒業式が始まった、入場して国歌歌って卒業証書授与そっから寝てて記憶が無い、気づいたら周りが泣いてて気まずかったから一緒に泣いた。その後校歌歌って退場。
さてこれからがめんどくさい、最後のホームルームで親やクラスメイトに一言感謝を述べるクソゲーが始まる。
俺親来てないからクラスメイトに一言確定なんだよな。前のやつパクろうとしてんのに誰もクラスメイトに一言言ってない。なんで?いや、おかしいだろ。そうこうしている間に俺の番が来てしまった。こうなったらアドリブだ!
「あーえっと3年間あ、いや1年間同じクラスで、えーっと…楽しかったです。ありがとうごさいました。」
しばらくシーーンっとしてたけど、うん1000万点。ちなみにその後のヤツらの一言言うやつひとつも覚えてない。
その後無事最後のホームルームも終わり卒アルが配られて解散。俺は即帰宅。それでは皆さんバイならー。
いつもの帰宅道で帰っていた。ここを通って帰るのも今日で最後か……。ふと卒アルが気になったので見てみることにした、修学旅行の写真や体育祭の写真色々あった、最後のページは真っ白だった。なんでだっけ?あ、そうか最後のページはみんなになんか書いてもらえるページだったわ。そうだそうだったわ、……………………泣けてきた。いっその事川にでも捨てるか、ちょうど橋の上だし。冗談だけど。
そんなことを考えていると大きな声が聞こえた、橋の下から声が聞こえる。
「助けてー!助けてー!」
嫌な予感がした。急いで橋の下に向かった。橋の下には多分小学生が3人川の外に、1人は溺れかけていた!
嫌な予感が的中した。
「どうした!」
「助けてお兄さんお願いこのままじゃナツが死んじゃう。お願い助けて!」
小学生は泣きながらそう言った。
「分かった、その代わりそこで待っとけ。後で説教な!」
できるだけ笑顔で言った。こうは言ったもののどうするか、普通に泳いで行くしかない。
とりあえず荷物を置いた。あ、これ小学生達に渡しとくか。スマホを小学生に投げながら
「それで警察とか色々電話しろ、任せたぞ。」
と言った。
さて、覚悟は決めた。あとは川に飛び込むだけだ!
ザップンー!
冷たい冷たい冷たい冷たいまじ冷たい!とか考えてる暇は無い早く助けに行かなくては。
「意識をしっかりさせろよ絶対俺が助けるから。」
子供にそう声をかけた、とは言ったものの俺水泳の授業で大の字しか出来なかった負け犬だぞ、今年の夏に平泳ぎ覚えたばかりだ。水をかき分けながらそんなことを考え寒さを誤魔化そうとしていた。だんだん近ずいて来てはいる、でも俺が子供の元に着く頃には子供の体力は多分尽きている、だったらもっと早く泳がなくちゃいけない。
「あと少しでお兄ちゃんが助けに行けるから耐えとけよ。」
そう声を掛けつつ泳ぐスピードを上げた。足に少し違和感を覚え始めているが気にせず泳いだ。そしててを掴めた。
「よっし、大丈夫か?」
「うわああああん、死ぬかと思ったよー」
泣きながらそう言った。
大丈夫だ元気なようだ、だが問題が生じた俺の足が思うように動かない、体が冷えて思うように動かない、ヤバいどうにかしないと子供の手を掴んだ意味が無くなる。どうしよう何も思いつかん。足もホントに限界だ、今浮いてるのは奇跡だ。
「ごめn」
ザップンー!
謝罪しようとした時になにか大きな音がした、音の方向を向いて見るとそこにはケイがいた。なんでケイがここに?
「なんでこんなところにいるんだケイ!」
「お前を探しに来たらなんか川が騒がしくて、川を見てみりゃお前が川を泳いで多分子供を助けようとしている光景が見えたから飛び込んだ」
焦りつつそう言った。なんで探しに来たんだ?いや今はそれどころじゃない。
「じゃあ状況は大体分かるな早くこの子を連れて川から出ろ」
「出ろつったてお前もう限界だろお前見捨てて行けるか」
バレてたか。だけどケイを川の外に出させないとこの子が死ぬ。
「お前俺とこの子を抱えて泳げるのか?無理だろ…今日の朝のこと覚えてるか、お前を背負って学校に行ったこと、その時の貸しをなしにしてやるから俺の言うことを聞いてくれ頼む。」
結構な早口で言った。聞き取れたかな?
「くそ、分かったよ、死ぬなよマサキ!」
そう言い残して川岸へと向かってた。
俺は正直もう無理だ、力が抜けてくどんどん溺れていくのが分かる、声が出ない腕も動かない、さっき声出したので全て使い切ったもう死ぬのが分かる、アイツらの声がする、なんて言ってるか分からないけど多分心配してる声だ。すまんな、でも…最後……に…やってみたかった……やり取り……でき……て、
「はっゲホッゲホッ、………………どこだここは?」
気づけば何も無い部屋に俺はいた。
初めての物なので少し違和感があるかもしません。ご了承ください。アドバイス感想等是非お願いします。