000 魔族と人間
稚拙な文、誤字脱字などあるかもしれません。
生暖かい目で見て頂ければ幸いです。
時代はおよそ五百年程前に遡る。
-二二三六年 五月ー
人類は何度もの戦争を繰り返し、多くの尊い命を代償とする代わりに、すさまじい科学の発展をすることができた。
人類は長い時を経て、戦争の悲惨さを忘れていっていた。
そして人類は、自分達はどんなことでも科学の力で乗り越えられると、慢心していた。
《第一ノ災厄》が訪れるとも知らずに―――
-二二四一年 六月 二日 『魔族研究日記』一部より-
ようやく研究が成功した。
どうやら自分達を、【魔族】と言っているあのバケモノ達の強力な力は、大気中に溢れている【イシス分子】を体内に取り込み、動力源にしているようだ。
更に、先日培養に成功した、人間の細胞を食い荒らし、魔族と同じような強力な力を持つ細胞へと変化させる細菌も我々は所有している。
魔族殲滅も夢でなくなった今、地下生活からの開放も近いだろう。
-七月 三日-
やっと、地下に住んでいる者全員にワクチンの投与を終えた。
最初は、細菌に身体中の細胞を食い尽くされることによる激痛に悶え苦しんでいたが、
約99%の者が【魔族】に劣らない能力を得ることができた。
この力は本当に凄まじい。
まるで魔法を使っているかのような気分である。
しかし、体内に取り込めるイシス分子の総量も決まっているようで、底をつきてしまっては回復するまで待たなくてはいけないようだ。
一ヵ月後の総力戦までに、全員が能力をコントロールできるようにしなくてはならない。
また、約1%の者に特異な変化が現れていた。
片目がいきなりはじけたかと思うと、もう片方の目が真っ赤に染まり、瞳には星型のような模様が浮かび上がるものがいたり、獣のような鋭い爪を持つものが現れたり、一番驚いたのは、背中に大きな翼の生えた者だった。
我々は、彼らを【失敗作】と呼ぶことにした。
貴重な研究材料の彼らには、これからも色々な実験をしていこうと思う。
-七月 十一日-
失敗作の三人が死んだ。
どうやら水を浴びると普通の人間に戻ってしまうらしい。
水をかけた部分に発砲したところ、普段ではダメージを受けることも無かったはずが、貫通した。
失敗作はどうやら怯えているらしい。
他の能力者達は、基礎の能力を応用して、色々な応用技を作っているようだ。
-七月十三日-
夜中の内に失敗作たちに逃げられた。しかし、どうせ魔族にやられておしまいだろう。
だいたいの研究結果を終えて、どのみち用済みだったため、食料の減少が少し減るのはありがたい。
我々も総力戦に備えて準備を万全にしておかなくてはいけない。
-七月十五日ー
魔族に奇襲をされた。壊滅状態だ。
能力の転移でここまでなんとか逃れたものの、腹部を貫かれており、もう生きられそうにない。
そこで、この能力で今まで私が研究した結果をまとめたノートを世界中に転移で散りばめようと思う。
どうか魔族を殲滅して、世界を救ってもらいたい。
アドバイス・感想など聞かせてもらえると嬉しいです。