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しろクロ  作者: 月冴
19/20

File.18 手紙の思惑

その後、クロ君はオーナーさんの残した手紙を見つけました。


「ねぇ、クロ君。なんて書いてあったの?」

「…あんまり言いたくない」


クロ君は少し俯いてそう言う。


「私はクロ君の助手なんだよ! 隠し事はもうやめて!」

「……」


それでもクロ君は口を固く閉ざしている。

本当に言いたくないんだ。


でも、


私はクロ君の傍まで行くと、クロ君の頬めがけてビンタする。

愛祢ちゃんは目を見開いて驚きの表情を浮かべていた。


「何を言いたいか分かる?」

「うん…でも言いたくない」

「クロ君!!」


私はもう一回ビンタする。

手が痛い、胸も痛い、心が軋みそうだ。

そしてクロ君の頬は赤色に染まっている。


「言いたくない」


凄い頑固な人、でもその眼を見ると私は諦めるしかなくなった。

クロ君の眼は絶対的な決意を私に伝えたから。


「…少し出かけてくるよ」


クロ君はそう言って、引出しからシルバーのブリーフケースを取り出して出かけた。


「…クロ君」


私は引きとめることも、声をかけることもできずにクロ君を見送った。




それから愛祢ちゃんに少し怒られて、そのすぐあと、あの人がやって来た。


「やぁ~ 元気してるかい? お譲ちゃん方」

「刑事さんですか」

「なんだオジちゃんか」

「なんだい? この空気。めちゃくちゃ居ずらいね~」

「だったら帰ってくださいよ」

「お譲ちゃんがきっと喜ぶ情報を持ってきたんだけどな~」

「どんな情報ですか?」


私がダルそうに聞くと、刑事さんは私と向かい合う形で座り、ニヤリと笑みを浮かべる。


「クロがなんで君に内容を放さなかったかって情報だよ」



「教えてください!!」

「ノッノッノッ。ただじゃー 教えられないな~」

「お金なら後でちゃんと用意しますから!」

「お譲ちゃんからお金は巻き上げないよ、ただ一つ約束してほしい」

「わかりました、だから早く話してください!」

「そう慌てなさんなって、ちゃんと話すから。

 クロはね。暗殺を頼まれたんだよ」

「暗殺? 誰の」

「君のお父さんさ」


私は唖然とする。

だから、だから話したくなかったんだ。


「止めに行かなきゃ!」

「ちょーっと待った。約束まだ言ってないだろ?」


勢いよく立ちあがった私を刑事さんは止める。

気が急いでいる私は苛立ちを隠す事は出来ず、


「早く言ってください!」

「止めに行かない事。ってのが約束さ」

「そんなの無理です!」

「でも約束だろ? もう話しちゃったし」


この人は何を考えているんだろう。私は正直そう思う、

今、私のポディションに違う人が居ても私と同じ行動をするだろう、

なのに、この人は何を考えてるんだ!

私の起こす行動くらい刑事さんなら簡単に想像できるだろうに。


「私は……行きます!」


刑事さんの静止を蹴り、私はクロ君の後を追いかけた。

短くてすいません。

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