5.エピローグ
5.エピローグ
風にゆられて、波にゆられて、俺はまた、新たな旅路につく。
離れていく海岸で、ひとりの男が立っているのが見える。
たいせつなともだちが旅立っていくのを、さみしそうに見送っていた。
そんな彼からたいせつなものをさらった俺は、はたして悪者なのだろうか――。
彼女は、はじめてのヨットとはじめての旅に、心をおどらせているのが分かる。
「エンパッサーったら、大陸まで一緒について行くなんて、本当に心配性ね」
と、ご機嫌な様子でマストにとまったアマドリを見上げる。
アマドリはふんっと鼻を鳴らすと、彼女に向かって言う。
「フーラがいつも危なっかしいからってルタに任されたんだよ」
そう言って顔をぷいっと背けた。
その顔は、鳥だからよく表情は分からないけれど、どこか恥ずかしそうな様子だ。
フーラはとにかく楽しそうに、目をきらきらさせている。
ずっと夢に見ていた大陸への旅だから嬉しいのかと、俺は彼女に質問した。
すると彼女はひとつうなずき、そして首を横に振った。
「大陸も見てみたい。それはずっと昔からの夢よ。さっきだってルタの傷をテアテしていたルイスはすごかった。だけどね」
彼女は好奇心に満ちた目で、俺を見上げて言った。
「私、ルイスがこの旅で何を見つけるかを知りたいの」
彼女の言葉に、俺は言葉に詰まってしまう。
それはとても嬉しいことでもあるけど、どこかはずかしくて、思わずごまかし笑いを浮かべてしまった。




