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最後の晩餐

作者: 雉白書屋

 ――バリッ。むしゃむしゃ、ガツガツ、バクバク、もりもり、しゃきしゃき、ボリボリ、ゴキュゴキュ、もぐもぐ、シャクシャク、カリコリ、サクサク、パクパク、パリパリ、ザクザク、ポリポリ、コリコリ、バリバリ、ガブガブ、もっもっ、クチュクチュ、ごくごく、ごっくん、ズルズル、くちゃくちゃ、じゅるじゅる、ぴちゃぴちゃ、ぐちゃぐちゃ、ぼたぼた、たらたら、ぼろぼろ、ゴボゴボゴボ…………



 最後の晩餐。聞き覚えがあるだろうそれは有名な絵画及び、刑務所の制度。

 死刑の前の最後の食事。囚人は希望の食事を記した注文書を提出。刑務所側はその希望を叶えるよう努力するという決まりがある。

 そして、ある死刑の前の最後の食事の時。

 出されたその料理が食べ終わるまでは刑が執行されないと考え、ただひたすらにお代わりを要求し、食べ続けた死刑囚がいた。

 一品とは決まっていなかったこと、要求を叶えてやるというのを逆手に取ったつもりである。無論、誰の目にも悪あがきにしか映らないだろう。そして、その結果は……。




「……死んだな」

「ふふふ、はははははは! いやぁ、こいつも腹パンパンでまるでフォアグラだ! ははははは!」

「はははっ。来週はあいつにしよう。あのクソ生意気な新入り」


 とある死刑囚の思い付きから誕生したその『最後の晩餐』

 現在。看守に食べ続けることを強制され、口に無理やり食べ物を詰め込まれる囚人は決まってこう言うのだ。


 もう殺してくれと。

 

 しかし大抵、窒息死。そして事故として処理される。

 残酷だ、と死刑制度が廃止になった今、元々は慈悲の心から始まったはずのその制度は少し形を変え、ひっそりと続いている。

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