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君を守る…小さな勇者の誓い

晴は濡れた服をぞうきんみたいに手でしぼり、

紗良にも「お前も水絞らないと風邪ひくぞ!」と

声を掛けるが紗良はまだ泣いていて晴の声は

耳に入っていないみたいだった。

そんな紗良の肩を両手で掴み自分の方へと向かせた

晴は「おい!泣き止めよ!おい!」と肩をゆすり

晴の顔を見た紗良は少し安心したのか

だんだんと落ち着いてきた。

紗良が完全に泣き止むと同時に突然降り出した

大雨も止む。

涙が止まった紗良は晴に言われるまま

服を手で絞り水分を下に落とす。


星を見たときと同じように体育座りして

二人トンネルの中で並んで座っている二人。


先に口を開いたのは晴の方だった。

「守るよ」その言葉に紗良は隣にいる晴を見るが

晴は前を向いたままだった。


「俺が…俺が絶対に守るから…」そう言うと

横を向いて紗良の顔を見る。

その顔は太陽のような笑顔だった。

「よろしく!」と言ったあの時のような。

その笑顔に紗良も「うん!」と笑って返したのだった。


だんだんと瞼が重くなってきた二人は

夢の世界へと導かれてゆく。

二人は今どんな夢を見ているのだろう。

大好きなママ、パパ達と遊んでいる夢だろうか。

それとも自分達の大好物が並んでいる

食卓を大好きな人達と一緒に囲んでいる夢だろうか。


くっついて眠っている二人。

手も繋がれている。

繋いでいない方の晴の左手、紗良の右手には

それぞれ剣がしっかりと握りしめられていた。

その剣がキラーンと光る。

小さな勇者達を応援するように。

二人の勇者の背中を押すかのように。

その光は眠っているこの小さな勇者達は

気付かない。


君達は今どんな夢を見ている?…

君達の寝顔は嬉しそうだ…

きっと楽しい夢でも見ておるのかな…











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