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ストロンとカイン

作者: kouto
掲載日:2014/12/10

 ある()(わる)いドラゴンがお(しろ)()んでいるきれいなお姫様(ひめさま)をさらっていきました。王様(おうさま)はお(しろ)(ちか)く、(まち)()(みんな)にお姫様(ひめさま)(たす)けて()しいと(ねが)いました。

 王様(おうさま)(ねが)いを二人(ふたり)兄弟(きょうだい)()()けました。(あつ)(こころ)()った力持(ちからも)ちなストロンと(やさ)しい(こころ)()った器用(きよう)なカインです。

 二人(ふたり)(よろい)()(けん)()つと、(わる)いドラゴンがいる洞窟(どうくつ)へと()かいました。洞窟(どうくつ)へは(けわ)しい(やま)()え、(ひろ)草原(そうげん)()えた(さき)(ふか)(たに)(そこ)にあります。


 (まち)から(ある)いてきた二人(ふたり)はまず(やま)(ふもと)へとたどり()きました。二人(ふたり)(やま)()こうへ()くために(やま)(のぼ)ります。

 (やま)(のぼ)途中(とちゅう)二人(ふたり)()によりかかるようにして(すわ)っているおじさんに出会(であ)いました。おじさんのすぐ(よこ)にはたくさんの(ふくろ)があります。(ふくろ)(くち)から()()があるのが()えました。

 おじさんはふぅふぅと(いき)()らしています。(つか)れているようです。

「お二人(ふたり)さん、ちょっといいかね?」おじさんは二人(ふたり)(たず)ねました。

「どうしましたか?」カインが老人(ろうじん)()(かえ)します。

(わたし)一緒(いっしょ)にこの(ふくろ)(やま)(ふもと)にある(むら)まで()って()ってくれないかね?」おじさんは二人(ふたり)にお(ねが)いします。(やま)(ふもと)()くには(やま)(もど)ることになります。

(おれ)たちは(やま)()こうへ()ってお姫様(ひめさま)(たす)けなくてはいけないんだ」ストロンはそう()いました。

(わたし)はこの(ひと)一緒(いっしょ)(ふくろ)()って()くよ。(さき)()ってくれ」カインはそう()いました。

 カインの言葉(ことば)()いたストロンは(わか)れをつげて(やま)(のぼ)っていきました。

 ストロンを見送(みおく)るカイン、(かれ)はたくさんの(ふくろ)背負(せお)っておじさんと一緒(いっしょ)(ふもと)へと(ある)いていきました。


 (やま)(のぼ)っていたストロンの(まえ)(おお)きな(いわ)がありました。(おお)きな(いわ)(みち)(ふさ)いでいて(さき)へと(すす)めません。

 しかし、力持(ちからも)ちのストロンは(いわ)(すこ)しずつ(うご)かして(まえ)(まえ)へと(すす)んでいきました。

 やがて(やま)頂上(ちょうじょう)にたどり着き、ストロンは(やま)()こうへと降りていきました。

 ストロンが(ひろ)草原(そうげん)(まえ)まで()ると(うし)ろから(かれ)()(こえ)()こえます。

「おーい、ストロン」それはカインの(こえ)でした。

(おどろ)いた。どうやってそんなに(はや)くここまで()たんだ?」ストロンはカインに(たず)ねます。

「あのおじさんをふもとまで案内(あんない)したら近道(ちかみち)(おし)えてくれたんだよ。(かれ)(やま)(こと)()()っていたんだ」カインはそう説明(せつめい)しました。

「また一緒(いっしょ)()けるな」ストロンは草原(そうげん)指差(ゆびさ)します。

「ああ、一緒(いっしょ)()こう」

 ストロンとカインは二人(ふたり)草原(そうげん)(ある)(はじ)めました。


 草原(そうげん)(ある)いている途中(とちゅう)二人(ふたり)馬車(ばしゃ)()った(ふと)った(おとこ)出会(であ)います。馬車(ばしゃ)()まっていて、(うご)きません。(うま)(あせ)(なが)し、ヒュー、ヒューと(いき)()らしていました。

「そこの二人(ふたり)、ちょっと()て」(ふと)った(おとこ)二人(ふたり)()()めます。

(なに)かご(よう)でしょうか?」カインは()(かえ)します。

「あっちの(ほう)(むら)がある。そこから(みず)()ってこい」(ふと)った(おとこ)指差(ゆびさ)した方向(ほうこう)二人(ふたり)()方向(ほうこう)(べつ)方向(ほうこう)です。

(おれ)たちはお姫様(ひめさま)(たす)けなくちゃいけないんだ。そんな(ひま)はない」ストロンは()いました。

(わたし)(みず)()ってくるよ。(うま)可哀想(かわいそう)だ」カインはそう()いました。

 二人(ふたり)はまた(わか)れます。

 ストロンはドラゴンの洞窟(どうくつ)(ほう)(ある)いていきました。

 カインは(むら)(ほう)(ある)いていきました。


 (ひろ)草原(そうげん)をストロンは(ある)(つづ)けます。()()れて、(よる)になっても(ある)(つづ)けました。

 (くら)草原(そうげん)(なか)にきらりと(ひか)るものがたくさん(あらわ)れました。

 ストロンは(けん)()きます。

 (ひか)るもの、それは(おおかみ)()でした。いつの()にかたくさんの(おおかみ)がストロンを(かこ)んでいます。二十匹(にじゅうひき)はいます。

 たくさんの(おおかみ)はストロンをじっと()ながら、(まわ)りをうろうろ(うご)きました。

 一匹(いっぴき)(おおかみ)がオォーン、と雄叫(おたけ)びを()げます。

 すると(まわ)りの(おおかみ)一斉(いっせい)にストロンに()びかかります。

 ストロンは(まえ)にいる(おおかみ)()()としながら(まえ)へと(すす)みます。そのまま(まえ)へと(はし)(はじ)めました。

 ストロンの(うし)ろからたくさんの(おおかみ)()いかけてきます。

 ストロンは()いついてきた(おおかみ)(はし)りながら一匹(いっぴき)ずつ()っていくのでした。


 (はし)(つづ)けて(あさ)になる(ころ)にはストロンを()いかける(おおかみ)はもういませんでした。

 ストロンは(おおかみ)何度(なんど)か、かまれましたが、()ていた(よろい)のおかげで怪我(けが)をせずにすみました。

 ぼろぼろになった(よろい)()ながらストロンは(ひろ)草原(そうげん)()けました。

 その(とき)(うし)ろからストロンを()ぶカインの(こえ)がします。

 カインは(ふと)った(おとこ)一緒(いっしょ)馬車(ばしゃ)()っていました。

 馬車(ばしゃ)がストロンの(ちか)くまで()るとカインは馬車(ばしゃ)()りました。すると(ふと)った(おとこ)はカインに(わか)れを()げて、馬車(ばしゃ)(はし)らせました。

(よろい)がぼろぼろだけど大丈夫(だいじょうぶ)かい?」カインはストロンに()きます。

大丈夫(だいじょうぶ)だ。それにしても(おおかみ)()れに()わなかったのか?」

()ったけど(ふと)った(おとこ)(ひと)()っていた()(にく)(おおかみ)()げた(すき)()げたんだよ。(かれ)商人(しょうにん)でいろんな(もの)()っていたんだ。()(みず)だけは()かったけどね」カインはそう説明(せつめい)し、ストロンにとても(なが)いロープと怪我(けが)()()(くすり)()せました。


 二人(ふたり)(ふか)(たに)へとたどり()きます。(たに)()りた(さき)にドラゴンの洞窟(どうくつ)があります。

「これを使(つか)って()りよう」カインはとても(なが)いロープを()()します。

 ロープの片側(かたがわ)(たに)(ちか)くにある()にくくりつけて、もう片方(かたほう)(たに)()とします。

 二人(ふたり)はロープを(つた)って(たに)()りていきました。

 二人(ふたり)(たに)(そこ)にたどり()きます。そこで二人(ふたり)はうぅぅ、といううめき(ごえ)()きました。

 うめき(ごえ)のする(ほう)()かうとそこには立派(りっぱ)(よろい)全身(ぜんしん)(つつ)んだ(ひと)をがいました。(かお)(かぶと)()えません。

大丈夫(だいじょうぶ)ですか?」カインは(よろい)()(ひと)(たず)ねます。

()(すべ)らせて(たに)()ちてしまった。(よろい)のおかげで()なずにすんだがな」(よろい)()た人はそう()いました。

怪我(けが)()()(くすり)()っています。(くすり)()りますから(かぶと)(よろい)()いでください」(よろい)()(おとこ)(うなづ)き、(かぶと)(よろい)(はず)しました。

 (かぶと)(した)にあったのはなんと(おお)きな(しろ)(ひげ)()やした老人(ろうじん)です。(よろい)(した)はやせ(ほそ)った(からだ)にしわのある(ほそ)(うで)(あし)でした。

「おじいさん、どうしてこんなところへ?」カインは老人(ろうじん)(くすり)()りながら()きました。

(わたし)(むかし)(となり)(くに)英雄(えいゆう)()ばれていた(おとこ)だ。(わたし)のひ(まご)がドラゴンにさらわれたのでここまでやってきたのだ」

「お姫様以外(ひめさまいがい)(ひと)もさらっているのか!」ストロンは(かお)(あつ)くして()いました。そして(たに)(おく)へと(ある)(はじ)めました。

「ストロン、()ってくれ!」カインは()()めます。

「こうしている(あいだ)もドラゴンは(わる)(こと)をしているかもしれない。(いそ)いで(たお)さなくてはいけないんだ」ストロンは(あゆ)みを()めることなく(おく)へと(すす)んでいきました。

 カインはストロンを()わずにおじいさんの看病(かんびょう)をしました。


 ストロンはドラゴンの洞窟(どうくつ)(まえ)へとやってきました。

 ドラゴンの洞窟(どうくつ)はとても(おお)きく、その(たか)さは二階建(にかいだ)ての(いえ)ぐらいあります。

 ストロンは自分(じぶん)()(もの)(たし)かめます。(おおかみ)()まれたボロボロの(よろい)(おおかみ)をたくさん()ったボロボロの(けん)です。

 ストロンは(うし)ろを()()きます。ストロンの(うし)ろには(だれ)もいない(たに)があるだけです。時折(ときおり)、ビュー、と(かぜ)が吹いていました。

 ストロンは(くび)(よこ)()って洞窟(どうくつ)(おく)へと(すす)んでいきました。


 洞窟(どうくつ)(おく)天井(てんじょう)から太陽(たいよう)(ひかり)()し、(なか)(あか)るく()らしていました。

 ストロンは太陽(たいよう)()らされたドラゴンの姿(すがた)がはっきりと()えました。

 一階建(いっかいだ)ての(いえ)ほどの(おお)きさがある(あか)いドラゴンです。(ひと)(ひと)のみできるほどの(おお)きな(くち)をしています。()簡単(かんたん)()()くことができそうな(つめ)をしています。(いわ)簡単(かんたん)にこなごなにできるであろう(ふと)(なが)尻尾(しっぽ)をしています。そして、どこまでも()んで()いかけることのできる(つばさ)()っていました。

 ドラゴンのすぐそばにお姫様(ひめさま)(おんな)(ひと)がいるのが()えました。

 ドラゴンは(はな)をひくひくと(うご)かしたあと、(ふと)(なが)(くび)(うご)かしてストロンの(ほう)(おお)きな(ひとみ)()けました。

(なに)しに()た?」ドラゴンは(ひく)(こえ)でストロンに(たず)ねます。

 ストロンは(けん)をドラゴンに()けて(さけ)びました。

「おまえを(たお)して、お姫様達(ひめさまたち)(かえ)して(もら)うぞ!」

「そのぼろぼろの(けん)(たお)すだと? (わら)わせる」ドラゴンはストロンに(あゆ)()ります。

無理(むり)です! お()げください!」お姫様(ひめさま)たちはストロンに(さけ)びました。

 しかし、ストロンは()げずに(けん)をドラゴンの(くび)へと()()そうとしました。しかし、ぼろぼろの(けん)(かた)筋肉(きんにく)でできているドラゴンの(くび)()()さることなく、()れてしまいました。

 ドラゴンはストロンほどある(おお)きな前足(まえあし)でストロンを地面(じめん)()さえつけました。ストロンは(あば)れます。(いわ)をも(うご)かすストロンですが、ドラゴンの前足(まえあし)(うご)くことはありませんでした。

 ドラゴンは前足(まえあし)()さえる(ちから)(すこ)しずつ(つよ)くしていきました。ストロンの(よろい)(こわ)れ、(からだ)からみしみしと(おと)がなります。ストロンは(いき)ができず、(くる)しくなっていきました。

「つまらない」そう()うとドラゴンは(くち)(おお)きく()けます。(けん)のように(するど)(きば)何本(なんぼん)もあります。ドラゴンは(くち)をストロンへ(ちか)づけていきます。

「やめてください!」お姫様(ひめさま)(かお)両手(りょうて)(おお)(かく)悲鳴(ひめい)()げます。(おんな)(ひと)(いし)()ってドラゴンに()げますが、ドラゴンは()づくことなくストロンに(くち)(ちか)づけていきます。


「ぐわあああ!!」ドラゴンの(おお)きな悲鳴(ひめい)です。ドラゴンの右目(みぎめ)立派(りっぱ)(けん)()さっていました。(けん)を刺したのは立派(りっぱ)(よろい)()たカインです。

大丈夫(だいじょうぶ)かい?」カインはドラゴンの(かえ)()()びたストロンに()()()べます。

 ストロンはカインの()()りて()()がります。二人(ふたり)はドラゴンの(ほう)(からだ)()けました。

 ()()されたドラゴンは(あば)(まわ)ります。ドラゴンの尻尾(しっぽ)洞窟(どうくつ)(かべ)(たた)き、(ゆか)(たた)きます。そしてお姫様達(ひめさまたち)(せま)ろうとしていました。

(あぶ)ない!」カインはお姫様達(ひめさまたち)(かば)います。カインはドラゴンの尻尾(しっぽ)によって()()び、(かべ)にたたきつけられます。カインの(からだ)がボキっとなりました。カインは()()がろうとしますが、(からだ)(うご)かすことができませんでした。

 (あば)れていたドラゴンは(あら)鼻息(はないき)をあげながら、カインの(ほう)()ました。そして雄叫(おたけ)びを()げながら突進(とっしん)していきます。

 ストロンは突進するドラゴンの尻尾(しっぽ)(つか)みました。ドラゴンの()()びて(ちから)がわき()がるのを(かん)じていたストロン。ドラゴンの突進(とっしん)()めました。そしてドラゴンを()()ばします。

 ストロンは()()ばしたドラゴンの()(まえ)まで()て、右目(みぎめ)にある立派(りっぱ)(けん)(つか)みます。ストロンはそのまま(けん)でドラゴンを()()きました。

 ()()かれたドラゴン、(うご)くことはもうありませんでした。


 ドラゴンの洞窟(どうくつ)(おく)から四人(よにん)()てきます。ストロンと(おおかみ)(ささ)えられたカインとお姫様(ひめさま)です。洞窟(どうくつ)()(ぐち)には白い(ひげ)老人(ろうじん)がいました。老人(ろうじん)四人(よにん)(もと)へと(はし)ります。

「ひ(まご)よ、無事(ぶじ)()かった」老人(ろうじん)(むすめ)にそう()いました。

「おじいさん、あなたのくれた(よろい)(けん)のおかげで(たす)かりました」カインは老人(ろうじん)(あたま)()げて感謝(かんしゃ)しました。

「こちらこそ、ひ(まご)(たす)けてくれてありがとう」老人(ろうじん)(むすめ)(ささ)えられたカインに感謝(かんしゃ)します。

「さあ(わたし)たちは(となり)(くに)(かえ)ろうか」老人(ろうじん)(むすめ)()いました。

「ひいおじいさま、この(かた)一緒(いっしょ)でもよろしいでしょうか?」(むすめ)(ほほ)(あか)らめながらカインを(ささ)えます。

「もちろんだとも!」老人(ろうじん)(よろこ)んで、(こころよ)()けました。

 その(あと)、カインは(となり)(くに)英雄(えいゆう)として老人(ろうじん)のひ(まご)(とも)(しあわ)せに()らしています。


 一方(いっぽう)のストロンはお姫様(ひめさま)一緒(いっしょ)(しろ)へと(もど)りました。

 お姫様(ひめさま)(たす)けたストロンも英雄(えいゆう)になりました。そして王様(おうさま)にこう()われました。

「ストロンよ、(ひめ)結婚(けっこん)してこの(くに)(おう)になってくれ」

 ストロンは王様(おうさま)提案(ていあん)(こころよ)()けて、お姫様(ひめさま)(しあわ)せに()らしています。


 めでたしめでたし


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