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一線  ~譲れないもの~  作者: 醍醐潔
第一部 悪因悪果
12/99

1-12 ですよね


半妖とはいえ不死身の妖怪。処分法は限られる。


窆氶寺へんじょうじに呼び出し浦見、ほたる燃旗もえぎが一線を引き浄化。回復する前に最大火力で『強化葬』。コレしか無い。




「その前に協力者を締め上げ、秘密や悪事を白状させなければイケマセン。鬼手が足りなければ、ん。皆さん、どうされました?」


妖怪対策室の愉快な仲間たち、揃って真っ青。


青白あしろさま。生き残った人間は皆、心的外傷により精神崩壊寸前です。ず、そちらを。」


「わかりました。」




青白は『精神的外傷に苦しむ人を救う』ため、『赤目あかべ』を結成した妖蛇。桃山時代から今まで、多くの人を救ってきた。




「生きにくい世の中ですが、現実からは逃れられない。それでも逃げてしまいたくなる。そんな時代なのでしょうね、今は。」


記憶をザッと確認してから、百鬼夜行の記憶を消去。


「生き残りに協力者は居ません。目を覚ます前に全員、新宿中央公園へ運び込みましょう。」


新宿御苑は有料だが、新宿中央公園は無料。記憶が飛ぶまで飲んで、気が付いたら公園で寝ていた。という事にすれば良い。


「鼠取りの状況は。」


「大きいのが三匹、掛かっています。」


キリッ。


「・・・・・・それってドウなの。」


「ですよね。」


三稜草みくり諸且もろまさが見合い、フゥと息を吐く。



職場の天井裏で鼠ん運動会、開催チュウ。



「御狐サマに捧げ、サクサク送って頂こう。」


「はい、室長。」






新宿中央公園がある場所は、かつて熊野神社のもりだった。って役所屋上のやしろから、木立の中に物を送る事が出来る。


勿論もちろん、守衛妖狐へ貢物を捧げるのを忘れてはイケナイ。



新宿の妖怪対策室は旧館内にあるので、控え目に言って襤褸ぼろい。机の引き出しに菓子を入れたまま帰宅すると、かなりの確率でかじられマス。






「ねぇハラスー。」


「なぁに、朱里あかり。」


「連行されたヤツら、旅行者だったよね。ナンデあの半魔、何度も入国できたんだろう。」


「分からない。けど国内、都内に隠れ家があるのかも。」


「妖怪出入国記録を調べよう。」


「霞が関だね。」






人間と同じように入国しても、必ず妖力探知機に引っ掛かる。その妖力は記録され、霞が関に自動転送されるので誤魔化せない。


霞が関離宮の地下に入れるのは、隠り世認定企業の正職員のみ。出入国記録を閲覧できるのは神、神使、代表者であるおさ、その同伴者。






鳴海社なるみのやしろの神使、ハラスーです。妖怪出入国記録を見せてください。」


キリリ。


一九屋いくや丁稚でっち、朱里です。」


職員証を兼ねている、鳴海守なるみもりを提示してニコリ。






鳴海守は鳴海社の境内けいだいに植えられている藤のつる、葉、花、さやから作られた特別製。


横3㎝、縦5㎝。通し番号つき契約者限定、譲渡不可の逸品。所有者を害そうとする存在を捕縛し、外部との接触を遮断する。



社務所で授けられる御守り、『鳴海社守袋なるみのやしろまもりのふくろ』や『鳴海社守札なるみのやしろまもりのふだ』とは別物。


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