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一線  ~譲れないもの~  作者: 醍醐潔
第二部 幸子とジョン
30/99

2-7 世の中、金だよね


私も『特待枠』狙いで受験したケド、特待生にはナレナカッタ。それでも合格は合格じゃん。嬉しかったよ。


入学後に知ったんだけど、特待枠に入るのは入試成績上位五名。ココまでは良い。問題は合格するのは上位二十五名で、残り十五枠は世帯主の年収額で決まるんだ。




「世の中、金だよね。」


ハァ。


「クゥ、ワン。」 ソンナコトナイ、サチコガンバッタ。


「ありがとう、ジョン。」


なぁでナデナデ。






日本一の金持ち学校だ、いろいろ有るのだろう。それにしても露骨だな。


そういえば『鬼丸』の子会社、口を揃えて『依頼者の大半が、子女を荏原えばら学問所に入れてる』と言っていたな。アレ、自慢だったのか。



鬼丸グループ売上二位は永田町御用達、昭和中期創業の『山王社さんのうしゃ』。鬼丸グループ売上三位は昭和初期創業、『怨霊組おんりょうぐみ』。鬼丸グループ売上四位は、江戸後期創業の『八丁堀はっちょうぼり』。揃ってタップリ搾り取る。


売上一位の元締もとじめ、『鬼丸』がアレだからな。当然と言えば当然だろう。揃って『私怨による返報代行業』で届けてるし、迫力満点だモンね。






「コホン。そろそろ良いかな。」


「ハイッ。」


幸子は正座、ジョンはお座りしてキリッ。


「佐藤家は江戸初期から名古屋で商業高利貸と商業を営み、明治維新後に銀行を設立。貿易、工業にも進出したが敗戦後、解体された旧財閥。再起を図り成功した資産家で、複数の不動産を所有。都内とは思えないホド広大な敷地に、複数の屋敷が建っている。本屋ほんおくに社長一家、別棟に会長一家。本屋の近くに建てられた家に、契約書を交わした愛人一家が暮らしている。」




佐藤 みのるの愛人その一、銀座で美容クリニックを経営している江口 愛美(まなみみつるは公立高校三年生、男子。


愛人その二、銀座で小料理屋を経営している小川真樹。まことは公立高校一年生、男子。


愛人その三、銀座で高級クラブを経営している上野 啓子けいこきよしは公立中学二年生、男子。佳子よしこは公立小学六年生、女子。


愛人その四、銀座でブティックを経営している井上 明美(あけみ。出産予定ナシ。




「正妻との間に生まれた子は四人とも、幼稚部から荏原学問所に通っている。長男のたけしが十七、次男のまさるが十五、三男のさとしが十三。長女のめぐみが十一歳。纏めると上は十八、下は十一と毎年、生まれてマス。」


うわぁぁ。


「本屋に居場所が無い智は頻繁に、祖父母が暮らす別棟を訪問。愛人が暮らす使用人寮、通称『秘密の花園』を訪れるのは稔だけ。」


でしょうね。


「どうだろう。寿命が残っている佐藤智クンの体に入って、生きる気になったカナ?」


パチクリ。


「考える時間・・・・・・なさそうですね。」


アハハ。






「ジョンと離れたくアリマセン。」


だから、ごめんなさい。


「わかった。なるべく早く、新しい体を見つけるよ。だからジョン。幸子さんと共に、智クンの体に入ってくれるかい。」


「ワン。」 ハイッ。


幸子のそばに居られるなら、良いヨ。


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