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一線  ~譲れないもの~  作者: 醍醐潔
第一部 悪因悪果
11/99

1-11 一致しました


立ったまま作業していた諸且もろまさが椅子を引き、ポスンと座ってマウスをカチカチ。



「一致しました。添付されていた闇はオハイオ州出身、デズモンド・リッパー三十五歳。前科三犯と一致。この男、エクソシストの末裔です。」


「何をヤラカシタんだ。」


室長、三稜草みくりが問うた。


「初犯は歌舞伎町、再犯は秋葉原で女性従業員を暴行。累犯は先日の百鬼夜行で、複数の女性を暴行。いづれも死体が無いため、こちらに。」


「確信犯か。で、仕置したのは。」


後来屋こうらいや野晒組のざらしぐみです。ん、何でコイツ生きてんだ。」


と言いながらスクロール。






野晒組は江戸時代中期創業の老舗。


道聴寺どうちょうじ系列だが、念仏を唱える事はない。心臓を抜き取り、握り潰して始末する。



『依頼主が子なら金子きんすを取らず、まとの所持金を根こそぎ奪う』『的が被っても頂くモノは頂く』『シッカリと裏取りし、偽りが有れば依頼者を消す』事で有名。






「あぁ、半妖か。」


諸且が言い捨てた。


光闇こうあんさん確か、これから佐吉サンに会うと言って出たな。」


「はい。後来屋は厲嚮寺らいこうじ系列、野晒組は道聴寺系列。『お茶でも飲むのかな』と思いましたが。」


「デズモンド・リッパーは一体、何の混血だ。」


「狼男です。『月を見ても狼に変身シナイが、内面は邪悪で色魔しきま』と有ります。」


「最悪じゃないか。」


三稜草が頭を抱える。




後来屋も野晒組も、的をキッチリ仕置した。なのにデズモンドは生きている。心臓が止まっても、抜き取られても死なない理由は一つ。




「不死身の半妖となると『悪太郎』『一九屋いくや』『歯臼上等はうすじょうとう』『もつ屋』の四社に依頼するしかアリマセンね。」


「悪太郎サンと一九屋サンは、受けてくださるでしょう。けれど・・・・・・。」


「そうだな。浄化能力を持つのは、どちらも裏方。いや、裏ボスか。」






清掃屋『悪太郎』は裏、おさ鴉塟あそうおもては奥多摩にある古刹こさつ窆氶寺へんじょうじの住職。引退した死神でもある。



仕置屋『一九屋』は裏、長は浦見。表は鳴海社なるみのやしろの主神で、強い浄化能力と神通力を合わせ持つ。



裏取屋『歯臼上等』は裏、長は骨喰ほねばみ。表は憑払社つきばらいのやしろの主神だが、大家命令で神様になったダケ。


ほこらの司、ほたるは御隠れ遊ばした螢火神ほたるびのかみより、『祓い』『清め』『しるべ』の力を賜った元、使わしめ。憑払社の大家で、歯臼上等の裏ボスでもある。



仕置屋『もつ屋』は裏、長は餅田。表は月乃社つきのやしろの主神だが、裏方に徹する社の司、燃旗もえぎには頭が上がらない。


燃旗は八幡村にあった『八幡社やはたのやしろ』のめかんなぎの娘として誕生。イロイロあって鬼と人から崇拝され、清めの力を得たが神では無い。






「私からも、お願いしてみましょう。」


青白あしろがニッコリ微笑んだ。


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