フォースナイト、見参!?
とてつもなく厨二臭いタイトルで申し訳ありません!
ここは東京都にある市立海南高校。俺、三澤黒斗は今日も平和な日常を送っている。が、今世の中はとても物騒な状態にある。なぜならば、突如モンスターと思われる生き物が日本に出現するようになったからだ。2032年に突如出現したモンスター、通称フォースナイト。騎士のような見た目に反して、彼らは市民を襲ったり、建物を破壊するなどのことをすることから偽りの騎士という意味の名を与えられたらしい。
日本にとって彼らは国や市民を脅かす脅威でしかない。そこで政府は、彼らを倒すため、一度自衛隊を出動させたが、自衛隊員の努力むなしく、自衛隊はただ1人を残して全滅した。
しかしその後、彼らは今までの暴徒が嘘だったように、突如として消えたのだ。正確には、消えたのではなく、地下深くに潜ってしまったのだという。そのため、いつ現れるか分からない状態にあるのだ。とても危険だが、出てこないため仕方ない。
そのため政府も動けないのだ。
これは国民から見て恐ろしいことだ。いつ来るか分からない恐怖に毎日怯えなくてはならないのだ。またそれを対策出来ないのがまた怖い。自分たちがいつその犠牲になるかも分かったものではないのだから。
そんな中、俺はそんなのを気にせずに生活していた。周りからは危機感ないなと言われるが、いつ来るか分からない恐怖に怯え続けるのは精神的になかなかキツイのだ。そのため俺は周りとは馴染めずにいた。クラスでも会話はするが、一人だけ雰囲気が違うといった感じだ。(決して仲が悪いわけではないのだ。)
今は休み時間で、俺はこの日もとある生徒と話していた。
「おい啓太、昨日の雑誌見たか?」
「いや、まだ買ってすらねーけど。なんかやばい情報でもあったのか?」
「そうなんだよ、あの騎士のいるカフェがアニメ化するらしいぞ」
「まじかそれ!?やばいな!」
「そうだろ?」
彼の名前は早川啓太。俺のただ一人の親友と呼べるやつだ。お互い小説が大好きで、作家も目指している。
「でもさ、最近また一段と物騒になってきたよな」
「まさしく小説の世界だもんなぁ」
「そうだなぁ」
そう、これが今の俺たちの日常。しかし、俺たち以外の奴らはそうじゃない。毎日毎日、何回話したのかという位、フォースナイトについて話している。現状、いつどこに現れるのか分からないのだから仕方ないのだが。そんなことを話している内に、もう始業のチャイムが鳴りそうな時間になった。お互いの席に戻り、チャイムを待っていた。そして俺が席に着いた、まさにその時だった。とてつもない轟音と煙と共に、教室の窓がいきなり割れたのだ。あまりのことに誰もすぐには反応出来なかった。しかし、煙が晴れて、見てみると、なんと人が転がっていた。それも、アーマーのようなものを着ている。何事だと考えたが、その答えはすぐに分かった。アーマーを着た男の前には、鎧を着た人がいたのだから。そう、彼の目の前にはフォースナイトが立っていたのだ。
「キャァァァァァ!?」
生徒や教師はそれに気づくと、一斉に逃げようとした。が、フォースナイトがそれを許すはずはなく、ビームのようなものを放ち、教室のドアを破壊してしまったのだ。ここまでなら良かったのだが、なんとドアのあった場所がそのドアのガレキで埋まってしまったのだ。これでは脱出するすべもない。しかしその時、あのアーマーを着た男にフォースナイトが襲いかかった。アーマーを着た男はどこからか武器を取り出して戦っていた。が、数分も持たずして、彼の腹深くに突き刺さった。
「ぐはぁ!」
男は剣の刺さった場所から大量の血を流していた。そして彼の纏っていたアーマーは、消滅と表現するのが正しいのだろう。どこにも残骸は見当たらなかった。フォースナイトはそれを見て男と戦うのに飽きたのか、はたまたもう男は戦えないと理解したのか、今度は教室にいた生徒達に襲いかかった。生徒達はとても怯えている。俺も、今までに感じたことのない恐怖に苛まれた。そしてフォースナイトは親友の啓太に目を向けた。彼に近づこうとしていた時だった。
「き…君ぃ…ちょっと…いい …かな?」
と、俺の後ろから声が聞こえた。振り返ると、声の主は先程、腹に剣を刺されたはずの男だった。彼は今にも途切れそうな声で、俺に語りかけてきたのだ。
「君が…この力を…俺の代わ…りに…あいつを倒す…力を…使って…くれ。」
男はそう言って、俺に機械と思われるものを託したのち、意識を失った。俺はこの瞬間、男は死んだのだと確信した。そして俺は、男から渡されたこの機械がなんなのかもよくわからなかった。それについてはあとで考えようと思ったその時、
「うわぁぁぁぁぁぁ!?」
啓太が大きな悲鳴をあげた。彼は襲われそうになったため、移動して逃げていたんだと思うが、周りを見てなかったのだろう。自分が壁際に追い詰められていることを知らなかったのだ。そして彼は今、どこにも逃げられずにいる。気づいた時には、俺の体は動き出していた。それは衝動的なものだった。
「けいたぁぁぁ!」
しかし、少し遅かった。俺が走り出した直後、啓太の体に斜め線が刻まれ、そこから血が全身から溢れ出した。